門岡 明弥
神奈川の演奏可能な2LDKで、ヴァイオリニストの妻とふたり暮らし。
ピアニスト兼編集者・ライターとして、グランドピアノのある仕事部屋を拠点に活動しています。モノ選びの基準は、暮らしに取り入れたときにワクワクすること。音楽機材や車、お酒、ぬいぐるみなど、一目惚れしたものを長く、とことん愛でるタイプです。
仕事柄、さまざまなイヤホンやヘッドホンを使ってきましたが、移動中に持ち歩くのはイヤホン一択な筆者。
しかし先日、Nothingの新作ヘッドホン「Headphone (1) Pro」を使わせていただく機会があり、約2週間ほど使ってみることに。
正直、最初は見た目のかわいさに惹かれたのですが、実際に使ってみると音質にも大満足!
聴き慣れた音楽にも、新しい発見がありました。
首に掛けるだけでも気分が上がる

Nothing 「Headphone (1) Pro」 64,800円(税込)
まず、このデザインがかわいすぎる……。首に掛けているだけでも、思わずテンションが上がるこの見た目!
Nothing製品を使うのは今回が初めてなのですが、以前から「めっちゃ素敵なデザインのガジェットが多いな〜」と思っていました。

「Headphone (1) Pro」も例に漏れず、妙にアナログ感のある見た目がかわいい。カセットテープレコーダーっぽいですよね。

本体は327g。
付属のハードケースに入れて持ち運べますが、バッグに入れるとかなりかさばるので、移動中は首に掛けておくのが自分にはちょうどよかったです。
音楽に合わせて、音場を選べる

音を鳴らすのは、3基のドライバー。それぞれが異なる周波数帯域を担い、低音から高音まで豊かに再現してくれるとのこと。
個人的に、音質はめちゃくちゃいい!と感じました。
よく聴くのはポップス・ジャズ・クラシック・ファンク・R&Bあたりの曲が多いのですが、どのジャンルを聴いても曲のディテールが細部までよくわかる。
楽曲そのものが持つ仕上がりや作り手の意図を、余計な味付けなくストレートに伝えてくれる印象です。

空間オーディオ機能も搭載していて、5つの音場から選べます。
ポップスは「ライブハウス」、クラシックは「コンサートホール」にすると、まるでその会場にワープしたような気分に。
また、音量調整の「ローラー」と曲送りの「パドル」は形が違うので、指先で見分けやすいところも便利です。
物理ボタンの操作しやすさって結構大事。これのおかげで、ちょっとした操作でスマホを触る手間がなくなりました。
移動中でも「静かな音」まで聴き取りやすい

ノイズキャンセリングは最大46dB。
計10基のマイクを使い、周囲の音や装着状態に合わせて調整する「アダプティブANC」を搭載しています。
「高」に設定すると、電車では車内の騒音がかなり遠く感じるほど。
特にクラシックは音量の変化が大きいのですが、ノイズキャンセリングのおかげで、移動中でもオーケストラの弱音まで聴き取りやすくなりました。
一方、街を歩いているときは周囲の音が遠くなるのが少し不安に感じることも。そんなときはANCを弱めたり、「外音取り込み」モードに切り替えたりしています。
ちなみに連続再生時間は、ANCオンで最大30時間、オフで最大68時間(AAC・音量50%・その他初期設定でのメーカー試験値)。
帰宅したら充電するようにしていれば、バッテリーについて不便を感じることはほとんどありませんでした。
聴き慣れた曲にも、新しい発見がある

「Headphone (1) Pro」を使っていて特に感動したのが、「Flat EQ」。
ロンドンにある世界的なレコーディング/マスタリングスタジオ「メトロポリス・スタジオ」がチューニングを手がけた、人工的なオーディオ補正や色付けを可能な限り排除し、ニュートラルな音で聴けるモードです。
Flat EQをONにすると、トランスペアレンシーモード、空間オーディオ、すべてのEQ設定が無効になります。
たとえばカーク・フランクリンの『Love Theory』では、Flat EQをONにすると低音がかなり控えめに。
バスドラムやベースの聴こえ方が変わることで、グルーヴの感じ方も大きく変わりました。
Official髭男dismの『コーヒーとシロップ』では、ボーカルやストリングスの立ち上がりが少し柔らかく、まろやかな印象に。
同じ曲でも、スイッチひとつで違う表情を楽しめるのが面白いところです。

なかでも、ピアノがメインの曲は、Flat EQをONにした音が個人的には好みでした。
特にわかりやすかったのが、藤井風バージョンの『Just the Two of Us』。
ONにすると、生でピアノを聴く感覚にかなり近く感じられたんです。普段からピアノを弾いている私にとって、この違いは印象的でした。
ある意味「Flat EQ」は専門的な機能なので、音楽に携わっていない方にとっては使う機会少ないかも?と思っていました。
ですが、実際に使ってみた今では、どんな方が使っても楽しい機能だと感じています。

また、Flat EQを活用することで、音楽制作・動画編集時のモニターヘッドホンとして使えるところもいいなと感じました。
音楽や動画を誰もが作って発信できる今。Nothingがこの機能を盛り込んだのも「誰もがクリエイターになれる」というメッセージなのかもしれません。
自分の耳に合わせるとこんなに違う

もうひとつ驚いたのが、「パーソナルサウンド」。
「Nothing X」アプリで聴力テストを行い、その結果をもとに自分の聞こえ方に合わせてサウンドを調整してくれる機能です。
実際にやってみると、「ザ・聴力テスト」といった感じ。今回のテストでは、右耳に比べて左耳で高音を聞き取りづらい傾向があるようでした。
この結果をもとに「パーソナライズされたサウンド」をONにすると、これまたすごい。
明らかに聴きやすい!
ハイハットやピアノ、管楽器の高音がより鮮明に感じられて、聴こえ方がずいぶん変わりました。
簡単なテストをするだけで、自分の聞こえ方に合わせて音を調整してくれるのはうれしいです。

Nothingの新作ヘッドホン「Headphone (1) Pro」。
正直最初は「デザインはいいけど、音質はそうでもないのかな?」と思っていましたが、全くそんなことありませんでした。本当にすみません。
もちろん音質そのものにも満足していますが、特によかったのは「Flat EQ」や「パーソナルサウンド」、5種類の空間オーディオなどを使いながら、同じ楽曲をさまざまな角度から聴き比べられること。
何百回、何千回と聴いてきた曲でも、「Headphone (1) Pro」で聴くと「こんな音が入っていたんだ」「こっちの聴こえ方もいいな」と新しい発見があります。
聴き慣れた好きな曲を、また最初から聴き直したくなるヘッドホンでした。
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