修学旅行、体育祭、部活動――。2020年、すべてを諦めることが「正義」だったあの頃。確かに存在していた学生の感情が、今、言葉となって溢れ出す。
株式会社教育評論社(東京都中央区、代表取締役:秋田雅之)は、2026年9月28日、『コロナ時代を生きた僕たちへ』(著者:木村恭一郎)の発売を開始いたしました。

■すべてを諦めることが正義だったあの頃…
あの日、世界が止まり、大人たちだけでなく子どもたちの生活も閉ざされました。本書は、コロナ禍という未曾有の事態に翻弄された一人の学生が、その瞬間の葛藤と痛みをリアルタイムで綴った等身大の記録です。戸惑い、もがき、挫折しながらも、奪われた日常の中で光を探し続けた青年の言葉は、同じ時代を生き抜いた私たちの心に深く突き刺さります。
■書籍紹介
青春と呼ぶにはあまりにも孤独な春だったーー修学旅行、体育祭、部活動――。2020年、すべてを諦めることが「正義」だったあの頃。確かに存在していた学生の感情が、今、言葉となって溢れ出す。
学生の視点からあの頃の激動を活写した、鮮烈なデビューエッセイ
▼本文紹介
青春と呼ぶにはあまりにも孤独な春だった。
時間は巡る。不遇を嘆いて怒りに任せた瞬間も、無力な自分のやるせなさに涙を涸らした瞬間も、やがて過去の記憶へと移り変わっていく。そのようにして乗り越えてきた経験がこれまでの人生にもいくつかあって、今の私を形作っている。
それでも、あの頃の出来事を過去として整理するには、まだもう少しだけ時間がかかりそうな気がする――。
二〇二〇年三月初旬、私は岡山に住む高校三年生であり、数日後に卒業式を控えていた。翌月には十八年間過ごした地元を離れ、新天地で一人暮らしを始めることになっていた。 長年同じ時間を過ごした家族との別れ、同じ志を抱いた新たな友人との出会い、いくつもの感情が交錯しながら忙しなく過ぎ去っていく日々の中にいた。
自分がどのような大人になるのか、頭の中であらゆる理想像を思い描いた。これまでの十八歳が経験してきたように、思春期とは一線を画した時代を経て、次第に大人への階段を登っていく未来を信じて疑わなかった。
しかし、現実は思い通りにはならなかった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の始まりは、二〇一九年十二月、中国内陸部湖北省武漢で発生した原因不明のウイルス性肺炎が、翌年一月にWHOに新型コロナウイルスとして認定されたことに遡る。同月中旬には日本国内で初めての感染者が確認され、二月初旬にはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」内で十人の感染者が確認されたことも記憶に新しい。
WHOは「国際的な緊急事態にはあたらない﹂という判断を下したが、感染の勢いは驚異的であり、同月下旬には世界全体での感染者が二千人に上った。
混乱状態に陥った国内では、マスクや消毒液の品薄状態が続き、やがて医療機関でも物資不足が相次いだ。翌月には国内初の死者が確認されるなど、新型コロナウイルス感染症の勢いはとどまるところを知らなかった。(略)
そしてその魔の手は、当時高校三年生だった私を含めた全国の同世代の若者にも着実に忍び寄っていた。
二〇二〇年二月二十七日、当時の首相は全国すべての小中高に臨時休校の要請を出した。以降、入学式や卒業式、体育祭や文化祭、修学旅行といった学生生活を彩る催事は、必然的に延期や中止を強いられた。それは小学校でも、中学校でも、高校でも、大学でも、あるいは北海道でも、沖縄でも、首都圏でも、私の生まれ育った岡山の地でも同じことだった。
学生は若くて強く、明日を生きる活力に満ち溢れていた。だからこそ私たちは、あの暗闇の時代に互いに手を取り合いながら乗り越えることができた。
一方で、学生は若くて弱く、自分が自分であるために抵抗する術を持たなかった。 だからこそ私たちは、一方的に制限されていく目の前の光景をただ黙って眺めていることしかできなかった。……(「はじめに」より)
■著者より
あの頃にどちらがより不幸だったのかを競う、不毛な争いがしたいわけではない。私は当時を過ごした一人の大学生として、声にならなかった思いを届けたい。そして、きっと私たちにはもっとすべきことがある。それは当時の互いの状況に少しでも思いを馳せることであり、世代を超えて同じ時代を生きた仲間として今この瞬間を生きることだと思う。今私がこうして綴っている言葉が、少しでもその役割を果たすことができたなら、それ以上の幸せはない。(「はじめに」より抜粋)
■本書の構成
I 2020G線上のアリアは流れない
最も相応しい季節
京都行きの片道切符
灰色の日々を踠(もが)く
好きなことを好きなままでいるために
それぞれの正義
あの夏の日のバス停
選ばなかったことの蓄積
生と死の境界線
大人は判ってくれない
他者の中で生きる
暗闇で重なる背中
帰るべき場所
II 2021-2025
初めての春
友人からの誘い
時代に取り残された者
誇りと責任の中で
焦燥に駆られる冬
歴史は繰り返さない
忘れられない言葉
二度と訪れない時間
さようなら、京都
コロナ時代を生きた僕たちへ
■著者プロフィール
2001年岡山県生まれ。京都大学経済学部卒業。
2020年に大学に入学し、新型コロナウイルス感染症に直面した大学生活を過ごす。
本作がデビュー作。
■本書にぴったりの方
・日々、言葉を大切にしている人
・当時、同じような思いをした人
・学校関係者、同世代の子を持つ親
・つらい日々を過ごしている人
■『コロナ時代を生きた僕たちへ』書誌情報

書名:コロナ時代を生きた僕たちへ
著者:木村恭一郎
発売日:2026年9月28日
定価:1,980円(本体1,800円+税)
体裁:四六判/176ページ
ISBN:978-4-86624-138-8
発行:株式会社 教育評論社
教育評論社公式 書誌詳細ページ >>
■関連リンク
版元ドットコム https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784866241388
楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/18726743/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_104_0_10003068
Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4866241381
【会社概要】
社名:株式会社教育評論社
本社所在地:東京都中央区日本橋三丁目9番1号 日本橋三丁目スクエア
代表取締役:秋田 雅之
事業内容:人文書を中心に幅広い分野の書籍の出版
設立:1973年5月
HP:https://www.kyohyo.co.jp
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