ペイディを導入している「スーパーオートバックスTODA」
スマートフォンでの後払い(BNPL=Buy Now Pay Later)サービス「ペイディ」が、実店舗でも使えるように――。Paidyは2月2日、分割手数料無料(口座振替・銀行振込のみ。以下同じ)の「3・6・12回あと払い」を実店舗の対面決済で本格展開すると発表した。これまでオンラインでの買い物が中心だったペイディが、実店舗で使えるとどのようなメリットが得られるのか。実際に導入している、カー用品専門店オートバックスのFCであるバッファローの「スーパーオートバックスTODA」で話を聞いた。
若い顧客を取り込むための武器に
実店舗でペイディを本格的に展開する目標について、Paidyの臨光政孝執行役員は「対面決済の流通総額を2028年までに現在の50倍にします」と強気だ。その自信の裏付けはあるという。
実店舗におけるペイディの展開は、2021年のApple Storeが最初。その後、24年初旬から試験的な取り組みを、多種多様な業態の約300店舗で実施・検証してきた。引っ越しサービスやアパレル、アウトドア・スポーツ、ホビー、美容室、生活サービス、葬儀に至るまで実に多様だ。
そうした中、顧客や加盟店から好評だったことを受けて今回、満を持して事業を拡大していく。
その1社であるバッファローは、オートバックスのFC店舗として埼玉県に12店舗、東京都に3店舗の計15店舗を展開する。24年10月から試験的にペイディによる対面決済を採用してきた。牧野博章取締役常務執行役員 営業副本部長は「カー用品業界は市場そのものが縮小している上、若者のクルマ離れも深刻です。そうした若いお客様を引き寄せるための新しい武器として、ペイディは有効だと考えました」と、導入の狙いについて語る。
実際、シュリンクする市場の中でも、バッファローの客数は増え、顧客一人当たりの平均単価も向上。業績は好調だ。
スーパーオートバックスTODAで販売現場を指揮する武井誠志ストアマネージャーも「驚いたのは、若いお客様から『ペイディ使えますか?』と聞かれるケースが多いことです。若い人の間で浸透しているサービスであることをあらためて実感しました」と手応えを感じている。店舗にとっては、既にペイディを使っている若いユーザーを新規客として取り込める。来店のきっかけづくりにもなる。
ペイディで業務も効率化
同店でペイディを利用するユーザーは。価格帯が10~20万円のタイヤホイールやカーナビ、コーティング、板金などでの利用が多いという。分割手数料無料で「3・6・12回あと払い」から選べるペイディは、こうした商品を購入する際の心理的なハードルが下がる。店にとって、業務の効率化につながるのもポイントだ。
「10万円を超える商品を購入する際、これまでは貯金してから一括で支払うか、割賦やローンを組む、クレジットカードのリボ払いぐらいしか選択肢はありませんでした。金利負担がかかる分割払いは、お客様のハードルが高く、また店にとっても手続きが煩雑で、審査に15~30分、説明を含めてトータルで1~2時間かかることもあります。それだけ説明しても、最終的に審査が通らないということもあるのです」と武井ストアマネージャーは語る。
スマホのアプリで完結するペイディなら、審査手続きは最短60秒で済むし、分割手数料は無料。初めてのユーザーでも、アプリをダウンロードしてから最短60秒で支払いが完了する。店にとっても、他の顧客に接する時間がつくれるというわけだ。
売り上げを伸ばすには、客数を増やし、平均単価を上げるのが近道。ペイディなら手続きに時間がとられないので客数を増やせる。顧客にとっても、本当はほしかったけど予算の都合で諦めていた商品も、ペイディなら心理的なハードルが下がる。こうしたアップセルにつながるのもペイディの強みだという。
今回、Paidyは実店舗での本格展開をアピールするキャンペーンも実施している。2月2日~3月31日の期間中に、実店舗加盟店でペイディを利用して買い物した顧客全員に、利用金額に対して10%のキャッシュバック(最大5000円)を実施する。キャッシュバックは4月末までに、ペイディアプリやMyPaidyに反映される。
同期間に新規事業者向けのキャンペーンも実施。新規に対面決済の買い物向けにペイディを導入する新規事業者を対象に、加盟店手数料を2カ月無料(最大5万円)とする。
Paidyの臨光執行役員は今後について、「ペイディを単なる決済手段ではなく、加盟店の平均単価の向上や新規客層の開拓、コンバージョンを支援する『マーケティングツール』として、その価値を証明していきたいと考えています」と語る。(BCN・細田 立圭志)







