このあと、バックバンドのメンバー紹介をはさんで「みんな、オレのことスキでしょ?」といって、自身が主演したドラマのなかでヨンファが歌っていた『オレのことスキでしょ。』へ。この曲も、サウンドはドラマVer.やCNVer.とはまったく違う新しいアレンジが施されていた。
ここのエンディングパートでは、曲が終わっても終わっても客席からの「もう1回」コールがわき起こり、それに応えるように再びサビをみんなで大合唱するというのをじつに3度も繰り返した。そして、盛り上がりに盛り上がったあと、ライブはとうとう最後の曲へ。「みなさん、夢で逢いましょう」といって『Goodnight Lover』を届け、本編は終了した。
アンコールは、ヨンファの幼少期からティーン時代、『美男<イケメン>ですね』でドラマデビューしたときの懐かしいシヌ役の写真などが映し出されるなか『27years』からスタート。ファンのことを思い描いて作った『Star, You(星、あなた)』では、曲のなかの“サランへ~”というフレーズをテンポを自由にアップダウンさせて焦らすよう歌い、続く『愛光』では客席からもらった赤いハートマークを両頬にはりつけ、愛嬌たっぷりな表情でファンを一撃。この曲もテンポチェンジを繰り返し、そのなかで曲を途中でとめてファンに歌わせたり、終わったと思ったらまたサビをリフレインするなど、ヨンファは自由気まま思いのままパフォーマンス。
メンバー紹介のとき、ヨンファが「韓国で一番忙しいギタリスト」と紹介した上手(かみて)ギタリストがバンマスをつとめるヨンファバンド。彼らの、ヨンファの歌を前面に立てた、抑制のきいた骨太サウンドのなかでヨンファはこんなにも自由に泳ぎまくっていたんだというのが思い切り浮き彫りになった場面だった。ライブにおいても、また今回アルバム制作においても、自分主体ではなく誰かとコラボして、自分を牽引してもらうことで型にはまったスタイルから脱却したい。そんな気持ちが、今回ヨンファをソロ活動へと駆り立てたんじゃないかと感じた。
そしてそれは、自分が想像する以上に刺激的で、何よりも楽しかった。だから、ライブのエンディング、ヨンファは「みんなにプレゼントがあります。見て下さい」というと、「アンコール公演決定! 一夜限りのスペシャルな夜 5月6日 日本武道館」と、スクリーンを通して特別公演を発表したのだ。「僕はこのツアーが大好きなんです。皆さんともう1回やりたいです。僕にとって初めてのツアーでしたけど、みんなでライブを作れて感無量です。また、武道館で会いましょう」というと、客席から大きな拍手がわき起こった。
「2009年からいろんな活動をしてきて、大変なこともあったけど、皆さんがずっといてくれたからいまのヨンファがいます。ライブが僕の居場所、大好きです。今日はすごく“One Fine Day”でした。みなさんにも“One Fine Day”だったら僕も嬉しいです」といって挨拶を終え、最後に今回のアルバムのハイライトでもある『ある素敵な日』をこの日最上級にドラマチックな歌と演奏で届けてフィナーレを飾り、この日のステージを終えた。