皮膚科医が解説する正しい対処法と受診タイミング|アイシークリニック調査

【結論】本調査のポイント
とびひは患部をガーゼ等で覆い、他の子どもに触れない状態になれば登園・登校可能です。水いぼは放置しても6ヶ月~2年で自然治癒しますが、感染拡大防止やプール参加を考慮すると早期の皮膚科受診で摘除することが推奨されます。プールへの参加は、とびひは完全に乾燥し痂皮化するまで控え、水いぼはビート板やタオルの共有を避ければ参加可能とする施設が増えています。

・保育園・小学校で「とびひ・水いぼ」の集団感染を経験した家庭が46.3%
・登園・登校再開の正しい判断基準を「知らない」保護者が79.2%
・夏休み前のプール参加可否に不安を感じる保護者が67.8%

用語解説
■ とびひ(伝染性膿痂疹)とは
とびひとは、黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌が皮膚に感染して起こる細菌性皮膚感染症である。正式名称は伝染性膿痂疹で、水疱やびらんが「飛び火」のように次々と広がることからこの名がついた。主に乳幼児から小学生に多く、夏季に発症しやすい。
■ 水いぼ(伝染性軟属腫)とは
水いぼとは、伝染性軟属腫ウイルス(MCV)が皮膚に感染して起こるウイルス性皮膚感染症である。1~5mm程度の光沢のある半球状の丘疹が特徴で、中心部にへそのようなくぼみがある。接触感染により拡大し、アトピー性皮膚炎の子どもに多く見られる。
■ 痂皮化(かひか)とは
痂皮化とは、皮膚の傷や水疱が乾燥し、かさぶた状になった状態を指す。とびひの登園・登校再開の目安として重要な指標であり、病変部が完全に痂皮化し感染力が低下した状態を意味する。

とびひと水いぼの違い・対処法比較

※一般的な目安であり、個人差があります。具体的な判断は皮膚科医にご相談ください。

医療法人社団鉄結会(本社:東京都渋谷区、理事長:高桑康太)が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、夏休みを前に増加する子どもの皮膚疾患に関する保護者の認識と対応状況を調査しました。本調査では、保育園・小学校における「とびひ」「水いぼ」の集団感染経験や、登園・登校再開の判断基準に関する保護者の知識レベルを明らかにしています。

調査背景
夏季は高温多湿な環境により、子どもの皮膚疾患が増加する季節です。特に「とびひ(伝染性膿痂疹)」や「水いぼ(伝染性軟属腫)」は保育園・小学校での集団感染が問題となり、多くの保護者が対応に悩んでいます。しかし、正しい対処法や登園・登校再開の基準については情報が錯綜しており、過度に登園・登校を控えさせるケースや、逆に感染を拡大させてしまうケースが見られます。夏休み前のプール参加可否の判断も含め、保護者が正しい知識を持つことの重要性を啓発するため、本調査を実施しました。

調査概要
調査対象:保育園・幼稚園または小学校に通う子ども(3~12歳)を持つ全国の保護者
調査期間:2026年6月8日~6月17日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名

調査結果
【調査結果】約半数の46.3%が集団感染を経験
設問:お子さんが通う保育園・幼稚園・小学校で、「とびひ」や「水いぼ」の集団感染が発生したことはありますか?



約半数の家庭が保育園・幼稚園・小学校での集団感染を経験しており、夏季の感染症対策が多くの保護者にとって身近な課題であることが明らかになりました。「わからない」と回答した15.3%には、感染情報が適切に共有されていない可能性も示唆されます。
【調査結果】正しい基準を「知らない」保護者が79.2%
設問:「とびひ」になった子どもが登園・登校を再開できる正しい基準を知っていますか?



「あまり知らない」「まったく知らない」を合わせると79.2%に達し、大多数の保護者が正しい判断基準を把握していないことが判明しました。これにより、過度な登園自粛や逆に感染拡大リスクのある状態での登園が発生している可能性があります。
【調査結果】62.4%が「皮膚科で取るべき」と回答
設問:「水いぼ」の治療方針について、どのような対応が適切だと思いますか?



「あまり知らない」「まったく知らない」を合わせると79.2%に達し、大多数の保護者が正しい判断基準を把握していないことが判明しました。これにより、過度な登園自粛や逆に感染拡大リスクのある状態での登園が発生している可能性があります。
【調査結果】62.4%が「皮膚科で取るべき」と回答
設問:「水いぼ」の治療方針について、どのような対応が適切だと思いますか?



約7割の保護者がプール参加に不安を感じており、夏季特有の悩みであることがわかります。特に「非常に不安」と回答した28.3%は、具体的な判断基準の提供が急務と考えられます。
【調査結果】まずネット検索が最多で38.7%
設問:子どもの皮膚トラブル発生時、最初にどのような対応をしますか?



最も多い初期対応が「インターネット検索」であり、正確な医療情報へのアクセスが重要であることが示されました。一方、すぐに皮膚科を受診する保護者は27.4%にとどまり、早期受診の啓発が必要です。

調査まとめ
本調査により、保育園・小学校での「とびひ・水いぼ」の集団感染経験を持つ家庭が46.3%に上る一方、登園・登校再開の正しい判断基準を知らない保護者が79.2%と極めて高いことが明らかになりました。また、夏休み前のプール参加に67.8%が不安を抱えており、皮膚トラブル発生時にまずインターネット検索をする保護者が38.7%と最多でした。これらの結果から、保護者への正確な情報提供と早期受診の重要性を啓発する必要性が浮き彫りになっています。

医師コメント|アイシークリニック 高桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、とびひも水いぼも正しい知識があれば過度に恐れる必要はありません。しかし、対処を誤ると感染拡大や重症化のリスクがあるため、疑わしい症状があれば早めに皮膚科を受診することをお勧めします。

とびひ(伝染性膿痂疹)は細菌感染症であり、抗菌薬による治療で通常1~2週間で治癒します。登園・登校の再開は、患部をガーゼ等で覆い、他の子どもとの接触を防げる状態になれば可能です。ただし、病変が広範囲にわたる場合や、発熱を伴う場合は医師の判断を仰いでください。

水いぼ(伝染性軟属腫)はウイルス感染症で、免疫がつけば6ヶ月~2年で自然に消退します。ただし、その間に数が増えたり、他の子どもに感染するリスクがあります。特にアトピー性皮膚炎のお子さんは、皮膚のバリア機能が低下しているため感染しやすく、広範囲に広がりやすい傾向があります。

プール参加については、日本臨床皮膚科医会の統一見解として、水いぼを理由にプールを禁止する必要はないとされています。ただし、ビート板やタオルの共有は避けるべきです。とびひの場合は、完全に乾燥し痂皮化するまではプールを控えてください。

夏季は汗や虫刺されによる掻き壊しがきっかけで感染症が悪化しやすい時期です。こまめなスキンケアと、異変を感じたら早めの受診を心がけてください。
【エビデンス】日本皮膚科学会および日本臨床皮膚科医会のガイドラインでは、水いぼについて『プールの水を介しての感染は否定されており、水いぼを理由にプールを禁止する必要はない』と明記されています。また、とびひについては『病巣が乾燥し、かさぶた化していれば登園・登校は可能』とされています。
とびひの正しい対処法
・早めに皮膚科を受診し、抗菌薬(内服・外用)で治療を開始する
・患部を触らないよう爪を短く切り、清潔に保つ
・患部をガーゼで覆い、他の子どもとの接触を避ける
・タオルや衣類の共有を避け、こまめに洗濯する
水いぼの治療選択
・数が少ない場合は摘除を検討(短期間で解決)
・アトピー性皮膚炎がある場合は早めの治療が推奨
・自然治癒を選択する場合は定期的に経過観察
・プールは参加可能だが、タオル等の共有は避ける
受診のタイミング
・水疱やびらんが急速に広がっている場合
・発熱や全身倦怠感を伴う場合
・市販薬で3日以上改善しない場合
・プール開始前に症状がある場合
高桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医

臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者

監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A)
Q1. とびひになった子どもはいつから登園・登校できる?
A. 患部をガーゼ等で覆い、他の子どもに直接触れない状態であれば登園・登校可能です。
今回の調査では、正しい登園・登校基準を知らない保護者が79.2%に上りました。とびひの場合、病変部が完全に乾燥・痂皮化するのを待つ必要はなく、患部を清潔なガーゼで覆い、他児との直接接触を防げれば登園・登校できます。ただし、広範囲に症状がある場合や発熱がある場合は、医師に相談してください。

Q2. 水いぼは自然に治る?皮膚科で取るべき?
A. 自然治癒しますが、感染拡大防止や早期解決を望む場合は皮膚科での摘除が有効です。
調査では62.4%が「皮膚科で取るべき」と回答しました。水いぼは免疫がつけば6ヶ月~2年で自然に消退しますが、その間に数が増えたり他の子どもに感染するリスクがあります。特にアトピー性皮膚炎があるお子さんや、プール参加を控えている場合は、早めに皮膚科で摘除することで短期間で解決できます。

Q3. プールに入れるのはとびひや水いぼがどの状態になってから?
A. とびひは完全に痂皮化するまで不可、水いぼはタオル等の共有を避ければ参加可能です。
67.8%の保護者がプール参加に不安を感じているという結果が出ています。とびひはプールの水を介して感染するリスクがあるため、完全に乾燥・痂皮化するまで控えてください。一方、水いぼはプールの水では感染しないため、ビート板やタオルの共有を避ければ参加可能と多くの施設で対応しています。

Q4. 子どもの皮膚に水疱ができたら、まず何をすべき?
A. 患部を触らせないようにし、早めに皮膚科を受診してください。
調査では38.7%がまずインターネットで調べると回答しましたが、とびひは放置すると急速に広がる可能性があります。水疱やびらんを見つけたら、子どもが触らないよう爪を短く切り、清潔なガーゼで覆ってから皮膚科を受診することをお勧めします。早期の抗菌薬治療で重症化や感染拡大を防げます。

Q5. きょうだいへの感染を防ぐにはどうすればいい?
A. タオル・衣類の共有を避け、入浴は別々にすることが重要です。
集団感染経験が46.3%という結果からも、感染力の強さがわかります。とびひ・水いぼともに接触感染で広がるため、タオルや衣類の共有を避け、入浴は感染している子どもを最後にするか別々にしてください。また、患部をガーゼで覆い、就寝時も直接肌が触れないよう工夫することが効果的です。
放置のリスク
・とびひを放置すると、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)など重症化するリスクがある
・水いぼを放置すると、数が数十個~100個以上に増殖し、治療が困難になる場合がある
・アトピー性皮膚炎がある子どもは、とびひ・水いぼともに重症化・広範囲化しやすい
・感染症を放置した状態でプールに入ると、他の子どもへの感染拡大につながる
こんな方はご相談ください|受診の目安
・水疱やびらんが急速に広がっている場合
・38度以上の発熱や全身倦怠感を伴う場合
・市販薬を使用しても3日以上改善が見られない場合
・水いぼの数が増え続けている場合
・夏休み・プール開始前に症状がある場合

クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で夏季の皮膚トラブルに対応
・小児の皮膚感染症にも対応可能な皮膚科診療体制
・当日予約可能で、急な皮膚トラブルにも迅速に対応
・水いぼ摘除は麻酔テープを使用し、痛みに配慮した治療を実施

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画

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