慶洋エンジニアリングの「WiFiデジカメ」をレビュー
スマートフォン(スマホ)で写真を撮るとき、画質や機能だけでなく、カメラの構えやすさ、シャッターを切るまでの手軽さを意識することはあるだろうか。スマホは撮影以外にも、地図の確認や検索、連絡、SNSなど幅広い用途に使うデバイスだ。だからこそ、写真を撮るためだけに持ち替えたり、アプリを切り替えたりする動作が煩わしい場面もある。慶洋エンジニアリングが展開するKEIYOブランドの「チルト式WiFiデジタルカメラ AN-DC006(WiFiデジカメ)」は、そんな煩わしさを解消し、純粋に撮影を楽しむことができるガジェットだ。スマホがあれば写真を撮れる時代に、撮影専用のカメラをもう1台持つ意味はどこにあるのか。実際に街歩きでレビューしながら、考えてみた。(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
片手で構えやすく、撮りたい瞬間を逃しにくい
WiFiデジカメは単独でも使えるが、スマホと連携することで真価を発揮するカメラだ。重さは約108gと軽量で、スマホとは別に持ち歩く必要があるものの、日常の外出にも携帯しやすいサイズに収まっている。
実際に持ってみると、片手で構えたままシャッターを切りやすい。筆者は手が小さいため、スマホで撮影するときに両手で持たないと不安定に感じることがあるが、WiFiデジカメは手の中に収まりやすく、撮影時の負担が小さい。
街を歩いていると、建物や看板、道端の風景など、ふと撮影したくなる対象に出会う。そうした場面で、スマホを取り出してカメラアプリを起動するのではなく、手元のWiFiデジカメを構えて撮影できる。
撮影までの操作が大幅に減るというわけではないが、撮影専用の機器を持つことで、写真を撮るための動作が明確になる。スマホを別の用途で使っているときにも、撮影を中断せずに済むのも利点だ。
スマホで地図を見ながら、撮影はカメラに任せる
街歩きでは、写真撮影以外にもスマホを使う場面が多い。目的地までの経路を確認したり、訪れたい店を検索したり、連絡を取ったりするためだ。
スマホで地図を表示している途中に写真を撮ろうとすれば、カメラアプリへ切り替え、撮影後に再び地図へ戻る必要がある。撮影する回数が増えるほど、この切り替えが煩わしく感じられることもある。
WiFiデジカメを撮影用として持ち歩けば、スマホで地図や検索を使いながら、気になった風景を別の機器で撮影できる。写真を撮るたびに、スマホの用途を切り替える必要がない。
この使い方では、WiFiデジカメがスマホの機能を置き換えるわけではない。むしろ、スマホを撮影以外の作業に使い続けられることに意味がある。
長時間の外出であればスマホのバッテリー消費を抑えられることもメリットになる。持ち歩く機材が1台増えるため管理の手間はかかるものの、撮影に集中したい人にとってはメリットの方が大きいだろう。
180°チルト式モニターが、カメラの構え方を変える
WiFiデジカメには、180°チルト式モニターが搭載されている。モニターの角度を変えられるため、撮影する対象やカメラの位置に合わせて画面を確認しやすい。
自撮りでは、カメラを自分に向けた状態で画面を確認できる。顔の位置や背景とのバランスを見ながら撮影できるため、構図を調整しやすい。
また、モニターを動かせることは、カメラを低い位置に構える場面でも役立つ。子どもやペットを低い目線から撮影するときや、テーブル上の料理・小物を撮影するときなど、撮影者の目線とカメラの位置が離れる場面で活用できる。
スマホでもローアングル撮影は可能だが、画面の向きによっては確認しにくいことがある。チルト式モニターを備えたWiFiデジカメなら、カメラの位置を変えながら画面の見やすさも調整できる。
撮影対象に合わせてカメラを動かすだけでなく、画面を見る姿勢も変えられる。こうした構造が、撮影方法の幅につながっている。
約2000万画素を搭載。画質競争ではスマホの方が優秀
WiFiデジカメは、1/2.8型CMOSセンサーと約2000万画素の撮像素子を搭載し、オートフォーカスやデジタル4倍ズームにも対応している。
日常のスナップ撮影に必要な機能を備えている一方、画質だけを比較すれば、大抵の場合はスマホの方が優秀だろう。近年のスマホは、複数のカメラや画像処理技術によって、暗い場所やズーム撮影でも見栄えの良い写真を撮れるようになっているためだ。
WiFiデジカメを使う際は、スマホよりも常にきれいな写真が撮れることを期待するより、撮影時の扱いやすさや、専用カメラを持って撮影する体験に目を向けたい。
WiFiデジカメは、片手で構えやすいボディやチルト式モニターによって、撮影時の自由度を広げる方向に特徴がある。画質よりも撮影する楽しさや自由度を重視したカメラといえる。
撮影モードを切り替え、写真の表現を楽しむ
そんな体験を高めてくれるのが、WiFiデジカメが搭載している多彩な機能だ。例えば、撮影時に設定できるカラーエフェクトを使えば、同じ写真でも色合いや雰囲気を変えて記録できる。
スマホでも撮影後の編集やフィルター加工は可能だが、カメラ側で撮影モードを選びながら構図を決めると、撮影する段階から写真の仕上がりを意識しやすいのがポイントだ。
普段見慣れた風景をそのまま記録するだけでなく、色味や雰囲気を変えて残してみる。そうした試行錯誤を手軽に楽しめるのが、カラーエフェクトの役割だ。
スマホと接続して遠隔撮影を行えるのも便利だ。カメラを台や三脚などに設置し、離れた場所からスマホで操作すれば、撮影者自身も写真に入る記念撮影などに活用できる。
手持ち撮影では撮影者が写りにくい場面でも、カメラを固定して構図を決められるため、撮影方法の選択肢が増える。
専用アプリを使って撮影した写真をスマホへ転送できる機能も見逃せない。カメラで撮影した写真をスマホに取り込めば、SNSへの投稿や家族・友人との共有も行いやすい。
撮影はWiFiデジカメで行い、写真の確認や共有はスマホで行う。こうした連携に対応していることで、撮影専用カメラを持ち歩く際に気になる「撮った写真をどう使うか」という問題にも対応できる。
「写真を撮るためのカメラ」を持つことで、撮影への向き合い方が変わる
WiFiデジカメを街歩きで使って感じたのは、スマホとは異なる撮影時の気軽さだった。
スマホは、撮影以外にも多くの役割を担う。地図や検索、連絡などに使いながら写真も撮れることは大きな利点だが、その分、撮影とほかの作業を切り替える場面も生まれる。
WiFiデジカメを別に持っていれば、スマホを別の用途で使いながら、写真は専用の機器で撮影できる。片手で構えやすいボディや、角度を調整できるモニターによって、撮影時の姿勢にも選択肢が増える。
一方で、スマホだけで撮影から共有まで完結する方法と比べると、持ち歩く機器や充電の管理は増える。写真を撮る頻度が少ない人や、荷物を増やしたくない人には、スマホ1台のほうが扱いやすい場面もあるだろう。
それでも、写真を撮る行為そのものを楽しみたい人にとって、撮影専用のカメラを持つことには意味がある。画質の優位性だけではなく、カメラを構え、被写体を選び、撮影方法を試す時間をつくれるからだ。
スマホのカメラ性能が進化した今、コンデジに求められる役割は、必ずしもスマホを上回ることではない。撮影する場面や使い方に応じて機器を選び、写真を撮る時間をどう楽しむか。WiFiデジカメは、そんな視点からコンデジの使い道を考えるきっかけになる1台だ。







