新国立劇場2015/2016シーズンの主催公演ラインナップが発表された。演劇、バレエ、舞踊3部門の作品をお伝えする。
まずは演劇8作品から。10月のシーズン開幕に中劇場で上演されるのは、スティーブン・ソンドハイム作曲の本邦初演ミュージカル「パッション」。新国立劇場は過去、「太平洋序曲」「INTO THE WOODS」と2本のソンドハイム作品を上演してきた。今回は芸術監督・宮田慶子の演出、井上芳雄、和音美桜、シルヴィア・グラブらの出演で、濃密な恋愛のドラマを舞台に刻む。続く11月の小劇場「桜の園」は、鵜山仁演出、田中裕子ほかの出演。王道のチェーホフ劇に期待しよう。12月の小劇場「バグダッド動物園のベンガルタイガー」は、気鋭・中津留章仁が演出する戦争テーマの硬質な米国ストレートプレイ。3月からの小劇場は鄭義信三部作の連続上演で、今回の目玉というべき企画だ。この作家が新国立劇場に書き下ろした「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」の名作3つを改めて堪能したい。6月の中劇場「あわれ彼女は娼婦」はシェイクスピアと同時代の演劇で、兄妹の禁じられた愛の物語。こちらは栗山民也演出で。シーズンのラストは、7月の小劇場、別役実の新作書き下ろし、宮田慶子演出による「竹取物語~よみがえり篇~」(仮題)のタイトルが挙がっている。
バレエは6作品はすべてオペラパレス。10月の新制作「ホフマン物語」は、芸術監督・大原永子の英国へのこだわりが香るピーター・ダレル振付の逸品。12月のおなじみ「くるみ割り人形」、1月の祭典「ニューイヤ・バレエ」を挟み、2月の新制作「ラ・シルフィード/Men Y Men」にも注目だ。前者はオーギュスト・ブルノンヴィルの古典的振付に大原永子が演出で参加し、この作品に関する深い知見を注入する。後者は昨年の「眠れる森の美女」に続く、ウエイン・イーグリングの振付が話題。5月は鉄板「ドン・キホーテ」。6月の「アラジン」では、前芸術監督デヴィッド・ビントレーの振付作品を再演する。
ダンスは、10月小劇場の「近松DANCE弐題」で幕開け。以降は中劇場での公演が3つ並ぶ。3月の新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2016」、3月の平山素子「Hybrid―Rhythm & Dance」、6月の高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA」と計4公演を揃えた。