「補聴器はまだ早い」という人に ユーキャンが耳をふさがない集音器「テルマホン」を発売

ユーキャンは9月3日、耳穴をふさがずに使用できるデジタル集音器「テルマホン」を発売した。価格は3万9800円で、ユーキャン公式サイトで販売する。テルマエンジニアリングが開発に協力し、ユーキャンが企画・販売する。なお、テルマホンは補聴器ではなく、医療機器に該当しないデジタル集音器だ。 ユーキャンは通信教育のイメージが強いが、シニア向けの通信販売事業では、テレビ用お手元スピーカーや集音器など、聞こえに関する商品を約15年にわたり販売している。聞こえ関連商品の累計販売件数は約40万件に上る。

カラーはブロンズゴールドとスマートグレーの2色。本体の質量は左右それぞれ約17gで、連続使用時間は音量4の場合で約10.5時間。充電にはUSB Type-Cを使用する。

耳穴をふさがず、スマホも不要

テルマホンは、耳の中に機器を入れないオープンイヤー構造を採用した。耳の入り口に軽く触れる形状にすることで、耳穴をふさぐことによる圧迫感や閉塞感を抑えている。

音響面では、人の耳が本来持つ働きを生かした「空気伝導」と、サウンドフィルターを通した「耳珠伝導」にデジタル技術を組み合わせた。特に、子音の聞き分けに関わる2~6kHz付近の周波数帯に着目し、言葉を聞き取りやすくするよう設計している。

操作にスマートフォンや専用アプリは必要ない。付属する「充電リモコン付ケース」で音量調節、充電、収納ができるほか、本体でも音量を調節できる。ケースのボタンも大きめにするなど、シンプルな操作性を意識した。

補聴器を使うまでの「間を埋める」

ユーキャン ライフ&カルチャー事業本部の初野正幸執行役員は、テルマホンについて、聞こえにくさを感じ始めているものの、「補聴器を使うにはまだ早い」と考えている人に向けた製品であると説明した。

補聴器は性能が進化している一方、決して安価ではない。そこで、聞こえに不安を感じ始めてから本格的に補聴器を使用するまでの「間を埋めるような製品」を目指したという。主なターゲットには70歳以上のシニア層を想定している。

開発では、大きすぎず、小さすぎず、紛失しにくいサイズを追求した。デザインにもこだわり、オーディオ機器として見てもスタイリッシュに感じられる外観を意識したとのこと。

耳をふさぐことによる負担を減らす

耳穴をふさがない構造には、装着時の負担を抑える狙いがある。開発に協力したテルマエンジニアリング代表の中島照正氏は、耳に入れるタイプの集音器では、耳をふさぐことによる圧迫感や装着時の疲れから、次第に使わなくなってしまうことがあると説明した。

そこでテルマホンでは、耳穴をふさがず、耳本来の働きをできるだけ活用する構造を採用した。空気伝導と耳珠伝導を組み合わせながら、聞こえにくくなった帯域を補うことで、聞こえに対する不安やストレスの軽減につなげることを目指したという。(BCN総研・大嶋敬太)