(左上から)中島唱子、原田樹里 (左下から)みょんふぁ、沙央くらま 撮影:桑原克典 (左上から)中島唱子、原田樹里 (左下から)みょんふぁ、沙央くらま 撮影:桑原克典

韓国で大ヒットした舞台『花の秘密』が1月24日(木)より日本初上演の幕を開ける。宝塚歌劇団を退団後初舞台となる沙央くらまをはじめ、みょんふぁ、原田樹里、そして中島唱子のメインキャスト4名に稽古場で話を聞いた。

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映画『トンマッコルへようこそ』を手掛け、“韓国の三谷幸喜”とも言われるクリエイター、チャン・ジン作による本作は、イタリアの村が舞台のコメディ。平凡な4人の人妻たちを主人公に、夫たちを乗せた車が谷に転落したと聞き、最後の医療チェックを残すのみとなっていた夫の生命保険加入手続きを何とか完了させようと画策する…というストーリー。

コメディではあるが、中島は「私自身、50歳を過ぎて“花が枯れていく”のを実感していた中で、共感できる部分が多かった。“もうひと花、咲かせたい!”という思い――それは恋愛でも仕事でも抑圧からの自由でもいいんですが、私と同じ年代の人たちのそんな思いを昇華できるんじゃないか」と登場する女たちへの強い思いを口にする。

本作の日本公演を企画し、自ら翻訳も担当したみょんふぁは、日韓両国のアイデンティティを持つ女優として「明るく楽しい作品を共有しつつ、その“向こう”に触れられたら」と企画の意図を明かし、「夫たちは好き勝手して、女たちは表面上は幸せに見えつつ、どこかで吐きそうな孤独や寂しさを抱えている。でも4人で集まっても虚勢を張るところもあったり…そういうギリギリの寂しさはすごくよくわかります」と語る。

原田も「経験したことのない主婦という部分は想像しながら演じていますが、でも女同士の関係という意味ではすごくリアルなものを感じます。やっぱり女同士って独特で、同じ仲間でも『この人には言えるけど、この人には…』とかあるんですよ(笑)。そういう感覚は楽しんでもらえると思います」と国境を越えての女たちへの共感を話す。

沙央は、劇中であれこれと話し合い、助け合う女たちの姿がそのまま稽古場での4人と重なると言い、宝塚時代とは全く異なるタイプの作品や役へのアプローチに刺激を受けているようだ。「全く違う環境から集まった4人が“私、こう思うんだけど”とセッションしながら作っていくのが楽しいですね。私自身、宝塚での最後の時期は後輩に伝えていく立場でしたが、いまこの関係の中に入ってみると、引っ張っていただけるのがすごく居心地がいいんです。私が演じるモニカも甘えるポジションを確立しつつ、若いジーナ(原田)とやり合ったりというところもあって、彼女を通じて甘え上手な女性を学んでいる気がしています(笑)」

『花の秘密』は東京・赤坂RED/THEATERにて1月24日(木)より上演。

取材・文:黒豆直樹