“トレンドじゃなくても、私はこういうのが好き”
“理解されないかもしれないけど、私にはこういうのが合っている”
世の中には、流行りには至らなくても、そんな風に思える多様でタイムレスな趣味やライフスタイルがたくさんあります。今、ROOMIE編集部の中でジワジワと広がっている、“あえてのロースペック”という暮らし方もその1つ。

生活・娯楽・健康管理。今やすべてにおいて欠かせなくなったスマートデバイスですが、あまりの情報量の多さに“疲れ”を感じ、あえて“ロースペック”で機能が制限されたものを好む人が増えているのだとか。
ROOMIE編集部の中にも、そんな選択を生活に取り入れた編集部員が3名いました。一見不便にも思えるロースペックなアイテムが、彼らの暮らしにフィットし、ハイテク機器では得られない“楽しさ”や“快適さ”を生んでいるというのです。
そこで今回は、ROOMIE編集部員が実践する「あえてのロースペック」という暮らし方について、いろいろ話を聞いてみようと思います。
聴きたい曲に悩まなくていい。それがどれほど快適なことか!(ROOMIE編集部員ちゃなまる)
サブスク全盛の昨今、音楽アプリではなく“カセットで音楽を聴く”という経験を楽しんでいるのが、ROOMIEライターのちゃなまる。

もともと好きなアーティストのカセットを複数所有していたちゃなまるですが、聴く手段を持たずにいました。そんなとき友人に教えてもらったのが、ポータブルカセットプレイヤーのAUREX「AX-W10C」。

「AX-W10C」との出会いは、ちゃなまるの「所有欲」に拍車をかけた様子。このプレイヤーの購入がきっかけで、“カセットを探し回る”という新たな楽しみが生活の中に生まれていました。

今のアーティストが出すカセットは、デザインが凝っていて手元に置いておきたくなるんです。サブスクではできない、“ジャケ買い”なんていう音楽の楽しみ方もするようになりました。聴いてみないと中身がわからないワクワク感は、アナログなアイテムならではです(ちゃなまる)

プレイボタンをガチっと押し込む、このアナログな操作感も好きなんですよね(ちゃなまる)
「AX-W10C」はBluetoothでイヤホンと接続できるということ以外、仕様は従来のカセットプレイヤーと同じ。カセットテープに録音された音楽が順番に再生され、プレイ・ストップ・巻き戻し・早送りという単純なボタンで操作します。
そのため、好きな曲だけを選んで聴くという今風な使い方はできませんが、ちゃなまる曰く「むしろ、曲をかけたら流しっぱなしでいいのがうれしい」とのこと。
能動的に選べない分、聴きたい曲が決まらない・聴き終わったら次に聴きたい曲を探さないと……なんてこともありません。聴きたい曲がわからなくなる時代に、“あえて自分で曲を選ばない”というのは、むしろ快適な音楽の楽しみ方だと思います(ちゃなまる)

部屋の中にいても、BGMが定まらないことって多いですよね。その点「AX-W10C」は、カセットをセットしてボタンを押したら、約1時間は音楽が流れっぱなし。聴きたい曲が決まらない焦りも、これじゃないんだよぁという不満も特にない。
そんな風に流れてくるものただただ楽しめるというのが、今の時代どれだけ貴重なことか!(ちゃなまる)
試行錯誤の末にたどり着いた「チープカシオ」(ROOMIE編集部員やり)
大の馬好きで、日頃から乗馬や馬のお世話をライフワークの1つとするROOMIE編集部員のヤリ。そんな彼女が愛用するのは、“チープカシオ”の愛称で知られる、CASIOの「F-91W」です。

厚さ8.5mmに重量は21gとかなり軽量。ストップウォッチやアラームなど、機能は必要最低限のものしか搭載されていませんが、この“ロースペックさ”が彼女にとっては心地いいのだと話します。

実は以前まで、私もスマートウォッチユーザーの1人でした。ただ趣味の乗馬の最中、手元にLINEなどの通知が届くとどうしても気になってしまい……。
そこで、腕時計は「時間さえわかればいいや」と割り切ってみたら、目の前の集中したいことにより没頭できるようになったんです。私自身、人とつながるのは好きなのですが、腕時計にまでその機能は不要だったみたいですね(やり)
また彼女が感じるチープカシオの魅力が、もう1つありました。それは充電がいらないこと。電池式というチープカシオのアナログさが、むしろ心に精神的なゆとりを生んでいるようです。
私自身が心配性なので、「充電したっけ?」とつい不安になってしまうんです。それ自体は些細な作業でも、スマホに腕時計に……と充電しないといけないものが増えると管理が大変。だから”充電というお世話”をしなくても、電池1つで自立してくれると、心がとても軽くなります(やり)
この“自立してくれる”という要素は、ヤリにとってとても重要なポイント。仕事用のボイスレコーダーも乾電池式のものを選び、オンライン会議で使うイヤホンは、Bluetoothの接続をしなくていいよう、あえて有線のものをチョイスしています。

スマートデバイスって1つひとつはすごく便利で、手間のかからないものだと思います。でも数が増えすぎると、充電したり設定をしたり、実はお世話が必要なんだなと。私の場合、腕時計やイヤホンみたいに一部のものをロースペックにすることが、心や生活のゆとりにつながっていると感じます(やり)
ハイテク機能は何もない。だから運転を楽しめるんです(ROOMIE編集部員ノグチ)
若者の車離れが進むなか、最近になって中古車を購入したのがROOMIE編集部員のノグチです。
購入した車種はダイハツの「ミラジーノ」。18年前のモデルなうえに、車検も含めた総額が20万円ほどだったというので驚きです。

もともとカーシェアを利用する機会が多かったので、いっそ安い中古車を購入したほうが長い目で見たときにお得かなと思い購入しました。
初めてのマイカーとしてミラジーノを選んだ理由は、単純にデザインがかわいかったから。丸っこくて小さなフォルムや、レトロさを感じる雰囲気が気に入りましたね(ノグチ)
車を選ぶ基準として、機能性の高さは重要ではなかったと話すノグチ。事実、今回購入したミラジーノには、エアコンやエアバッグなどの必要最低限な機能があるのみで、Bluetoothといったスマホとの連携機能はありません。
しかしそんな不便さのなかに、ハイテク機器にはない“楽しさ”があると続けます。

料理やサウナと一緒で、この車を運転している最中はスマホを見なくて済むんですよね。だからこそ、レトロカーならではの走り心地や運転そのものを楽しめています(ノグチ)
そんなドライブのお供は、懐かしのCD。ミラジーノの購入がきっかけで、100円の中古CDをディグるという新たな趣味を見つけていました。

運転中にCD交換をするのが面倒なので、同じアルバムをずっと聴き続けています。今の時代、同じものをじっくりと聴き続けることがあまりないので、それ自体がちょっとおもしろい体験ですね(ノグチ)
三者三様のロースペライフ
今回、話を聞かせてもらった3人に共通するのは、生活の一部に上手にロースペックを取り入れているということ。
最新技術を取り入れながらも、不要と感じるものは思い切って手放してみる。そんな遠回りに思えることが、実は暮らしをより快適にする近道なのかもしれません。
なんてことをパソコンに打ち込みながら不意にデスクへ目を向けると、私も裏紙にボールペンでメモを書き殴っていました……。

実はみなさんの身の周りにも、隠れたロースペックが潜んでいるかもしれませんよ。
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