話題の「折りたたみスマホ」 市場は全体の0.6%未満

最近話題の「折りたたみスマートフォン」。Appleが市場投入するのでは、という噂も流れており、注目が集まっている。しかし、BCNが全国の家電量販店やECサイトから集計しているPOSデータから見ると、市場に定着しているとはいえない状況だ。折りたたみスマホ市場について、BCN総研 大嶋敬太アナリストに解説してもらう(聞き手:BCN+R 寺澤 克)。

伸びはある だが依然として全体の1%未満にとどまる

全体に占める販売台数の割合でいうと、2024年が0.58%です。そこから2025年は0.53%になりました。

折りたたみスマホ自体の販売台数は増えています。しかし、それ以上に折りたたみ以外のスマホの販売台数が増え、相対的に比率が下がりました。1%にも満たないので、ニッチな領域と言わざるを得ないでしょうね。

ちなみに、スマホ全体で見ると2025年は前年比120.1%でした。

特筆すべきは、スマホ全体でキャリアフリーでの購入が14.6%にとどまっているのに対して、折りたたみスマホは49.9%と高い点です。

この要因については、折りたたみスマホがキャリアの補助に頼らず自己負担で購入できるような高所得層、またはスマホに精通している感度の高い層に偏っていることなどが考えられます。

比率としては縦折りが多い Galaxy Z Flip7・motorola razr 50がけん引

次に、縦折り(フリップ型)と横折り(フォールド型)では、縦折りの方が売れています。比率にして縦折り83.6%、横折り16.4%です。

縦折りの価格帯が10~18万円台と安価で、購買層が広いからでしょう。縦折りが人気なのは、世界的なトレンドとも一致しています。一方で、横折りは構造上、ディスプレーが大きくヒンジも長くなり、コストがかかりやすい。価格は20万円を超えてくるので、結果的に、購買層が限定されやすいと考えられます。

ちなみに、市場をけん引しているのは、Motorola Mobilityのmotorola razr 50(販売台数1位)SamsungのGalaxy Z Flip7(2位)で、両方とも縦折りになっています。

シェア構成はMotorola・Samsung・ZTE Googleは伸び悩む

2025年の数字ですと、Motorola Mobilityが49.0%、Samsungが39.7%、ZTEが7.9%という割合になっていますね。

はい。モトローラはフラッグシップの60 Ultraのほかに、60や50もあり、バリエーションが豊富です。これが、シェアを高めた一因でしょう。

注目は、Googleが振るわなかった点です。Pixel 9 Pro Foldは、シリーズでも知名度が高いモデルではありますが、データではその存在感が薄かったです。しかし折りたたみスマホは、自己負担で購入するようなガジェット通が多い、という仮説に基づくならば、メーカーストアから直接購入しているユーザーが一定数存在すると考えた方が自然でしょう。また、GoogleはAI機能に強みがあるため、価格戦略を見直すことで今後シェアを伸ばす可能性もあります。

機種がまだ少ない Apple参入するなら市場活性化の可能性も

まず、円安を背景とした価格高騰が進み、一層高額になっていることが一つ挙げられます。特に、一般的なスマホに比べると、折りたたみスマホは、ヒンジを設けているなど構造が複雑で、値段が高い。また、「壊れやすい」というイメージを払しょくしきれていない、という見方もできます。

製品自体が少ないのも事実です。販売を続けている主だったメーカーは、先ほど挙げた3社で、その中でも縦折り・横折りを両方投入しているのはSamsungだけです。しかし、巷で噂になっているAppleの参入があると話が少し変わってきます。

国内市場はiPhoneのシェアが非常に高いことが特徴です。参入により、折りたたみスマホへの関心が一気に高まり、市場拡大という流れも十分に考えられます。

※「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。