アンソニー・ホプキンスが出演する『ハイネケン誘拐の代償』が6月13日(土)より公開される。映画は、1983年にオランダで起きた大富豪誘拐事件の真相を、実話に基づいて描くサスペンス・ミステリーで、ホプキンスは「今回、狂気を内に秘めたカリスマ性のある俳優ばかりと共演できた」と語っている。
原作は、世界的ビール会社ハイネケンの経営者フレディ・ハイネケンの誘拐事件を追った犯罪ジャーナリスト、ピーター・R・デ・ヴリーズによるベストセラー小説。身代金の行方など、未だに真相が解明されていない事件の“裏”で起こった出来事を、誘拐した者・誘拐された者の両者の視点から描き出す。
劇中でホプキンスは、5人の若者に誘拐され人質として監禁される身であるにも関らず、彼らを翻弄していく大富豪ハイネケンを、『羊たちの沈黙』のレクター博士を彷彿とさせるような底知れぬキャラクターとして演じている。ホプキンスは「若い役者が私を恐れているというけど、もし仮にそうだとしても恐がることは何もないさ、私はプロの俳優を尊敬しているんだ」と言い、「例えばサムはプロ中のプロだよ、パワフルでとても賢く、自分のキャリアに何が必要なのか、いい役者になる道を知っている」と共演したサム・ワーシントンの名を挙げている。
ワーシントンは、『アバター』『ターミネーター4』など数々の大作に出演する若手実力派俳優のひとり。劇中では誘拐を企てるメンバーのひとりで、ハイネケンの傲慢な言動に翻弄され、徐々に冷静さを失っていく若者ヴィレムを演じている。役作りにあたりワーシントンは、ヴィレムに関する文献を読み込むだけでなく、本人に会いに行き「役作りの方向性が変わった」と明かす。「ヴィレムに会いに行ったんだ。だから事件を違う角度から見ることができたし、僕の直感だけでなく実際の彼の発想を演技に反映できたよ。彼のしたことや犯罪歴に怯えてばかりいたら本当の彼を理解することができないから、彼を正確に描写できるように人間性を掘り下げて、精神や癖を理解したんだ。彼を掘り下げて理解していたからこそ、いくつかのシーンでは迷うことなく演じることができた」。
『ハイネケン誘拐の代償』
6月13日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー