「もったいない」と感じてほしい
各区民からの認知度も日に日に上がっているそうで、青木さんの務める緑区では、商業施設でのイベントや小学校への訪問も行っている。
また、オリジナルのシボレンジャーグリーンバッジを作って子どもに配ったり、公用車にステッカーを貼ったりしているおかげもあって「シボレンジャーってなんですか?」とか「どこで見られるんですか?」などと聞かれることもあるそうだ。
男の子には人気の出そうなキャラクターだが、女の子や大人にはどうなのか。
青木さんは「ちょっと驚いたんですが、女の子やおじさん、おばさんにも人気があるんですよ」と話す。
幼稚園や保育園ではもちろん、商業施設でショーをやると女子高生が一緒に写真を撮りたがったり、子ども時代を懐かしがる大人が喜んだりするそうだ。
さらなる知名度アップのため、昨年の春に青木さんはシボレンジャーのテーマ曲CDまで作ってしまった。
作曲、歌唱は南区でシボレンジャーの声をボランティアで担当していた、新人声優グループ「コエコプロジェクト」の元リーダー・菊池ひさえさん。作詞には青木さんも参加したそうだ。
菊池さんを始め、バックバンドやアレンジャーもプロが善意で協力してくれたそうで、出来は上々。今後はイベントでの登場シーンなどで使っていくとのことだ。
認知度、人気ともに上昇中のシボレンジャーだが、青木さんが一番伝えたいことは「もったいない」という意識だという。
最近、食べ物のごみが問題になっているそうで、中でもスーパーで売っているのと同じ状態で捨てられている「手つかず食品」のごみが増えているそうだ。
「市内で年間に、市民一人当たり5kg、金額にすると4000円に相当する食品が手つかずで捨てられています」と話す青木さんは、「子どもたちに給食を残さず食べるようにしてもらったり、お父さんお母さんに計画的に買い物をするように伝えてもらえるように“もったいない”の精神を持ってほしい」と続けた。
取材を終えて
「夢は18区にシボレンジャーを作ること。最後は私がシボレンジャー・キングになって出たい」と笑う青木さん。
ほかにも、ごみをまき散らすような悪役を登場させてストーリーを分かりやすくしたり、新たなグッズを作ったりと今後の展望は山積みのようだ。取材中にも「オフレコですけど」と、すでに決まっている新情報をいくつか聞かせてもらった。
それを聞く限り、まだまだシボレンジャーの躍進は止まらない。
それによって、平成37年まで続くヨコハマ3R夢プランの次代を担う子どもたちに、ごみに対する考え方を伝えることができる。
プランの柱である3つのRのひとつで、ごみ問題の根源でもある「Reduce(ごみを減らす)」はまさに「もったいない」の精神と直結している。
「子どもたちには難しいことよりも、そういうところの意識を持ってもらいたい」と青木さんは言う。
ちびっ子たちも、ヒーローが登場すると集中して目を向けてくれるというから、シボレンジャーに課せられた使命は小さくないようだ。
※本記事は2015年1月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。