会見より。斎藤友佳理  撮影:引地信彦 会見より。斎藤友佳理  撮影:引地信彦

2月13日、東京バレエ団プリンシパルの斎藤友佳理が8月1日に同団の芸術監督に就任することが発表され、バレエ団を運営する公益財団法人日本舞台芸術振興会の高橋典夫事務局長、現芸術監督の飯田宗孝、斎藤友佳理が出席し、記者会見が行われた。

東京バレエ団 チケット情報

創立50周年記念を迎えた東京バレエ団は、一昨年12月より創立50周年記念シリーズを展開。その一環として、稀代の貴公子ダンサー、ウラジーミル・マラーホフをアーティスティック・アドバイザーに迎え、充実の活動を続けている。高橋事務局長は「50周年事業の最後の仕上げとして、斎藤友佳理を芸術監督に迎えたいと当初から考えていた」とコメント、彼女のプリマ・バレリーナとしての活躍や、モスクワでも指導したという『ラ・シルフィード』等での指導者としての実績を紹介。飯田現芸術監督も「これからの時代の指導者として最も相応しい人材」とし、自身はバレエ団総監督佐々木忠次の補佐として、団長という肩書きで東京バレエ団、東京バレエ学校を監督すると述べた。

斎藤は「愛する東京バレエ団をさらに大きく飛躍させる一助になればと、周囲の勧めもあり、お引き受けしました」と穏やかに語り出すも「指導体制の統一」を目指し、さらなるレベルアップに挑むと力強く述べた。また、「最初の最も大きな仕事は、来年2月に予定されている『白鳥の湖』。これは、ブルメイステル版を上演することが決まりました。版権を所有するブルメイステル氏のお嬢さんとようやく交渉できたのです。1953年初演の、演劇性の高い『白鳥の湖』です」

また、8月には新制作の“子どものためのバレエ『ドン・キホーテ』”上演、11月・12月のシルヴィ・ギエム ラスト・ツアーで、東京バレエ団はウィリアム・フォーサイス振付『イン・ザミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』バレエ団初演、イリ・キリアンの『ドリームタイム』を上演。今後は、『ザ・カブキ』をはじめとするオリジナル作品、ベジャールの『ボレロ』『春の祭典』等、限られたバレエ団でしか上演されない作品の上演を継続していくほか、「これから先は、レパートリーの選択が重要なカギ」と指摘、20世紀の傑作や新作にも取り組みたいという。さらには、指導することの喜びに触れ、「これが、自分が求めていたことだったのだと確信した。覚悟はできています」と決意をのぞかせた。

斎藤友佳理芸術監督就任を控えた東京バレエ団は、6月に同団の代表作のひとつ『ラ・バヤデール』公演を予定している。公演は6月11日(木)から13日(土)まで、東京文化会館 大ホールにて。チケットの一般発売は2月21日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行を実施中、2月18日(水)午後11時59分まで受付。

取材・文:加藤智子