コーヒー飲料の満足度向上が目的か
米国のディズニーパークではこれまで、ネスレのコーヒーが提供されていました。エプコットでは2009年までアトラクションのスポンサーを務めたり、カリフォルニアやフロリダのパーク内でネスレの飲料やアイスクリームが販売されたりするなど、ディズニーとネスレの関係は親密になっています。
しかしネスレのコーヒーはインスタントで安価だったものの、味への評判はあまり良くありませんでした。
そこでディズニーはコーヒーの強化に乗り出します。実は飲み物の原価はかなり低く、利益率が高い商品なのです。ディズニーが売上やゲストの満足度向上を目指して、コーヒーに目を付けたのは自然な流れなのかもしれません。
スターバックスのプレスリリース(※1)の中で、ディズニーパークのメアリーベス・ビジネア飲食物販部門副社長(当時)は以下のように語っています。
“We know food and beverage offerings are an important part of the memories our guests make at Disney Parks and now they will be able to enjoy their favorite Starbucks beverage as part of their experience,”
「私たちは食事や飲み物が、お客様がディズニーパークで作る思い出の大切な一部であることを知っています。そしてスターバックスの飲み物も、その体験の一部として楽しんでいただけるでしょう。」
スターバックスは米国シアトル発祥で、今では世界的に人気のコーヒーチェーンになっています。フラペチーノに代表される商品も、多くの消費者に支持されています。
そんな強いブランド力を持つスターバックスを、コーヒー強化の目玉に利用したいとディズニーが考えたのだと思われます。
スターバックスとしても、米国内だけではなく世界中から多くの観光客が訪れるパーク内への出店は、大きな広告宣伝効果を持ちます。
スターバックスは2008年に「MyStarbucksIdea.com」というサイトを立ち上げ、客や従業員からスターバックスに関する様々なアイディアを募ってきました。スターバックスはプレスリリース(※1)の中で、このサイトにディズニーパークへの出店希望が寄せられていたことを明かしています。
※1 Starbucks Newsroom (April 23, 2012)「The Starbucks Experience Comes to Disney Theme Parks」