また映像関係では、バートンがディズニーチャンネルのために作った初期の短編、アジア人のキャストだけで撮った異色中の異色フェアリーテール『ヘンゼルとグレーテル』も見ることが出来る。若き日のバートンの、人とはまったく異なる感性を再認識することが出来るはずだ。

 

絶滅寸前 1994年 50.8 x 40.6 cm アクリル・キャンバス
  

また、彼の作品のモチーフとしてよく登場するストライプや渦巻きを使ったイラストや油絵、写真もたくさん並べられ、改めてバートンの”趣味”がわかる趣向。ちなみに次の日のバートンが履いていたソックスも淡いピンクと白のストライプ柄だった。

 

無題(ナンバー・シリーズ #6) 1982年 27.9 x 38.1 cm ペン・インク・マーカー・紙
  

これらは、まさに氷山の一角。総勢約500点もの作品があり、その一点一点からバートンの類稀な才能を感じることが出来るはずだ。

「アート作品としては最高じゃないと思うけれど、僕の作品を見て刺激を受け、何かを創造するきっかけになれば嬉しい」というバートンの言葉通り、想像力と創造力を刺激されまくる展示会である。

本展覧会は2015年の1月4日まで開催され、その後2月27日から4月19日までは大阪(グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタル イベントラボ)で開催される。

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All Images © 2014 Tim Burton 

わたなべ・まき SFビジュアル誌の編集を経てフリーに。得意分野はSF&ファンタジー系。ティム・バートンとピーター・ジャクソンをこよなく愛する。現在は「TVブロス」「SFマガジン」等で執筆中。