カメラ好きが悶絶「Xiaomi 17 Ultra」の「楽しすぎる撮影体験」の正体
Xiaomiが2026年3月5日に発売した約20万円のフラグシップスマートフォン「Xiaomi 17 Ultra」のカメラが業界をざわつかせている。スマホカメラが成熟し、どのメーカーのスマホでも一定のクオリティの写真を記録できるようになった昨今。ライカとの協業によりカメラに振り切ったこのスマホは何が違うのか。今回は作例も交えながら、その魅力を紹介する。
「Xiaomi 17 Ultra」が熱い視線を浴びる理由
スマホを購入するとき、カメラ性能を優先事項にあげる人は多い。特にハイエンドモデルであれば、どれだけ高精細で表現力のある写真を撮影できるかどうかが、業界ではメインの競争軸になっている。
昨今のスマホカメラのトレンドの中心にあるのが「AI」だ。高精度の画像処理や写真合成を駆使することで、「いかに簡単に綺麗な写真を記録するか」を各社競い合っている。
実際、最近のスマホのカメラは、誰であってもシャッターを切ればシーンに最適化された綺麗な写真を撮影することが容易になった。一方で、巷のカメラ好きからは「どのスマホで撮影しても一緒」「デジタルで作ったような写真が多い」という声も聞かれる。
今回取り上げる「Xiaomi 17 Ultra」が注目されている理由は、AIなどデジタルに頼りすぎず、物理的なアプローチでスマホカメラの新境地を切り開いているところにある。
ライカ共同開発の革新的なカメラシステム
「Xiaomi 17 Ultra」を特徴づけているのは、ライカと共同で開発した革新的なカメラシステムだ。
これまでも多くのメーカーがライカとコラボしたスマホカメラを世に送り出してきた。しかしXiaomiは、ハードウェアの設計からソフトウェアの画像処理まで、ライカの哲学をどうすればスマホで表現できるかを追求するべく、「Xiaomi×Leica 光学研究所」という開発拠点を設立するまでに至っている。
アウトカメラのレンズは3眼で、内訳はメインカメラ(広角)、ライカ 200MP 望遠カメラ、超広角カメラという構成。メインカメラで特筆すべきは、5000万画素/F値1.67の1インチセンサー「Light Fusion 1050L」だ。
超大型センサーで光をしっかり取り込むことができるのは、スペックから想像がつくが、17 Ultraでは加えて、白飛びを抑えるLOFIC技術を搭載することで、明暗差の激しいシーンで圧倒的な描写力を実現した。
ライカ 200MP 望遠カメラは新開発の「可変式光学ズーム」を採用しているのがポイント。多くのスマホが固定焦点の3倍ズームや5倍ズームなどを別々に搭載し、デジタルズームで倍率を調整しているが、Xiaomi 17 Ultraは物理的にレンズ群がスライドする構造を取り入れた。
これにより75~100mm(約3.2倍~4.3倍)でデジタルズームに頼ることなく調整することができ、範囲内であればどの倍率で撮影しても、デジタル劣化のない光学ズームによる撮影を可能にした。また、「2億画素」という超高画素の1/1.4インチ超大型センサーを搭載しているのも見逃せないポイントだ。
Xiaomi 17 Ultraの魅力を際立たせる「Photography Kit Pro」
17 Ultraには「Xiaomi 17 Ultra Photography Kit Pro」という専用のアクセサリーがある。これはXiaomi 17 Ultraに取り付けることで、デジタルカメラのような操作感で撮影を可能にするもので、物理シャッターやズームレバー、設定を調整するカスタムダイヤルなどを備えている。
装着は簡単で、スマホ本体のType-Cコネクタに差し込むだけ。Bluetooth接続などをする必要もない。さらに2000mAhのバッテリーを搭載しており、スマホ本体の予備バッテリーとしても機能する。デフォルトでは、スマホ本体のバッテリー残量が20%以下になると充電が開始されるように設定されている。
本体とは別売りで公式サイト価格は1万9980円と決して安くはないのだが、17 Ultraならではの撮影体験を最大限に楽しむなら、合わせて使いたいアイテムだ。
【作例】夜景撮影で真価を発揮 ハードパワーで強烈に印象深い写真に!
ここからは17 Ultraの作例を紹介しながら、その魅力を解説していきたい。
カメラの凄さが明確にわかるのが、光と闇のコントラスト差がある夜景を撮影したときだ。最近のスマホはデジタル処理技術がすぐれているため、夜景を美しく描写する能力が底上げされているが、17 Ultraの夜景はデジタルを駆使した「作り込んだ」ものではなく、「見たまま」の感動をそのまま残してくれる。
夜空をバックに観覧車を撮影した写真は、光が白飛びしたり、不自然に明るくなったりすることなく、そのままの階調で描写できている。デジタル処理をすると、特定の色が強調されすぎることがよくあるが、17 Ultraは繊細に描写しながら抑制も効いており、見たままの風景をしっかりと記録してくれた。
撮影地は神奈川県のコスモワールド周辺だったのだが、当日はたまたま花火が上がっていた。予定していなかったので、シャッタースピードをいじる余裕もなく、通常モードで適当にシャッターを切ったのだが、それでも白飛びすることなく、光の尾がはっきりと見える十分に満足いく写真を撮影することができた。
【作例】望遠でもディテールを鮮明に描写 2億画素&可変ズームの威力
望遠カメラの可変式光学ズームの威力も凄まじい。今回は川向こうにある桜を撮影してみたが、メインカメラの1倍ズームと望遠カメラの4.3倍ズームの写真を比較しても、劣化を感じさせないディテールの再現力を確認することができた。
参考までに望遠カメラのデジタルズームとなる30倍・60倍でも同じ場所から撮影してみたところ、ディテールがつぶれている部分はあるものの、花びらの輪郭や木の模様は十分に描き出していた。
光学ズームは4.3倍までなので、それと比べると見劣りはするものの、デジタル処理も高いレベルで実装されていることがわかる。ちなみにデジタルズームは120倍まで可能だ。
【作例】日常の写真でも「見たまま」を描写
風景だけでなく、日常の人物やフードを対象にした写真の美しさも際立っている。
日没後の野外でポートレートモードを試してみたところ、背景のボケや人物との境界はとても自然で、夜景同様に作り込んでいない、ありのままの美しさを感じられた。周囲はだいぶ暗くなっていたが、花や人物の肌の色味は失われることも補完されすぎることもなく、まさに見たままだ。
フードは焼肉屋で生肉を撮影してみたのだが、店内が薄暗かったにも関わらず、淡い赤も深い赤も忠実に再現してくれた。上に乗ったゴマや胡椒の粒感まで伝わってくるディテールの描写も印象的だ。飲食店では1倍ズームだと撮影者の影が入ってしまうことがあるが、17 Ultraは望遠カメラでも寄りの撮影ができるので、応用が効きやすいのもメリットだ。
アウトカメラの魅力に目が行きがちだが、インカメラも5000万画素という超高解像度で、質感の高い写真を撮影できる。特にPhotography Kit Proを使えば、画面が横向きでも撮影が安定し、手ぶれも抑えられる。
カメラ特化だからこその注意点
Xiaomi 17 Ultraのカメラ性能は、各社の現行モデルと比較しても最上位クラスで、かつ唯一無二の新境地を開拓している。しかし、カメラ特化だからこそ、スマホとしての使い勝手にはいささか妥協を強いられる部分もある。
たとえば、ボディの厚みは8.29mmでシリーズ最薄を実現しているが、背面のカメラユニットは可変式設計の望遠カメラを搭載していることもあり、かなり出っ張っている。ケースを装着しても出っ張り自体は残ったままなので、机の上に置くときなどはちょっと取り扱いに慎重にならざるを得ない。
また、すでにユーザーからあがっている声として、本体を振ったとき、カメラユニット内でレンズがカラカラと音を立てるのも少し気になる。これはセンサーと手ブレ補正機構(OIS)がフローティング状態であるゆえに発生するものだが、「故障では?」と勘違いしてしまった人もいるようだ。
最大のネックは、おサイフケータイ(FeliCa)非対応ということだ。すでにモバイル交通カードやスマホによる非接触決済を使っている人にとっては、スマホとしての利便性が後退してしまうため、購入時の大きなハードルになるかもしれない。
「カメラ特化」ではあるが「カメラ全振り」ではない
誤解してほしくないのは、17 Ultraが「カメラ特化」だからといって「カメラ全振り」のスマホではないということだ。
今回はカメラにフォーカスしたため、あえて触れなかったが、高性能のSoCであるSnapdragon 8 Elite Gen 5 Mobile Platformや文書作成・画像/動画編集をサポートするXiaomi HyperAIを搭載しており、パフォーマンスは他社のフラグシップモデル並みだ。
高精細な写真を美しく表示できるよう、画面も高精細かつ高輝度(最大3500nits)のディスプレーや6000mAhの大容量バッテリーを搭載しているなど、上記にあげた設計上のクセやFeliCa非対応という点以外は、カメラ以外も非常に優秀と言える。
それにしても、17 Ultraのカメラ体験は本当に楽しかった。レビュー後もいつまでも使っていたくなるような満足度は、最近のスマホではあまり得られなかったものだった。筆者はすでに複数台のスマホを併用しているので、20万円のスマホを新しくお迎えするのは厳しいと感じていたが、「高級コンデジ代わりとして割り切って買っちゃうか?」と本気で悩まされている。(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして幅広い業界で取材活動を行う。家電レビュー、業界のキーマンインタビュー、金融サービスの解説、企業の戦略分析などの記事制作が得意。ポイ活セミナーの講師も務め、生活者に役立つ情報を日々発信している。







