牛のげっぷに含まれる強力な温室効果ガス “メタン” の課題に海藻で挑む




株式会社サンシキ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:久保田 遼、以下「サンシキ」)は、プレシードラウンドにおいて、サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブ1号投資事業有限責任組合をリード投資家とし、株式会社安藤・間の参加を得て、総額8000万円の資金調達を実施したことをお知らせします。

調達した資金は、生産体制の拡大、製品化に向けた開発、および組織体制の強化に充当します。

背景:牛のげっぷと、温室効果ガス

メタンは、CO2の約28倍という強い温室効果を持つ温室効果ガス[1]であり、その削減は、気候変動対策のなかでももっとも即効性の高い打ち手の一つとされています[2]。世界にはおよそ15億頭の牛がいるとされ [3]、牛や羊などの反芻動物が主に「げっぷ」として排出するメタンは、世界全体の温室効果ガス排出量の約5%を占めています [4]。

解決策:カギケノリを使った飼料と、陸上養殖での量産

サンシキは、この課題への解決策として、日本在来の海藻の一種であるカギケノリを用いた飼料製品を開発しています。カギケノリを牛の飼料にごく少量加えることで、げっぷに含まれるメタンを大幅に削減できることが、世界各地の研究で示されています [5]。





一方で、カギケノリを低コストで安定的に養殖し、有効成分を保ったまま製品化する量産技術は、世界的にも十分に確立されていません。サンシキは、高知大学発ベンチャーとして、同大学のこれまでの研究成果を基盤にした、独自の陸上養殖技術によってカギケノリを低コストに量産し、飼料として製品化するための技術開発に取り組んでいます。


7,000Lタンクでのカギケノリの陸上養殖の様子

カギケノリの種苗培養の様子

これまでの歩み

- 生産:独自の陸上養殖により、商業規模の試験タンクでカギケノリの安定生産に成功。
- 研究:カギケノリの生産技術・生産実績を学会で発表。国内・海外特許を出願
- 評価:環境省スタートアップ支援プログラム、J-Startup WEST に採択。高知大学発認定ベンチャー。NHK・フジテレビ・テレビ東京・週刊エコノミスト・日経GX 等、各種メディアで紹介。






海藻プラットフォーム構想

サンシキは、カギケノリの先に、海藻そのものを地球規模の課題に応える新しい資源として捉える「海藻プラットフォーム構想」を掲げています。海藻は真水を必要とせず、成長しながらCO2を吸収し、食料・素材・エネルギーへと姿を変える可能性を持っています。

いま世界では、海藻が新たな資源として注目を集めつつあり、世界銀行は、海藻産業が最大1.5億人の雇用を生み出しうると試算しています [6]。日本は、世界有数の海藻養殖・食文化の歴史を持つ国であり、この領域で世界をリードしうる可能性を持っています。

サンシキは、まずはカギケノリによる牛の温室効果ガス削減に取り組みながら、「海藻プラットフォーム構想」のもと、海藻という新しい資源の可能性を一つずつ事業へと広げてまいります。




資金使途

本ラウンドで調達した資金は、主に以下に充当します。
- 生産体制の拡大
- 製品化に向けた開発
- 事業拡大を支える組織体制の強化




投資家からのコメント

大目晃弘 氏(サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブ1号投資事業有限責任組合 SBI新生企業投資株式会社 シニアディレクター)
この度、サンシキ社へ出資の機会をいただけたことを大変うれしく思っております。牛のような反芻動物がゲップとして排出するメタンガスの抑制は世界的な課題です。カギケノリを牛に食べさせることでメタンガスの排出量を劇的に減少させることができますが、これまでは生産コストが高く量産技術も十分に確立されていませんでした。カギケノリを低コストで安定的に量産する技術を持つサンシキはこの領域でゲームチェンジャーになれる可能性があり、近い将来、日本発の海藻テックスタートアップとしてグローバルで躍進していくことを期待して今回出資させていただきました。久保田さんを始めとするチームの皆さんと共にサンシキの更なる発展を全力でサポートさせていただきます。
清水 穂高 氏(株式会社安藤・間 経営戦略本部 経営企画部長)
株式会社サンシキが推進するカギケノリを活用した温室効果ガス削減事業に、出資を通じて参画できることを大変嬉しく思います。本事業は、畜産分野における環境課題解決に向けた壮大な挑戦であり、気候変動対策のゲームチェンジャーとなり得る大きな可能性を秘めていると考えています。サンシキ社が実証を通じて培ってきた安定生産や加工技術、事業化に向けた推進力に大きな期待を寄せています。
建設業を生業とする当社にとって本事業は新しい領域となりますが、長期ビジョンに掲げる「環境価値創造」の実現に向けた重要な取組みの一つと位置付けております。サンシキ社の挑戦に伴走し、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値創造に取り組んでまいります。

株式会社サンシキ 代表取締役 久保田 遼 コメント

牛のげっぷに含まれるメタンは、強力な温室効果ガスであり、その削減は気候変動対策のなかでも即効性の高い打ち手です。そのなかで、カギケノリは最も有力な選択肢の一つであると考えています。ただし、それを低コストで安定的に量産する技術は、まだ十分に確立されていません。私たちは高知大学で培われた養殖の知見を基盤に、独自の陸上養殖でこの量産技術の確立に取り組み、すでに商業規模の試験タンクでの安定生産に成功しました。

そしてその先には、海藻を新しい資源として捉える「海藻プラットフォーム構想」があります。海藻の養殖と食文化に長い歴史を持つ日本は、この領域において、世界で勝てると考えています。今回ご参画いただいた投資家の皆さまとともに、まずはカギケノリで着実に成果を出し、海藻の可能性を切り拓いてまいります。

会社概要


本件に関するお問い合わせ
株式会社サンシキ 広報担当
E-mail:info@sunshiki.com
出典
[1] メタンがCO2の約28倍の温室効果を持つ点:国立環境研究所ほか(日本農業新聞 論説, 2026)
[2] メタン削減が気候変動対策として即効性が高い点:Environmental Defense Fund (2026)
[3] 世界の牛は約15億頭とされる点:Carbon Market Network / FAO (2026) https://carbonmarketnetwork.com/blog/livestock-methane-carbon-credits/
[4] 消化管由来メタンが世界の温室効果ガス総排出量の約5%を占める点:農研機構(兼松株式会社/敷島ファーム株式会社/dsm-firmenich 共同プレスリリース, 2026)
[5] カギケノリ(Asparagopsis)による牛のメタン削減効果:UC Davis / Beef Central (2020)、Frontiers in Animal Science ほか(Angus牛で49~77%削減 等)
[6] 海藻産業が最大1.5億人の雇用を生み出しうるとの試算:世界銀行(Pacific Seaweed Summit, 2026)
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