豪雨・洪水が激甚化するも「流域治水」の認知度は42.3%に留まる。MS&ADインターリスク総研が調査
MS&ADインターリスク総研は6月2日に、20~79歳の男女を対象に実施した、グリーンインフラに関する意識調査の結果を発表した。同調査は、2月10~16日の期間に行われ、1500名から回答を得ている。
流域治水の実効性を高める鍵となるグリーンインフラ
今回の調査は、激甚化する豪雨・洪水によって、従来のハード対策だけでは安全を守ることが難しくなっていることから、流域治水の実効性を高める鍵となるグリーンインフラについて、住民意識の現状を把握するべく行われた。
調査対象は、「洪水予報指定河川(国土交通大臣指定)」および「直近の水災害発生河川」のうち、多摩川、鶴見川、天竜川下流、菊川、馬込川、緑川、白川流域周辺に居住している人。
調査対象者に、国や自治体が推進している「流域治水」の認知度を尋ねたところ、「内容をよく知っている」と「聞いたことがあるが、具体的な内容は知らない」を合わせた割合は、全体では42.3%に留まった。
一方で、居住地域別でみると、緑川・白川流域(熊本県)では53.1%に達しており、令和2年7月豪雨の「伝聞」(28.8%)や、「過去の水災害実体験」(21.2%)が強い動機となっている。
「流域治水」を進めるために、協力・参加したいと思うことを尋ねた質問(複数回答)では、「協力・参加したいものはない」という回答が48.9%に達しており、水災害リスクへの認知が不十分なため、自分事化できていない現状がうかがえる。
グリーンインフラへの協力意向(25.7%)と、実際の実施状況(7.3%)を比較すると、約3.5倍の差が生じている。また、「流域治水」をよく知っている層は、グリーンインフラの実行率が22.1%と高い水準に達した。
「グリーンインフラ」に関する対策が普及するためには、どのようなことが必要だと思うかを尋ねたところ(複数回答)、「グリーンインフラ導入による水害リスクの低減効果の情報」と「地域コミュニティによる連携体制」が上位を占めている。また、グリーンインフラの実施率が高い層ほど「地域コミュニティによる連携体制」を重視していることが明らかになった。
自身の居住地別では、関係者(自治体・企業・住民・団体など)間での「治水のための協力関係」がどの程度築けていると感じるかを尋ねた質問では、「十分に築けている」と「ある程度築けている」を合わせた割合は全体で19.4%に留まっている。緑川・白川流域は24.6%と比較的高いものの、多摩川流域(東京都、神奈川県、山梨県)では18.4%、鶴見川流域(東京都、神奈川県)では16.4%、天竜川下流・菊川流域(静岡県、愛知県)では18.2%など、都市部では2割を下回った。







