芙蓉酒造 1887年創業 長野県佐久市

つくる人だけに、未来まで背負わせない。

創業139年の芙蓉酒造、六代目が二人に。造りと歴史を継ぐ「蔵元」と、経営と社会への接続を担う「蔵主」が、同じ六代目を担う共同代表制を始動します。



長野県佐久市で明治20年(1887年)から酒を醸してきた芙蓉酒造株式会社は、2026年9月1日、6代目蔵元・依田昂憲が代表取締役社長を、千葉功太郎が代表取締役会長を務める共同代表制へ移行する。これまで三つに分かれていた製造・販売の法人を一社へ一元化し、千葉功太郎が同社の全株式を取得する。

1 日本の伝統産業に対する問い

日本には、才能がある。素晴らしい杜氏がいて、料理人がいて、農家がいる。それでも、その多くが世界に届かないまま終わっていく。
足りないのは腕ではない。その才能を世に届ける役割を、誰も担ってこなかったからだ。
伝統産業の承継は、これまで「誰かが継ぐか、途絶えるか」の二択で語られてきた。継ぐ側にとっては、造りも、経営も、資本も、販路も、すべてを一人で背負うということである。背負いきれなければ、蔵は静かに閉じていく。
問いはここにある。この国の伝統産業に、「幸せな承継」はつくれるのか。

2 「つくる人だけに背負わせない」という思想

映画には監督がいて、それを世に出す者がいる。球団には監督がいて、その上に編成と経営を担う者がいる。選手に興行まで任せる球団はない。
ところが酒の世界では、造る人が、売る人と経営する人を兼ねてきた。一人が三役を担ったまま、世界を相手に戦えるはずがない。
当たり前の役割分担が、行われてこなかった。このままでは、この文化を未来へ渡せない。
つくる人だけに、未来まで背負わせない。これが、この体制の出発点である。

3 芙蓉酒造が出した具体的な答え

依田昂憲は蔵元としてすべての造りの責任を担う。千葉功太郎が蔵主として資本と経営の責任を負う。
千葉は投資家である。自らの仕事をこう定義する。「価値を発見し、再定義し、その価値を確定させること」。まだ誰も値をつけていないものを見つけ、意味を与え直し、世に認めさせる。二十年、それをやってきた。
そして数字だけを見て入ってきたわけではない。鎌倉山で農園を営み、麻布十番で自ら鮨を握る。土から生まれるものと、人が集まる場所。その両方を仕事として持つ人間が、蔵の経営に入る。「造りには口を出しません。そこは依田さんの領域です」(千葉)。
あわせて三社に分かれていた法人を一社へ統合する。これまで会社をまたいで使えなかった百本を超えるタンクと蔵の全区画が共用となり、造れる酒の幅と量が、そのまま広がる。手続きの整理ではなく、造りの解放である。
これは、蔵を未来へ渡す行為だ。

4 蔵元と蔵主という仕組み

蔵元は、造りと歴史を継ぐ者。蔵主は、蔵そのものを引き受け、経営と、社会への接続を担う者。
「共同六代目」という呼び方は、依田昂憲が自ら考えた。番号を揃えたことに意味がある。どちらかが本家で、どちらかが外部という関係ではない。一つの代を、二人で担う。血で継ぐ蔵元と、志で継ぐ蔵主が、同じ番号を分け合った。
後継・資本・販路という課題は、全国の酒蔵に共通する。血縁にも、売却にも頼らない第三の道として、この仕組みが他の蔵の参考になることを目指している。

体制





二人の言葉

依田 昂憲|代表取締役社長 6代目 蔵元
2010年に家業に入って以来、「芙蓉酒造にしかできないものづくりとは何か」を自問自答してきました。日本酒蔵としての在り方、伝統や歴史との向き合い方に悩み、うまくいかないことの連続で何度もくじけそうになりました。「自分にはこの仕事は向いていないのではないか」と葛藤した日々もあります。
しかしその度に、素晴らしい方々との出会いに助けられて歩みを進めてきました。そして今、私は「偶然の出会いから生まれる必然的なものづくり」を自身のテーマに掲げています。自分の考えだけに凝り固まらず、他者の想いをも乗せて生まれるものづくりにこそ、真実があると信じているからです。
だからこそ、次の百年を見据え、この歴史を共に背負ってくれる最高のパートナーを探していました。これまでの歩みはこの時のためにあったと思えるほど、「共同6代目」というこれ以上ない相棒との出会いを得て、本日、芙蓉酒造の第2章が始まります。
これから十年、二十年先を見据えて、私はものづくりにすべての時間を捧げます。そして、次の百年に残る一本を、この蔵からお届けします。

千葉 功太郎|代表取締役会長 6代目 蔵主
私の仕事は、十年後には残っていないと思っています。AIがこの速さで進むなかで、画面の中で完結する仕事の多くは形を変えるはずです。一方で、土から生まれるものと、人が集まる場所は、技術がどこまで進んでも残り続けます。酒は、その両方を持っています。 投資の世界では五年十年で次へ渡すことを求められますが、この蔵にExitはありません。五十年、百年の単位で考えています。だから、六代目を名乗りました。守るべきものは依田さんが守り、変えるべきものは私が変える。二人で、次の百年へ進みます。

新しい標語|WHERE SPIRITS UNITE

WHERE SPIRITS UNITE
― 魂の交わるところ ―

「SPIRITS」には二つの意味がある。蒸留酒と、魂。「UNITE」もまた、幾重にも重なる。造りと経営が組むこと。日本酒と蒸留酒が一つの蔵で交わること。三つの法人が一社になること。そして、この酒を通じて人と人が出会うこと。
これまでの理念|人と人、心と心を酒でつなぐ。
これは以前から、私たちが変わらず掲げてきた言葉です。新しい標語でありながら、実は蔵がもともと持っていた言葉なのです。

新体制記念|「芙蓉酒造SPIRITS UNITEセット」9/1より受注開始

新体制の始動を記念し、蔵を代表する四本を組んだセットを販売する。日本酒、焼酎、ジン、そしてノンアルコール。一つの蔵がこの四つを造っているという事実が、芙蓉酒造という蔵の成り立ちそのものである。
創業から一三九年。それにちなみ、一三九セット限定とした。

13,900円 (税込・送料込)
芙蓉酒造ECサイトにて9/1より受注開始(※9月中旬以降発送予定)


9/1より受注開始 139セット限定

麻布 鮨功にて「芙蓉酒造フェア」開催

6代目蔵主・千葉功太郎が営む鮨店「麻布 鮨功」(東京都港区麻布十番)にて、芙蓉酒造の主要な酒がすべて味わえるフェアを開催する。蔵の酒を、実際に人が集まる場所へ運ぶ。それが蔵主の役割だと考えている。
麻布 鮨功 050-5590-4749 東京都港区麻布十番2-5-3 3F

YOHAKHU ジン塩ソーダ

大将考案|YOHAKHU ジン塩ソーダ
YOHAKHUをソーダで割り、塩をひとつまみ。それだけで香りの輪郭が立ち上がり、味わいが締まります。澄んだ香りと、やさしい塩味が調和する、ここでしか味わえない一杯。
江戸前の鮨と、信州の蒸留酒。この組み合わせが成立することを、まずご自身の舌で確かめていただければと思います。一杯 2,200円(税込)

<フェア対象>

芙蓉酒造について



酒蔵の外観

酒蔵の内観

長野県佐久市にて1887年創業。浅間山をはじめ四方を山々に囲まれ、八ヶ岳水系の清冽な伏流水に恵まれた芙蓉酒造は、これまでの伝統を継承しつつ再定義していく酒蔵です。
地酒「金宝芙蓉」を醸す一方、四十種以上・二百カ所以上の農産物を焼酎に加工してきた受託製造の技術を持ち、近年はその蓄積を活かし、ベーススピリッツと地元産ボタニカルを追求して地域の風景を体現したクラフトジン「YOHAKHU」や、浅間山麓の天・地・人が織りなすプレミアムクラフトコーラ「浅間コーラ」など、既存の酒蔵の概念を覆す前衛的な挑戦を続けています。他業種との交流も積極的に行い、常に新しい可能性を探求しています。捨てられるはずだった作物が、その土地の名を冠した一本になる。この技術こそ、私たちが社会に対して持つ一番の力です。
もう一つ向き合うのは、酒を飲まない人です。十年後、売上の半分をノンアルコールに。大人も子どもも同じテーブルで乾杯できる社会への、私たちなりの答えです。
なお、「自分が造るものに、多くの人に関わってほしい」--芙蓉酒造が大切にしてきたこの考えのもと、蔵を共に育てる仲間「蔵衆(くらしゅう)」の募集を近日開始いたします。

会社概要


本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先

芙蓉酒造株式会社 広報担当 E-mail:info@fuyou.org
※取材、写真素材のご要望につきましてもご連絡ください。
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