「夏はやっぱり、ヨットとサルサでしょ」

――今まで開催されてきた中で、印象に残っているヨットやパフォーマンスはありますか?

タモリ:関西からずーっときてくれる船があるんですよね。博多の方にも。そういう船にはほんと感謝します。よく来てくれるなって。何日もかけてくるわけですよ、ヨットですから。

――前夜祭ではいつもサルサをやられていますよね。

タモリ:これは最初から、サルサとヨットって決めていて。サルサは盛り上がりますからね~。サルサは日本人、絶対好きになると思ってたんだけどな。

――でもサルサがかかるとやっぱり沸き立ちますよね(笑)

タモリ:沸き立つでしょ? おやじたちがあんなに踊るとは思わなかったよ。全員踊ってますからね~。夏はやっぱり、ヨットとサルサでしょ。

――タモリカップはヨットの知識がなくても楽しめますか?

タモリ:レースはゆるいレースです。一応レースはちゃんとやるんですけども、そこまでレースをぎちぎちにやるのが目的ではないんで。レースも楽しもうよという、条件もすごい緩やかな条件です。これだって最初30艇くらいから出発したんですからね。

――すごいですね、もう今は規模が。

タモリ:よくここまで来ましたよ。日本一目指してるわけじゃないけど、今日本一になりましたしね。大きな大会を目指そうとは思ってたんですけどね。最初から比べれば夢みたいなもんですよねぇ。

ギリシャの5泊か6泊のヨットレースがあるんですよ。世界各国から100艇くらい行くんだけども、上位10艇くらいがマジでレースやってる。で、他はやってないんですよ。

というのは、レースという名の観光で、毎日、どっかの港に寄って夜は宴会。また次行って夜は宴会(笑)。日本でもそういうレースをやりたい。……レースじゃないな。レースと称して宴会というか。廻っていくっていうのはいいなって思う。
 

タモリさんと森繁久彌さんを繋いだヨット

タモリ:昔、森繁さんと仕事したことがあって。いつも打ち合わせの時、席が隣だったんです。一番遅れてきて、ヨットの雑誌を置くんですよ。その雑誌見たいな、と思って、読み終わったみたいだから「見てもいいですか?」って見てたの。

「お前ヨットが好きか?」って聞かれて、「僕はヨット持つのが当面の目標なんです」って言ったら、「ふーん。お前ね、このあいだ見たけど、あれは何だ? あのイグアナってのは。バカみたいなことやってんじゃないよ。でもいい、それは仕事だからな。趣味だけはこういう高尚なもんを持つ、それを目標にするってのはいいことだ。水平線に夕日が沈むね。すーっとヨットを沖に出すんだよ。そうするとね、もうね、女の子は貞操観念ありませんよ」って言ってきて、どこが高尚なんだよ、お前の趣味は!って(笑)。

あと30mくらいある立派なヨットを持っていて。でも聞いたらやっぱりあれは維持費が大変で、ヨットやめて、50フィートくらいのモーターボートを築地川に置いてたの。オレ仕事でそこを通ったとき、モーターボートの上に森繁さんが乗ってたから声かけて。

そしたら「ちょっと来い、そっち上がって来い」って言われて、船の何自慢するのかなと思ったら、エアコンの機械指して「おい、霧ヶ峰」。霧ヶ峰の何が自慢なんだろうって(笑)。ほんとあの人はわかんない人だった(笑)。
 

ヨットで繋がるいろいろな縁。船を持っていなくても、港やマリーナに行けば、海に出るきっかけと出会えるかのかもしれません。また、海に出る魅力は「やっぱり自然の中にほったらかされることじゃないかなぁ(笑)」と語ったタモリさん。ゆらゆらと大海原に投げ出される感覚を、ちょっと味わってみたくなりました。

初めて目にするたくさんの船たちを見て回り、海に新たな興味が湧いてきた『ボートショー』。やっぱり海ってロマンがあります。タモリさんが言うように、せっかく海に囲まれた日本にいるなら、マリンライフを楽しまなきゃ損ですよね!