リハプライム×オーガイ、地域共生型のデジタル歯科モデルを大宮から始動

9月12日/13日のイベントチラシ
歯科技工士は10年で2,762人減り、85歳以上の96.0%が歯を失っています。この二つの現実に、リハプライム株式会社(本社:埼玉県さいたま市大宮区、代表取締役:半田和徳)とオーガイホールディングス株式会社(本社:大阪府堺市堺区、代表取締役社長 兼 CEO:野田真一)は、人が集まる場所に、歯科医療を届けます。
両社は、リハプライムが運営する地域交流拠点「茶の間」(埼玉県さいたま市北区奈良町48-2)の敷地内に、デジタル技術を活用した歯科技工所「コンパスデンタルラボ」を共同で整備し、3Dプリント義歯の製造拠点および歯科医療のショールームとして運用を開始します。さらに、施設駐車場にはオーガイが開発・運用する医療MaaS車両を配置。必要な開設手続きを行った上で、車両を診療所として活用し、歯科検診や義歯診療などを行う新たな地域歯科医療モデルの構築を目指します。
その第一歩として、2026年9月12日(土)・13日(日)の2日間、「O-Gai歯科医療MaaS見学会」を開催します。口腔内スキャナによるデジタル歯科健診をその場で体験でき、一般の方から歯科医師・歯科技工士まで、どなたでも参加費無料でご参加いただけます。
■ 見学会開催概要

3つの見どころ
1. 3Dプリント義歯専門のデジタル歯科技工所石膏模型を使わない、データで完結する義歯製作の現場を間近で見学できます。オーガイのデジタルデンチャー「Cloud Fitシリーズ」の製作環境を公開します。
2. 過疎地域・災害時に活躍する歯科医療MaaS
車内で口腔内スキャンと検査が完結する移動型歯科スキャン車両を内覧できます。離島・無歯科医地区や災害時に「歯科医院そのものが移動する」次世代モデルです。
3. 口腔内スキャナを活用したデジタル歯科健診の体験
来場者が実際に口腔内スキャナを体験できます。従来の「鏡と探針」ではなく、口の中を3Dデータとして即座に可視化する新しい歯科健診を、その場で体感していただけます。
■ 「歯医者に行く」のではなく、「いつもの場所で歯科医療を受ける」
これまでの歯科医療は、「歯科医院を予約して、そこへ患者が足を運ぶ」という形が基本でした。一方、高齢者や要介護者にとっては、外出や移動そのものが歯科受診の大きなハードルとなる場合があります。「茶の間」は、リハプライムが運営する地域交流拠点です。デイサービスに加え、美容室、地域イベントなどが同居し、日常的に地域の人が集まります。ここに歯科医療の機能を組み込むことで、次のような受診機会が生まれます。
「茶の間に来たついでに、歯の状態を見てもらう」
「美容室に来たついでに、入れ歯の相談をする」
「地域のイベントに参加したついでに、口腔機能をチェックする」
そんな、従来の歯科医療にはなかった自然な受診機会を生み出すことを目指します。
■ 背景:数字が示す、二つの限界
義歯をつくる人が、減り続けている厚生労働省「令和6年衛生行政報告例」によると、2024年末時点の就業歯科技工士数は31,733人。2022年の32,942人から1,209人(3.7%)減、2014年の34,495人からは2,762人(8.0%)減しています。
年齢構成はさらに深刻です。65歳以上が6,127人で全体の19.3%を占め、年齢階級別で最多。50歳以上を合計すると全体の55.0%に達します。歯科技工所も20,278か所と、2022年から563か所(2.7%)減少しました。
義歯を必要とする人は、増え続けている
2025年10月1日時点の65歳以上人口は3,622万人(総人口の29.4%)、75歳以上は2,127万人(17.3%)。2040年には65歳以上が34.8%に達すると推計されています(内閣府「令和8年版高齢社会白書」)。
厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査」によれば、永久歯を1本以上失っている方の割合は85歳以上で96.0%、平均喪失歯数は13.7本。85歳以上の30.7%が全部床義歯、51.1%が部分床義歯を使用しています。
そして、要支援・要介護認定者数は2023年度時点で695.2万人(2014年度比+103.4万人)。85歳以上では44.8%が要介護認定を受けており、歯科診療所への移動や継続的な通院に支援を要する方が増えています。
つくり手は減り、必要とする人は増え、その人たちは通院そのものが難しい。
この三重の課題に、「デジタル技工」と「移動」の掛け合わせで応えます。
■ 3Dプリント義歯の「工場」を地域の中へ
併設する歯科技工所では、口腔内スキャナーなどのデジタル技術を活用し、3Dプリンターによる義歯製作を行います。従来、歯科医院と歯科技工所の間では、印象材や石膏模型などの物理的な材料を介した製作工程が一般的でした。デジタル化によって、口腔内の情報をデータとして取得・共有し、設計から製造までの工程を効率化することが可能になります。オーガイの実例では、口腔内スキャン後に遠隔で設計を行い3Dプリントすることで、当日もしくは翌日に義歯装着まで完了した症例があります。また、2回目の訪問で装着まで完了した症例もあります。
※これは個別症例の実績であり、すべての症例で「翌日」「2回」で完了することを保証するものではありません。症例の状態や試適・調整の必要性によって回数は変わります。
参考として、海外研究では従来の総義歯製作が5~6回の通院を要するのに対し、CAD/CAMによるデジタル義歯は2回の通院で製作するプロトコルが比較され、診療時間について次の結果が報告されています。

※スイスの大学学生診療におけるCAD/CAMミリング義歯の研究結果であり、オーガイ独自の実測値ではありません。工程面では、従来法で必要となる予備印象、個人トレー製作、咬合床製作、複数回の試適などを、デジタル設計・データ送信によって集約できる可能性があります。なお、材料の削減率については現時点で定量的な計測を行っておりません。
通院回数が減ることは、要介護高齢者にとって単なる利便性ではありません。付き添う家族の休暇、介護タクシーの手配、本人の身体的負担──そのすべてが「回数」に比例します。
本拠点では、3Dプリント義歯の製造環境を実際に見学できるショールーム機能も整備し、歯科医療関係者や介護・福祉関係者、自治体、地域住民などに対して、これからの歯科医療を体験できる場として活用していきます。
■ 医療MaaS車両を「動く診療所」として活用
施設駐車場には、医療MaaS車両を配置します。必要な手続きを経て診療所として運用することで、車両内で歯科検診や義歯に関する診療などを行い、さらに必要に応じて訪問歯科診療へとつなげることができます。「固定された歯科医院」と「患者の自宅」をつなぐだけではなく、
地域の拠点 → MaaS車両 → 訪問診療 → デジタル技工所
という新しい地域歯科医療ネットワークを構築します。
■ オーガイホールディングスのこれまでの実績
- デジタル義歯製作:年間500症例- MaaS歯科検診:年間300人
- 大阪・関西万博に出展
- MaaS義歯診療:のべ30症例(離島、無歯科医地区)
- 歯科DX関連事業
- 研究開発事業
また、同社が沖縄で進める遠隔歯科検診モデルの実証では、MaaS車両を現地へ派遣し、歯科衛生士が検査・スキャンを実施、遠隔の歯科医師がリアルタイムで確認・指示を行い、必要に応じて治療・義歯提供へ接続する運用モデルを確認しています。関連する「旅する歯科衛生士プロジェクト」には100名以上が応募し、潜在有資格者の新たな活躍機会としても注目されています。
今回のさいたま市の取り組みは、この沖縄実証を都市部の介護現場へ展開する Co-Creation のモデルケースにあたります。デイサービスの駐車場を医療MaaSによって歯科医院化するという発想は、全国のデイサービスすべてに適用可能性を持ちます。
■ 「治療する場所」だけではなく、「歯科医療が見える場所」へ

「茶の間」コンパスデンタルラボ敷地内
本拠点が目指すのは、単なる歯科医院や歯科技工所ではありません。地域の人が集まり、医療・介護・美容・交流が交わる場所に、デジタル歯科医療を組み込むことで、歯科医療をより身近なものにしていきます。
特に、入れ歯を必要とする高齢者にとって、義歯の不具合は「食べる」「話す」「外出する」といった日常生活に直結する問題です。だからこそ、歯科医療を特別な場所に閉じ込めるのではなく、日常生活の中に自然に組み込むことが重要だと考えています。
■ リハプライム×オーガイが目指すもの
リハプライムは、「敬護」の理念のもと、高齢者を敬い、人生の先輩として大切にする地域づくりに取り組んできました。オーガイホールディングスは、デジタル技術や医療MaaSを活用し、歯科医療へのアクセスが困難な人にも歯科医療を届ける仕組みづくりに取り組んでいます。今回の連携では、それぞれが持つ地域拠点とデジタル歯科・医療MaaSの技術を組み合わせ、
「人が集まる場所に、歯科医療を。」
という新しい地域医療の形を実現します。大宮での取り組みをモデルケースとして、今後は全国の地域拠点や介護施設、自治体等への展開も視野に入れています。
■ 両社コメント
リハプライム株式会社 代表取締役 半田和徳このたび、オーガイホールディングス様とともに、歯科技工所を開設する運びとなりました。
シニアの約30%が入れ歯を使用されていますが、「合わない」「うまく噛めない」という声は少なくありません。修理には半年近くかかることもあり、その間、好きなものを食べられない日々が続きます。それは、その方の尊厳が少しずつ損なわれていく時間でもあります。
合う入れ歯があれば、また好きなものが食べられる。「食べたい」という意欲が湧き、それがやがて生きがいにつながっていく。そんな毎日をお届けするための一歩を、オーガイホールディングス様とご一緒できることを心より嬉しく思います。
オーガイホールディングス株式会社 野田真一
「今回の見学会では、リハプライム様とともに作り上げたラボを実際に見ていただき、これからの歯科医療・介護の可能性を感じていただければと思います。
ラボだけでなく、駐車場に停車している医療MaaS車両も実際に体験していただけます。『歯科医療をもっと身近に、もっと必要な場所へ』という私たちの取り組みを、ぜひ現地で、肌で感じていただけたら幸いです。」
■ 施設概要

■ 会社概要
リハプライム株式会社
「敬護(けいご)」の理念のもと、高齢者を人生の大先輩として敬い、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる社会の実現を目指す介護・福祉サービス企業。歩行訓練特化型リハビリデイサービス「コンパスウォーク」を中核に、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、福祉用具、地域交流拠点「茶の間」などを展開。2023年3月「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞受賞。
設立:2011年2月21日/代表取締役:半田和徳/本社:〒330-8669 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5 ソニックシティビル26F/資本金:4,000万円/従業員数:423名(2026年7月時点)/グループ施設数:255(2026年8月時点)/URL:https://keigo-group.co.jp/
オーガイホールディングス株式会社
「世界に先駆けた、オーラルヘルステック・インフラ企業へ」をビジョンに掲げ、どこにいても誰もが歯科医療にアクセスできる社会の実現を目指す。デジタルデンチャー「Cloud Fitシリーズ」の企画・製造・提供、歯科医療MaaS(移動型歯科スキャン車両)による地域支援モデルの展開、企業・自治体と連携した口腔健診プログラム、歯科業界向けDX支援などを手がける。
設立:2025年5月19日/代表取締役社長 兼 CEO:野田真一/資本金:8,000万円(2026年7月増資完了)/本社:〒590-0959 大阪府堺市堺区大町西3丁3-15/未来医療国際拠点:〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-3-51 Nakanoshima Qross 3F/URL:https://o-gai.co.jp/
リハプライム株式会社リハプライム株式会社は、高齢者を単にお世話して護る「介護」ではなく、日本の社会を築き上げてきた人生の大先輩として敬意を持って護る「敬護(けいご)」という独自の理念を掲げ、シニア向け事業を全国展開している企業です。「親孝行」を事業の原点とし、すべてのシニアが住み慣れた地域やご自宅で、誇りを持って自分らしく暮らし続けられる「ハッピーリタイアメント社会」の実現をミッションとしています。
主力事業であるリハビリ特化型デイサービス「コンパスウォーク」は、理学療法士をはじめとする国家資格を持った専門家が、歩行訓練を中心とした科学的な機能回復訓練を提供しており、現在全国に250拠点以上を展開しています。「施設に入る」のではなく、ご本人の「在宅で過ごしたい」という想いに徹底的に寄り添い、デイサービスのほかに24時間対応の訪問看護、定期巡回サービス、福祉用具のレンタルなどをワンストップで提供できる体制を整えています。
また、介護保険の枠組みだけでは解決できない日常の課題にも向き合っています。お忙しいご家族に代わって庭の手入れや電球交換、お墓参りなどを行う「娘息子代行サービス」のほか、シニアの方が気兼ねなく通える美容室、移動スーパー事業、タクシーを用いた外出支援事業なども展開しています。「コンパスヴィレッジ」と呼ばれる地域包括のネットワークを形成し、ご家族の負担を軽減することで社会問題となっている「介護離職」を防ぐ役割も担っています。
「お客様を幸せにするためには、まず社員が幸せでなければならない」という考えのもと、従業員の働く環境づくりにも注力しています。入社5年以上の社員が親と一緒に高級ホテルに宿泊する「恩返し父母研修制度」などユニークな福利厚生を設け、離職率が高いとされる業界において90%超という極めて高い社員定着率を達成しています。これらの取り組みは、第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(厚生労働大臣賞)や、「グッドカンパニー大賞 特別賞」の受賞、さらには「カンブリア宮殿」などのメディア露出を通じ、多方面から共感と高い評価を集めています。
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