受賞:8 作品・入選:46 作品、計 54 作品を決定
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明、以下「当社」)は、美術賞「Idemitsu Art Award 2026」のグランプリに、小舟氏の『春の祭典』を選出するとともに、グランプリを含む 8 点の受賞作品と 46 点の入選作品を決定しました。受賞・入選作品は、12 月 9 日(水)から国立新美術館で開催する「Idemitsu Art Award 展 2026」で 展示します。

グランプリ受賞作品 小舟氏『春の祭典』
「Idemitsu Art Award」は、40歳までの若手作家を対象とする公募制の美術賞です。1956 年に「シェル美術賞」として創設され、2026年で55回目の開催となります。本年は、911名の作家から1,174 作品の応募があり、応募者数・応募作品数ともに前年比約25%増となりました。
審査会では、大浦周氏(埼玉県立近代美術館主任学芸員)、鈴木俊晴氏(豊田市美術館学 芸員)、徳山拓一氏(森美術館シニア・キュレーター)、中村史子氏(大阪中之島美術館主任学芸員)、松川朋奈氏(アーティスト、シェル美術賞 2011 入選)の5名が、多角的な視点から厳正な審査を行いました。グランプリ受賞者の小舟氏には、賞金300 万円が贈られます。
当社は、心の豊かさを育む「文化」を、企業市民活動の軸の一つに定めています。これからも「Idemitsu Art Award」を通じて、次代を担う人たちの創造と挑戦、そして成長のエネルギーを支えていきます。

※各受賞作品の詳細や受賞者のコメントは、別添の参考資料を参照ください。
■「Idemitsu Art Award 展 2026」概要 本年の受賞・入選作品を展示する「Idemitsu Art Award 展 2026」を、12 月 9 日(水)から国立新美術館で開催します。 また、同会場において、過去の受賞・入選作家の中から今後より一層の活躍が期待される作家を応援する企画「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション 2026」を開催し、「Idemitsu Art Award 2025」の審査員により選出された作家 2 名の新作・近作を展示します。

※右の二次元コードより公式ウェブページへアクセスいただけます。

展示内容: 「Idemitsu Art Award 2026」受賞・入選作品 計 54 作品
(グランプリ、審査員賞、学生特別賞は参考資料の通り)
https://www.idemitsu.com/jp/fun/art/2026/winners.html
「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション 2026」
https://www.idemitsu.com/jp/fun/art/2026/ias.html
参考資料
「Idemitsu Art Award 2026」受賞作家 8 名の作品情報・コメントを紹介します。
※画像データの提供、作家への取材依頼は、「お問い合わせ先」までお願いします。
■グランプリ 小舟

【作 家 名】小舟(KOFUNE)
【作 品 名】春の祭典
【製 作 年】2025
【サ イ ズ】162.0 × 104.0 cm
【技 法】キャンバス・油彩
<プロフィール>
1994 年 2 月 中国生まれ、東京都在住
2022年3月 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 修士課程美術専攻 日本画コース修了
2025年4 月 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 修士課程美術専攻 油絵コース在学中
<受賞の言葉>
制作することは、私にとって大きな喜びであり、心から夢中になれる時間です。一方で、自分の作品を アトリエの外へ出し、多くの方に見ていただくことには、これまで難しさを感じてきました。今回の受賞によって、作品を見ていただける貴重な機会と、今後の制作への大きな励みをいただけたことを心から嬉しく思います。この経験を新たな出発点として、これからも自分の感覚に素直に、真摯に制作を続けていきたいです。
<受賞作品について>
《春の祭典》というタイトルは、同名のバレエ作品に由来しています。このバレエでは、春を迎えるため、一人の少女が犠牲として選ばれます。その残酷さや狂気のなかに、新たな始まりが同時に存在することに強く惹かれました。この作品を制作していた頃、私自身も将来に迷いを抱えながら、それでもまだ見えない未来に向かって進もうとしていました。 私の制作は、その時々の自分が置かれた状況や、そこから生まれる感情を出発点としています。簡単には解決できない問題や、うまく消化できない感覚、そして先へ進もうとする気持ちを作品に残しながら、自分と現実との関係を見つめ続けています。
<今後の目標>
現在は、絵画に映像やインスタレーションを組み合わせた制作にも取り組み始めています。これからも絵画を中心に制作を続けながら、実際に作品をつくる中で、それぞれの表現がどのようにつながっていくのかを探っていきたいです。そうした試みを重ねながら、自分が現実の中で感じたり考えたりしたことを、より深く作品に表せるようになりたいと思っています。今は、この方向を少しずつ深めていきたいです。
■大浦周審査員賞 高梨麻梨香

【作 家 名】高梨麻梨香(Takanashi Marika) 【作 品 名】Freeze-60Hz-
【製 作 年】2026
【サ イ ズ】91.0 × 91.0 cm
【技 法】音・蓄光顔料・エポキシ樹脂・アクリル/振動 スピーカーの音響振動で顔料の形態を生成し、樹脂で固定
<プロフィール>
1995 年6月 秋田県生まれ、大分県別府市在住
2020 年 3 月 秋田公立美術大学 美術学科 景観デザイン専攻 卒業
2023年3月 秋田公立美術大学大学院 複合芸術研究科 修了
<受賞の言葉>
この度は素晴らしい賞をいただき、心より光栄に思います。不可視な音や振動、環境の揺らぎといった捉えがたい現象をいかに捉え、空間や物質へと定着させるかを探求してまいりました。日頃より制作を支えてくださった方々や、作品と向き合ってくださった皆様に深く感謝申し上げます。今回の受賞を大きな糧とし、今後もサウンド・アートの領域を広げるような表現の可能性をより一層追究してまいります。
<受賞作品について>
私は音や振動、光などの「不可視の現象」を物質や空間体験へと変換・可視化する制作を行っています。 平面作品《freeze》は、クラドニパターンやサイマティクス(音波の可視化)を援用し、福島沿岸の海 鳴りの音(約 60Hz)の振動で共振する蓄光顔料の運動を樹脂で固定した、非物質な音響現象を痕跡化する試みです。暗所で淡い青光を放つ像は、遠藤周作『沈黙』が象徴する「沈黙する海」の応答なき静けさと深い青を背景に、地質学的時間や震災以降の不可視な揺らぎ、風景の記憶を保持する音風景として提示します。
<今後の目標>
今後は国内にとどまらず、リサーチや滞在制作を通じた国内外での展覧会発表を積極的に展開していきたいと考えています。特定の土地が持つ環境音や歴史的コンテクストと丁寧に向き合い、空間全体を拡張するようなサウンド・アートの深化を目指します。新たな表現領域の開拓に向け、より確固たる独自の芸術的アプローチを追求し続けます。
■鈴木俊晴審査員賞 王詩晨

【作 家 名】王詩晨(WANG SHICHEN)
【作 品 名】無目的
【製 作 年】2026
【サ イ ズ】130.0 × 162.0 cm
【技 法】キャンバスに油彩・木炭
<プロフィール>
1995 年 12 月 中国福建省生まれ、東京都在住
2022 年 3 月 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 美術専攻 油絵コース修了
2025 年 3 月 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 博士後期課程 作品制作研究領域修了、博士(造 形)取得
<受賞の言葉>
このたびは、賞をいただき誠にありがとうございます。 今回の受賞を、自分自身と作品が、社会とより広く接点を持つための契機として捉えています。この 契機を通して、これからの制作や、自分が進んでいく方向について、新たな気づきや手がかりを見つけていければと思います。
<受賞作品について>
2024 年頃から、目を向ける対象は、室内的なものから少しずつ外へと広がっていきました。日常の小さな物から、家、建物、さらにその周辺にある、より集合的な空間へと広がっています。 この作品は、私の制作がそうした方向へ変化していく中で生まれたものです。ここでは、建物全体をまるで一つの置物のように、一つの物として捉えています。そこを起点に、蔓や菌類が蔓延するように、さまざまな断片へと触れていきました。 それらのものは疾駆しながら結びつき、時に言葉や感情なども乱入したことで、無目的に遊走した痕跡 が制作の中に残されました。
<今後の目標>
今後は、制作プロセスにおける無数の「現在」を起点に、過去の断片をどのように現在へと引き寄せ、 そこからさらにどのような空間を構成できるのかを探っていきたいです。また、自分の中で常に感じている、過去と現実との間にある断絶感をどのように捉え、それを制作の中 でどのように取り上げていけるのか、まずは新しい制作を重ね、それらの制作を改めて振り返る中で見 つけていきたいです。
■徳山拓一審査員賞 伊藤美優

【作 家 名】伊藤美優(Ito Mew)
【作 品 名】沈黙会話
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】130.3 × 130.3 cm
【技 法】油彩・キャンバス
<プロフィール>
1997 年 5 月 愛知県生まれ、愛知県在住
2021 年 3 月 愛知県立芸術大学 美術学部 美術科 油画専攻 修了
2023 年 3 月 愛知県立芸術大学大学院 美術研究科 油画・版画領域 修了
<受賞の言葉>
家族や友人、いつも支えてくださっている方々に感謝の気持ちを伝えたいです。
<受賞作品について>
この作品は、家族を描くことを主題に制作しました。自身の制作として、暖かさ冷たさ、緊張弛緩など、 対立するものの両立や、中間状態が含まれることを目指しているので、主題の家族というものに対しても、客観的な目線で捉えています。
<今後の目標>
大きな作品や、新しい画材に挑戦し続けて、常に自分を更新しながら制作を続けて行きたいです。
■中村史子審査員賞 ヌマ

【作 家 名】ヌマ(Numa)
【作 品 名】何が書いてあるでしょうか?
【製 作 年】2026
【サ イ ズ】112.0 × 145.5 cm
【技 法】キャンバス・鉛筆・色鉛筆・ボールペン
<プロフィール>
2007 年 1 月 神奈川県生まれ、神奈川県在住
2026 年 9 月 東京造形大学 美術学科 絵画専攻領域 2 年次在学中
<受賞の言葉>
賞をいただいたと知った時、嬉しくて大学の授業中でしたがずっと心臓がドキドキしていました。 ありがとうございます。
<受賞作品について>
今回は私が「面白いけど恥ずかしかったりして言いづらいことの一つ」を回りくどく伝える作品を作ってみました。今回は官能小説から引用した文の一画ずつをランダムなマス目に配置して、読めなくしたものです。でも額縁の横に書いてある数字で、頑張れば読むことができます。「知って欲しいけど言えな いけど言いたい」という感情の作品です。
<今後の目標>
あと 2 年間は大学で制作を頑張りたいです。将来については未定ですが、これからもずっと続けていけ たらと思います。できれば展示もどこかで自分の好きなようにやってみたいと思っています。がんばります!
■松川朋奈審査員賞 大前光輝

【作 家 名】大前光輝(Omae Koki)
【作 品 名】砂上の花
【製 作 年】2026
【サ イ ズ】112.0 × 162.0 cm
【技 法】アクリル絵具・キャンバス・パネル
<プロフィール>
1990 年 9 月 大阪府生まれ、京都府在住
2014 年 3 月 京都嵯峨芸術大学 芸術学部 造形学科 油画分野 卒業
<受賞の言葉>
この度の受賞、大変うれしく思います。驚きと喜びで胸がいっぱいです。私の制作を応援し続けてくれ た家族や周りの人たちにも感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました。
<受賞作品について>
不自由さや不安定さの中にありながら、そこを離れられない健気で滑稽で哀れで愛おしく映るものや人々を描くことで、いま見えている社会や人々の関係性や性質などを捉えようとしています。 今回の出品作は、手探りで築かれたものの尊さや、近くにいても同じ感覚を共有することの難しさ、大人たちが担う責任の重さや課題の複雑さなどを、幼少期の遊びを模して表現しました。
<今後の目標>
一年以内の個展を目標に、作品の構成力や技術をもっと磨いて、ひとつひとつ丁寧に形にしていきたい です。
■学生特別賞 今谷菜々子

【作 家 名】今谷菜々子(imatani nanako) 【作 品 名】並行 【製 作 年】2026
【サ イ ズ】145.0 × 145.0 cm
【技 法】油彩・キャンバス・油性マーカー
<プロフィール>
2009 年 4 月 広島県生まれ、広島県在住
2025 年 3 月 広島市立大州中学校 卒業
2026 年 9 月 クラーク記念国際高等学校 在籍
<受賞の言葉>
受賞できたのでよかったです。
<受賞作品について>
今回の作品では、私が幼い頃から感じていた空虚を素直に形にすることができたと思います。私は普段から、日々の生活の中で感じたことを飾らないままに、絵や言葉、写真という形で手元に記録しています。その記録の中に徐々に感情が堆積し、時間をかけて何かが熟していくのです。それらは私の連続を 断片化させ、私をあるべき場所へ戻してくれます。 これまで iPhone の中で完結していた私の内省や衝動が、物理的に大きな画面として広がり、結果とし て返ってきたことは今の私にとって大きな変化や手応えを与え、同時に大きな意味をもつ出来事になっ たと思います。
<今後の目標>
油絵の具は今年に入って初めて触った画材です。今回の結果を踏まえて、私にはもっと練習と実験が必要だと強く感じました。汚してもいい床や壁のある広い部屋で大きな絵を描きたいです。美術大学に進学することも目標の一つです。
■学生特別賞 田中優楽

【作 家 名】田中優楽(Tanaka Yuura)
【作 品 名】rest area
【製 作 年】2026
【サ イ ズ】162.0 × 130.0 cm
【技 法】キャンバス・油彩・アクリル絵具
<プロフィール>
2003 年 10 月 東京都生まれ、東京都在住
2026 年 9 月 武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 油絵専攻 在学中
<受賞の言葉>
この度は学生特別賞をいただき大変光栄に思います。 私は現在、大学 4 年生ですが、入学当初からずっと、「実在する物体や場所を増殖、反復させてずらり とたくさん並べる」ということをコンセプトに制作を続けてきました。今回、節目になる卒業学年でこ のような評価をいただいたことは励みになります。今後も自分の思うように制作活動を続けて行きたい と思います。
<受賞作品について>
私は「終わりのない空間」をコンセプトに制作しています。 実在する物体や場所を私自身の記憶や経験をもとに、「これと同じものがずらりとたくさん並んでいた ら、さぞかし良い眺めなのではないか」と考え、物体や場所を目一杯に増殖、反復させて、終わりが見 えないほど広々とした空間を描けたらいいなと思っています。 受賞作品の「rest area」は、私がよく訪れる夢の島の熱帯植物園にあるカフェコーナーの絵です。2 人 掛けの座席の奥にはガラスが張られており、その奥には温室内の池が広がっている……というような非 常に居心地の良いところです。とても良い場所なので、「この場所がたくさんあったら、素晴らしいので はないか」と考えて描きました。
<今後の目標>
これまでは、ずっと同じ物をたくさん反復させる絵を描いてきたので、これからもずっと同じ物をたく さん反復させる絵を描き続け、おそらく、ずっと絵を描くという行動を反復させ続けねばならないのかもしれないと思います。
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