(左から)深川栄洋監督、北乃きい、イッセー尾形、ピエール瀧、岸本加世子と三毛猫のドロップ、染谷将太、もたいまさこ

 映画『先生と迷い猫』の完成披露舞台あいさつが10日、東京都内で行われ、出演者のイッセー尾形、染谷将太、北乃きい、ピエール瀧、もたいまさこ、岸本加世子と深川栄洋監督、三毛猫のドロップが出席した。

 定年退職した校長先生役で9年ぶりに映画に主演したイッセーは「気持ちがドキドキ半分。伊豆の下田で1年ぐらい前の撮影でしたが、毎日楽しくて終わらなければいいなと思ったのがつい昨日のことのように思い出されます」と語った。

 一方「いっとき、18匹の猫と暮らしていたほどの猫好き」という岸本は、代役なしで全編を演じ切ったドロップについて「猫に一切ストレスを与えず、無理もさせず、負担の掛からない撮影で、猫好きの私としてはとてもうれしかったです」と喜び、ピエールも「いいところで回ったり、はけるタイミングが良かったり。朝ドラに出ている猫ちゃんなので、さすが“朝ドラ女優”」と絶賛した。

 また、染谷との撮影シーンを振り返ったイッセーは「染谷くんは染谷くんのペースで入ってくるので、校長先生のペースが崩される。演技ではなく、本当に彼にペースを乱されたんです」と不満をのぞかせると、染谷は「そういうオーダーだったというか、早いリズムでかき回せと言われたんです」と慌てて弁解した。

 さらにイッセーは「そうだけど、お芝居なんだから」とわざとらしく不満を漏らしつつ、「本当にあたふたしちゃって、でもそれがOKだったから深川監督はそういう監督だったと思い出した。乱されるのが心地良くなっていって、リセットして楽しむことができました」と充実感を語った。

 二人のやり取りを見た深川監督も「イッセーさんを人間と思わず、動物園に来て動物を見ているような気持ちで見ると面白いんじゃないかな」と笑わせた。

 映画は10月10日から全国ロードショー。