2015年3月7日(土)より、東京・赤坂ACTシアターで行われる舞台『バラーレ』の製作発表が11月27日都内で行なわれ、演出を務める坂東玉三郎と、出演のダンス集団DAZZLEが出席した。
玉三郎がダンスの演出をつけるのは今回が初めて。その経緯について玉三郎は「今年の夏に、太鼓芸能集団「鼓童」のイベントでDAZZLEさんとご一緒することが決まって、先にダンスを拝見したんです。日本のストリートダンスから出てきたダンスグループは世界的に見てもレベルが高いという話は聞いていたのですが、本当に素晴らしい。ジャズダンスともクラシックバレエとも違うダンスパフォーマンスが、日本から生まれている事に、理由無く感動しました。そこから何か一緒にやりたいなと思いました」と説明。
続けて玉三郎は「やる事が決まってから、DAZZLEさんがこれまでやられてきた事を可能な限り見て、そこでクラシック音楽で踊ったらどんなニュアンスが出るのだろうと思い、今回のクラシックとダンスの融合という考えに至りました。タイトルの『バラーレ』というのはイタリア語で「踊る」と言う意味。第1部はストラヴィンスキー作曲の『春の祭典』、第2部はマーラー作曲『交響曲第四番』、第3部はタンゴを踊っていただこうと思っています」と語った。
DAZZLEのリーダー長谷川達也は同作について、「今年で結成して18年。何者でもなかった僕たちが、いつか何者かになりたいと思って活動してきましたが、そんな中、玉三郎さんとの信じられないような出会いがあって、一緒に舞台がつくれることになって光栄です。DAZZLEはストリートから派生した独特のダンスですが、数々の舞台を演出されている玉三郎さんの力を借りて、また違う形になっていくのが楽しみ。稽古の中でも、いままで観たことのないような舞台になると現時点で感じています」と自信を見せた。
会見の前には、玉三郎のアイデアで実際に報道陣の前でダンスパフォーマンスを披露。その出来について報道陣から問われると長谷川は、「今日は目いっぱいやらせていただいたのですが、まだ稽古の途中なので、気持ちの面でもパフォーマンスの面でも、もっともっと高めていきたいと思います」と話した。
会見の最後に玉三郎は「今年の春からやって来年の本番まで丸1年あるんですが、ストラヴィンスキーの「春の祭典」をやるというのは各時代の大きなバレエ団が一大事業としてやってきた事なので、DAZZLEはそこに挑戦しているという事なんです。僕が演出で思いも寄らぬ動きをしろと言うので、ハードなダンスをしてきたDAZZLEの皆さんでも、背筋や側筋など、これまでにないところが痛いとおっしゃっている(笑)。僕は思いも寄らぬところを痛くさせた演出家なんです(笑)」と言って、会場を笑わせた。
舞台『バラーレ』は3月7日(土)から15日(日)まで、東京・赤坂ACTシアターで上演。一般発売は12月7日(日)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、ぴあでは先行先着プリセールを実施。受付は11月29日(土)午前11時より。