左から、吉本真悟、新上裕也、佐々木大、辻本知彦、Joey Beni  撮影:源賀津己 左から、吉本真悟、新上裕也、佐々木大、辻本知彦、Joey Beni  撮影:源賀津己

アートとエンターテインメントを融合させた舞台を発表し、日中友好舞踊歌劇『木蘭』では中国トップダンサーの相手役も務めた新上裕也が、アートディレクション・振付・出演を務める舞台「GQ(Gentleman Quality)」が4年ぶりの新作『Gabby』を発表する。「GQとは、生きていく上で出会う究極の選択を前に、全てを受け入れ、背負い、強く立ち続ける人達のこと。今回は“七つの大罪”を裏テーマに、壮大な世界を描きます」と新上は語る。

GQ2015『GABBY』チケット情報

錚々たる出演者のうち、前回公演に続いての出演となる佐々木大、吉本真悟、Joey Beniと、今回が初参戦の辻本知彦にも話を聞いた。

国立ロシアバレエ団でプリンシパルとして活躍し、三大バレエコンクールのひとつ、ジャクソン国際バレエコンクールでは金賞受賞の経験を持つ佐々木大は「僕の中でGQは、素晴らしい表現者がジャンルの垣根を超えて集まる、お祭りであり、戦場。違う言葉で話し合い、ひとつのストーリーを語る中で、自分はバレエの人間なんだと、良い意味で確認できる場所でもあります。楽しさと恐ろしさの両方を味わって臨みます」。

また、日本人で初めてパリオペラ座バレエ学校で学び、三大バレエコンクールのヴァルナ国際バレエコンクールでは金賞を受賞した吉本は「ストリート、コンテンポラリー、バレエのダンサーが同じステージに立ち、物語を伝えるのがこの公演の見どころ。色々なことが起きている今だからこそ、舞台を通して何か表現できたらと思います。めちゃくちゃ楽しいですね」。

アメリカ育ちで、数々のコンテストやバトルで受賞し、俳優としても活動しているJoey Beniは、出演者の中で最年少の20歳。前回のGQを「ずっとストリートダンスをやってきたけれど、違うジャンルの方々と初めて共演しました。皆さんのダンスは異次元。とにかく吸収して勉強して。文化や言葉の違いもあって、これが日本なのか!とも感じました。物語がある世界で、動きを通して感情や意味を伝えたいです」。

シルク・ド・ソレイユの一員として海外に行き、昨年帰国した辻本は、師匠と慕う新上に「今、トモが必要だから」と声をかけられた。「ここまでのクオリティと人数の男性ダンサーと共演したことはありません。オールスターですよね。僕にとって好都合です。僕はコンテンポラリーダンスからストリートダンスから、色々なジャンルに手を出しているので、ライバルがいっぱい。負けません!」。

頼もしい出演者達の言葉に笑顔で耳を傾けながら、新上はこう締めくくった。「このメンバーだから託せるし、自分も大きくならなければなりません。ダンサーとしても、みんなとの出会いに刺激を受けます。良い意味でバトルもしつつ、最終的には同じところを向いて圧倒的な世界を作りたい。想像を超える世界を味わっていただきたいです」。

公演は6月10日(水)から14日(日)まで東京・EX THEATER ROPPONGにて。チケットぴあではインターネット先行先着を実施中、3月8日(日)まで受付。

取材・文:高橋彩子