12のテーマを通じて、理系の学びと仕事の多様なつながりを紹介

 公益財団法人山田進太郎D&I財団(以下、当財団)は2026年8月26日、中高生女子が理系分野で働く社会人女性に出会うオンラインイベント「STEM Day」を開催しました。全国から約550名が参加しました。

 当日は、AI、宇宙研究、素材、自動車、エンターテインメント、金融など、幅広い分野で働く36名が登壇しました。オンライン上にA・Bの2会場を設け、計12のセッションを並行して実施しました。登壇者は、中高生時代の文理選択や大学での学び、現在の仕事、そのやりがいや難しさを紹介しました。仕事にまつわるクイズや質疑応答も行われました。参加者からはチャットやQ&A機能を通じて質問が寄せられ、登壇者が自身の進路選択や仕事での経験を交えて答えました。



 
■登壇者が中高生に伝えたこと
 12のセッションを通じて繰り返し語られたのは、現在の選択だけで将来が決まるわけではないということです。登壇者の中には、大学での専攻とは異なる分野で働く人や、研究職から企画、人事、広報、接客などへ活動の場を広げた人もいました。それぞれの経験をもとに、その時々の興味を大切にしながら進路を考えてよいと中高生を後押ししました。
 
 また、理系分野で学んだ経験は、専門知識をそのまま使う仕事だけにつながるものではありません。登壇者からは、論理的に考え、データから課題を見つけ、仮説を試す力が、幅広い仕事に役立っているという話もありました。

 質疑応答では、「物理が苦手でも理系を選んでよいか」「やりたい仕事が決まっていないとき、どのように進路を選べばよいか」などの質問がありました。登壇者は、今の時点で将来を決め切る必要はなく、まずは興味を持ったことに取り組むことで、次の選択肢が見えてくると話しました。


■参加者の声
 参加した中高生からは、仕事への理解が深まったことや、進路を急いで一つに決めなくてもよいと気づいたことなど、さまざまな感想が寄せられました。
- 「私たちが普段見ている製品の『当たり前』を実現する、すてきな仕事だと思いました。私もこんな仕事に巡り合えたらいいなと思えました」
- 「先輩方がかっこよく、私もこのような仕事をしてみたいと思いました」
- 「『今すぐ将来を一つに決めなくてもいい』『いろいろな好きを持っていていい』と思えるセッションでした」
- 「好きだと思うことをまずやってみることや、いろいろなことに挑戦してみることが大切だと感じました」

※参加者の感想は、読みやすさを考慮して一部表記を整えています。






■開催概要
名称:「STEM Day」
開催日時:2026年8月26日(水)13:00~20:00
開催形式:オンライン(Zoom)
内容:理系で働く社会人女性による仕事紹介、クイズ、質疑応答等
セッション数:12セッション
登壇者数:36名
参加実績:全国からのべ550名が参加
対象:中学1年生~高校3年生の女子(性自認が女性である方を含む)


■A会場:海外勤務・宇宙研究から金融まで、理系の学びが広がる7セッション
「理系の学びが活きる!海外勤務や宇宙研究、世界を変える仕事とは?」
登壇者
・Beyond Next Ventures株式会社 山本さん
・Japanese Women’s Initiative in the Bay Area 堀田さん
・理化学研究所 森脇さん

 研究成果を事業化へつなげる投資、特許や商標を通じて技術を守る仕事、コンピューターシミュレーションを用いた宇宙研究を取り上げ、理系の知見を生かせる仕事の幅広さを紹介しました。登壇者からは、自身の経験を交え、苦手科目だけで進路を狭めず、関心のあることに挑戦してほしいとのメッセージもありました。

「IT業界の先輩に聞いてみよう!データの力で良い未来を作るには」
登壇者
・GO株式会社 小南さん
・株式会社ブレインパッド 吉戸さん
・株式会社メルカリ 和久田さん

 交通事故の削減、企業のデータ活用支援、商品の検索体験の改善など、データを身近なサービスの向上や社会課題の解決に生かす仕事を紹介しました。登壇者からは、自身が専攻とは異なる仕事を選んだ経験をもとに、その時々の興味を大切に進路を考えてよいとの話がありました。

「スマホから空気まで!理系の先輩が作った「素材」のヒミツ」
 登壇者
・三井金属株式会社 佐藤さん
・三菱ケミカル株式会社 清水さん
・大日本印刷株式会社 佐竹さん

 自動車の排ガスを浄化する触媒や、航空機にも使われる炭素繊維、リチウムイオン電池で使用されている外装材を取り上げました。登壇者は、それぞれの素材の役割や、実験と分析を重ねながら開発を進める仕事のおもしろさについて話しました。

「安全・快適・つながる 進化する車を作る最前線のお話」
登壇者
・パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 川名さん
・ボッシュ株式会社 升野さん
・日産自動車株式会社 安田さん

 車載システムや安全技術、コックピットの設計などを取り上げ、自動車開発に関わる仕事の広がりを紹介しました。さらに、一台の車が、機械、電気、情報、人間工学、デザインなど、異なる分野の知見を持つ人たちの協力によってつくられていることにも触れました。

「理系なのに営業・接客・コンサル?意外な仕事を教えてもらおう!」
登壇者
・フューチャー株式会社 清水さん
・株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング 山口さん
・株式会社土屋鞄製造所 今枝さん

 AIを活用して企業の課題を解決するコンサルティング、再生医療製品に関する情報発信、店舗運営や接客の仕事を紹介しました。登壇者は、理系で培った論理的に考える力や専門知識が、現在の仕事でどのように役立っているかを、自身の経験を交えて話しました。

「運動生理学・薬学・理工学から、今の仕事を選んだ本音トーク」
 登壇者
・KDDI株式会社 本橋さん
・株式会社ロッテ 大久保さん
・京セラ株式会社 山本さん

 通信・宇宙サービスの企画、食品のおいしさや機能を探る研究、音声に関するAI技術の研究を紹介しました。登壇者からは、大学で得た専門知識だけでなく、仮説を立てて検証し、その結果を次の行動につなげる力が、現在の仕事にも生きているとの話がありました。

「理系=お金に関わる仕事って意外かも!仕事の選び方を聞いてみよう!」
登壇者
・みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社 安井さん
・モルガン・スタンレー 藤田さん
・第一生命保険株式会社 稲田さん

 金融商品の価格を計算するモデル開発、企業や経済を調べるリサーチ、生命保険に関わる数理計算などを紹介しました。登壇者は、数学を使う場面に加え、社会の動きを捉え、複雑な情報を整理して判断につなげる仕事の実際についても話しました。

(A会場の模様)










 

■B会場:AI・システム、エンタメ、Webサービス、生命科学など5セッション
「理系×AI―みんなが働きやすい仕組みを作る仕事を見てみよう!」
登壇者
・パーソルホールディングス株式会社 齊藤さん
・西日本旅客鉄道株式会社 平井さん
・日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社 岡本さん

 人事領域のAIツール、鉄道会社の業務システムと生成AI、安全にAIを使うための基盤づくりを紹介しました。AIを開発する仕事に加え、利用する人や現場の課題を理解し、実際の業務やサービスへの導入を支える仕事についても話がありました。

「AIやシステムを使って、どうやって「困りごと」を解決してる?」
登壇者
・アクセンチュア株式会社 小見山さん
・アマゾンウェブサービスジャパン 中嶋さん
・メディフォン株式会社 福田さん

 データを使った企業の課題解決、クラウドサービスの技術支援、医療データの活用など、ITを使って現場の課題に応える仕事を紹介しました。登壇者からは、技術の知識に加え、相手の話を聞いて課題を整理し、チームで解決策を考える力も、実際の仕事で大切になるとの話がありました。

「ゲームやラジオ!身近なエンタメの裏側をのぞいてみよう!」
登壇者
・株式会社 TBSラジオ 野口さん
・株式会社サイバーエージェント 和田さん
・株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント 岩城さん

 ニュース番組やポッドキャストの制作、ゲームの企画、PlayStation 5の画面や機能を支えるシステム開発を紹介しました。また、データをもとに改善を重ね、企画や技術を担うメンバーが協力しながら仕事を進めていることにも触れました。

「アプリやWebサービスの裏側を大解剖!エンジニアのおしごと図鑑」
登壇者
・LINEヤフー株式会社 小須田さん
・株式会社LayerX 夛田さん
・株式会社SmartHR 生田さん

 検索機能の開発、企業向けSaaSのプロダクトマネジメント、人事労務サービスのデザインを紹介しました。ユーザーの行動や声を手がかりに、エンジニア、デザイナー、企画担当者が対話を重ねながら、サービスを改善しているという話もありました。

「【生命科学・農学・生活科学】生き物の研究をした先輩たちの今とは?」
登壇者
・Schneider Electric Japan Holdings Ltd. 横山さん
・オイシックス株式会社 倉田さん
・株式会社ニデック 新田さん

 タッチパネルなどの製品開発、食に関わる商品やサービスづくり、生物由来の技術を使った新規事業の研究開発を紹介しました。登壇者からは、大学で培った観察力や検証する力を、専攻とは異なる現在の仕事でどのように生かしているかについても話がありました。

(B会場の模様)










 当財団は今後も、中高生がSTEM分野の多様な仕事とロールモデルに出会い、自分の興味や得意なことを起点に進路を考えられる機会を届けてまいります。


■「Girls Meet STEM」への参画について
 「Girls Meet STEM」では、新たにご参画いただける企業・大学・高専を募集しています。
ご関心をお持ちの方は、以下までお問い合わせください。

参画に関するお問い合わせ(企業・大学・高専共通):
https://share.hsforms.com/2mZnzIiyZQZWKpO8pp5Txlwr8gla


■「Girls Meet STEM」について
 「Girls Meet STEM」は、当財団が高専や大学、企業・研究機関と協力して実施する、中高生女子向けのSTEM(理系)領域のツアー型体験プログラムです。高専や大学のキャンパス・研究室や企業のオフィスを訪問し、実際のSTEM(理系)の現場を体験するとともに、大学生や大学院生、社会人女性との交流を通じて、進学やキャリアへの可能性を広げます。

「Girls Meet STEM」プログラム公式ウェブサイト:
https://gms.shinfdn.org/


■公益財団法人山田進太郎D&I財団について
 D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を通じて、誰もが能力を発揮できる社会を目指し、2021年7月にメルカリCEO山田進太郎によって設立された公益財団法人です。特にSTEM(理系)のジェンダーギャップに注目し、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する事業を展開しています。

代表理事:山田 進太郎(株式会社メルカリ 代表執行役 CEO)
設立年月日:2021年7月1日(木)

公益財団法人山田進太郎D&I財団公式ウェブサイト:
https://shinfdn.org/


【一般のお問い合わせ先】
公益財団法人山田進太郎D&I財団事務局
Eメール:info@shinfdn.org
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