又吉直樹 又吉直樹 撮影:川野結李歌

ピースの又吉直樹が立ち上げたユニットコントライブ“さよなら、絶景雑技団”。その4度目となる公演『さよなら、絶景雑技団 2019 本公演』が、3月22日(金)東京・三越劇場で幕を開ける。そこで作・演出も担う又吉に、コントにかける想いを聞いた。

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近年では作家としての活動に注目が集まることが多かった又吉だが、「単純にコントをやるのが好き。ネタをつくるのも好き」と語る、根っからの芸人。そんな彼にとって、自分の“好き”を実現出来る大切な場がこの絶景雑技団だ。メンバーにはしずる、ライス、サルゴリラらが名を連ね、又吉は「全員コントが好きな人ばかり。みんな気心知れたメンバーですし、僕がやろうとしていることも1番よくわかってくれている」と、厚い信頼を寄せる。

さらにメンバーには、「わりと純粋だし、無欲だし、いつまでも子供のままみたいな、“ちょっと大丈夫か?”って心配になる(笑)」ようなタイプが多いと言う。だがその中で異色なのが……。「パンサーの向井(慧)と井上好井の好井(まさお)だけは、めちゃくちゃガツガツしていますね。最初にやった時、“出してくださいよ!”って直談判してきたのも向井と好井。このふたりに関しては、そろそろ僕らを踏み台に、次のステップに進む可能性は大いにあり得るなと(笑)。まぁ絶景雑技団ってある種のドキュメンタリーで、僕がみんなを見て、それをそのままコントにしてきた。だから裏切られたら裏切られたで、そういうコントがつくれるからいいんですけどね(笑)」

2019年は絶景雑技団を始めてから10年であると同時に、又吉にとって芸人生活20年という節目の年でもある。「“10年、20年、又吉は何やってきてんねん”ってことが問われるわけですからね。怖いは怖いです。それでもやりたいと思うのは、やっぱり考えるのが好きだし、コントを見てもらうのが好きだから。ただ過度な期待はしないで欲しいです。僕、平成ノブシコブシの吉村(崇)くんに誘ってもらって、一緒に海外旅行したりするんですけど、毎回全然楽しみじゃないんですよ(笑)。というのも僕はベタな街が好きなんですけど、吉村くんはメキシコのカンクンとか、“なんでそこ?”ってところを選んでくるから。でも毎回、その街のことが大好きになって。つまりあまり期待せえへんってことが、旅行の最高の楽しみ方ではないかと。だからこのライブも、そんな気持ちで来てもらえると丁度いいのかなと思います(笑)」

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取材・文:野上瑠美子