お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんなヒントをファイナンシャルプランナーの筆者が分かりやすく教えます。今月考えてみたいのは「結婚したらすぐ話し合うべきこと」。ケーキ入刀じゃなくてもっと大事な共同作業があるのです。
ウエディングシーズンに「お金の共同作業」もしよう
最近では6月の結婚にこだわらないカップルも増えているようですが、やはり6月といえば結婚式のシーズンです。結婚式といえば「最初の共同作業」と司会に盛り上げられてケーキ入刀をするイメージが浮かびます。
しかし、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーとしては、結婚したらできるだけ早く、「お金の共同作業」をして欲しいなと思っています。
それも共働きのカップルほど大切にしてほしい「共同作業」です。というのも、共働きはそれぞれの給与振込口座にお給料が入金されますが、家賃の支払いや電気代等の公共料金支払いなどはどちらかの口座で引き落とすことになり、なんらかの家計の分担ルールをきめなければならないからです。
幸せ気分で「お金の共同作業」をサボってしまうと、数年後に後悔することになります。分担はいい加減、貯金の目標もそれぞれが自分勝手に決めているようでは、「夫婦ふたりの幸せ」に近づくことはできません。
少し、「お金の共同作業」について考えてみましょう。
結婚したらすぐ、2つのことをお互いにカミングアウトする
まず最初にやるべきは「お金のカミングアウト」です。言い出しにくい2つのことについて、お互いの現状を確認しておくことからスタートです。具体的には「お互いの年収」「お互いの貯金額」をカミングアウトするところから共同作業がスタートします。
「お互いの貯金額」については、「結婚前の資産」はそれぞれのものとして考える必要があります。仮に離婚することになったとしても「結婚後の財産」が分与対象ですし、家を買うときの頭金などをどちらかの貯金で負担した場合などはしっかりこれを確認しておく必要があります(たとえば、女性の定期預金1000万円を頭金にして残りをローンにしたのであれば、その分、家の権利を女性名義にしておくべきです)。
「お互いの年収」については、夫婦の合計年収でどれくらいの生活ができるか共通認識をもち、そこからどうやって家計を分担するか、貯金目標に向かって貯めていくか検討するために必ず必要です。共働きだからとそれぞれが年収は隠して結婚生活をスタートさせると「家計はだいたい折半ね」などとルーズなルールを決めてしまい、女性が損をしたりします。
また、家を買うための頭金づくり、子どもが生まれたあとは育児費用や学費負担の準備のためにお金を貯めていく必要があり、どちらかひとりだけがんばっても追いつかないことになります。男性は自分の年収を好き勝手に自由に使い、女性だけ貯金しているようなケースが時々ありますが、これは最悪です。
結婚までこぎつけたふたりですから、隠し事はなしです。もし、「そんなの教える必要ないよ」と抵抗されたとしても説得して、結婚したらお互いに「カミングアウト」しておきましょう。