日本の伝統素材「柿渋」の知見を世界へ発信、産学連携によるサステナブル材料研究が高く評価


Traditional Knowledge for Green Innovation with Japanese Persimmon Tannin, Kakishibu

 マクセル株式会社(以下、マクセル)の社員が、滋賀大学教育学部の加納圭教授らとともに執筆に参画した国際学術書「Traditional Knowledge for Green Innovation with Japanese Persimmon Tannin, Kakishibu」(Springer Nature刊)(以下、本書)が、一般社団法人日本科学教育学会の創立50周年を記念して創設された「日本科学教育学会50周年記念科学教育出版賞」を受賞しました。  
 本書は、日本で古くから防腐・防水用途などに利用されてきた天然素材「柿渋」の科学的知見や産業活用の可能性をまとめた国際学術書です。世界的な出版社であるSpringer Natureから2026年3月に出版され、このたび日本の伝統知識とグリーンイノベーションを結び付ける先進的な研究成果として評価されました。

 「柿渋」は、渋柿の果汁を発酵・熟成させて作られる天然素材で、日本では古くから和傘や紙製品、漁網、建築用途などに利用されてきました。近年は石油由来材料の代替や環境負荷低減への期待から、再び注目が集まっています。
 マクセルでは、長年培ってきた独自の「アナログコア技術」を基盤として、「柿渋」を活用した耐水コーティング材料の研究を進めています。本研究において水系の「柿渋」と油を均一化するために、マクセルで培ってきた「混合分散」技術を適用することで、コーティング材料の高度な均質化と安定化を実現しました。さらに、その特性を最大限に引き出す「塗布」技術を組み合わせることで、紙などの基材に対して均一な耐水膜を形成するコーティング技術へと昇華させました。これは、植物表面の構造や伝統的な和傘の知恵を現代の技術によって再解釈して工業化を実現するマクセルならではの成果です。

 本研究は、大学研究者、高校教育関係者、学生、企業研究者など多様な人材が参画するオープンイノベーションによって発展してきました。マクセルの研究者は、本書の第7章「Industrial Challenge」を執筆し、企業における「柿渋」活用の取り組みや社会実装に向けた課題と展望を紹介しています。
 また、本研究には、マクセルへのインターンシップを通じて参画した大学院生も共同研究者として関わり、その後マクセルへ入社するなど、人財育成と技術開発の双方につながる産学連携の成果となりました。

 マクセルは、「柿渋」の活用拡大が単なる材料開発にとどまらず、石油由来材料の使用削減およびプラスチックごみの削減、ひいては地域産業の活性化や柿農家の支援、放置柿の有効活用、伝統技術の継承などの社会的価値創出につながると考えています。

 今回の受賞は、日本に受け継がれてきた伝統的な知恵を、マクセルの強みである「アナログコア技術」によって再解釈し、持続可能な社会の実現に活かそうとする取り組みが評価されたものと考えています。今後もマクセルは、革新的な技術開発を通じて社会課題の解決に貢献していきます。

■マクセル株式会社 新事業統括本部 副技師長 後藤敏晴 受賞コメント
 「柿渋」は日本人が長年培ってきた知恵の結晶です。この伝統素材が、環境課題や資源循環といった現代社会の課題解決につながる可能性を秘めており、さらには教育にも貢献できていることを認めていただき大変うれしく思います。今後も大学や研究機関との連携を深化させながら、マクセルとして、持続可能な社会に貢献する材料技術の開発を進めていきます。

■商標
 記載されている名称、ロゴ、サービスマークは、マクセルまたは他社の登録商標もしくは商標です。

■お問い合わせ先
 マクセル株式会社 コーポレート・コミュニケーション本部
 https://maxell.tayori.com/f/tayori-01/

以上
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