――この対談の場ではかなり殊勝なCazquiさんですが、ライヴの現場では…。
Cazqui:もちろんやらせていただくからには、ガチで。9月5日の新木場COASTはエクストリーム過ぎて爆発してしまうでしょう。
ミヤ:ウチらがガチンコでやるのは当然なんですけど、それぞれのバンドのお客さんが、自分の好きなバンド以外のライヴを見た時に何が生まれるのかということを期待しています。
俺が今回一番嬉しいのはD’ERLANGERとNOCTURNAL BLOODLUSTみたいな若い世代のバンドが同じステージでぶつかるということなんで、そこは俺らが旗振りした意義があるかなと。
――上の世代と下の世代をつなぐと。たとえば先日MUCCが出演されたLUNA SEA主宰の「LUNATIC FEST.(今年6月27、28日に開催。MUCCは2日目に出演)」もそのような意義の込められたイベントだと感じたのですが。
ミヤ:LUNATIC FEST.はまさにそうで、自分の先輩もいるし後輩もいた。でもそういうことを逆に先輩方にやってもらっているうちはダメだなと思って、規模が小さくても自分らがそういう場所を作っていって、ヴィジュアル系っていうシーンを盛り上げたいな。変に媚びを売らずに盛り上げたい。新木場でもやりますけど、ぶっちゃけ(渋谷)CYCLONEでもやりたいんですよ(笑)。
Cazqui:いいですねえ!
――それはキャパシティ的に大変そうですね(笑)。先ほどからミヤさんが「ヴィジュアル系」のイベントをやりたいとおっしゃっていることがちょっと意外に感じまして。
ミヤ:でも(今回のイベントは)ヴィジュアル系の中でも変わったやつらですからね。とくにこいつら(笑)。
Cazqui:(笑)。
ミヤ:DEZERTもそうだし。
Cazqui:DEZERTのパンキッシュな精神性は、他の若手とは全く違いますね。
ミヤ:摩天楼オペラだってあんな正統派ヘヴィメタルやってるバンド、ほかにあんまりいないし。ヴィジュアル系でやっているけども、その裏側に色々なものがあるバンドしか集まってない。ただのヴィジュアル系なら俺がやる意味ないし。
今回「DANGER CRUE PRESENTS」と名前がついてるんですけど、意味があって。DANGER CRUEっていうのは元々44MAGNUMやREACTION、D’ERLANGER、DIE IN CRIESというバンドがいて…そういう伝統を持った事務所、その”イズム”に憧れてバンドを始めた人間なんで、だからあえての「DANGER CRUE PRESENTS」、今回のラインナップに一番感じてもらいたいところはそこですね。
ウチらが入った頃はちょっと若干そういう流れがまだ残ってて、色々怖い先輩方に揉まれたっていうか。そういうのは最近あんまりないんで、そういうのが面白いかな。
それこそこないだのLUNATIC FEST.の時のGeorgeさん(※LADIES ROOMのベーシスト。LUNATIC FEST.1日目に出演。X JAPANのステージやラストのセッションなどでも活躍し一躍話題に)ですよ、怖いイメージがあるのにあんなに皆に和ませて笑わせてくれて、おっかねえけど最高の先輩じゃないですか。それってすごいなあと思ったんです。
――良い意味での体育会系というか。
ミヤ:良い意味以外の何物でもないですよ、最高ですね。ああいう先輩を見て、ギリギリ育ってた世代なので、そういう雰囲気を残したいなっていうのはあります。
Cazqui:自分の場合はヴィジュアル系における音楽形態も多様化して、いくらでも選択肢のある時代に育ったんですけど、その中でもアンダーグラウンドの香りを持っていたり、尖った精神性が作品から伺えるバンドを好んで聴いていました。
ジャパニーズヘヴィメタルから枝分かれして、その一派がのちにヴィジュアル系と呼ばれるようになり、時代の経過と共に薄れてしまった部分も少なからずあると思いますが、ミヤさんも先輩から受け継がれているような反骨精神であったり、独自性を持った魅力を、2015年における自分達ならではの解釈で伝えていけたらと思っております。