今回は、初めてやなせたかし先生の原作絵本がない、オリジナルストーリーとお聞きしていますが、なぜ「魔法のランプの世界」が舞台となっているのでしょうか。

©やなせたかし／フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2015

やなせ先生が生前、アラビアンナイトの世界を描きたいとおっしゃっていたことがありました。

また、やなせ先生が「新アラビアンナイト」という児童書も書かれていたこともあり、原作者不在の中、映画を製作するにあたって、参考になると思いました。

でもなにより、“魔法の(ランプの)世界”というのが楽しそうで、映画を観に来てくれる子どもたちがワクワクしてくれるに違いない！と考え、「魔法のランプの世界」が今回の舞台になりました。

ミージャちゃんはどんな女の子なのでしょうか。

©やなせたかし／フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2015

作品中では、【何かをできていない子が成長し,できるようになる】というストーリーがシンプルでわかりやすくメッセージも伝えやすいため、ミージャには誰にも頼らずになんでも一人でできると思い込んでいるお調子者の性格をつける事にしました。

でも、それが行き過ぎると、共感を得られない＝可愛くない、となってしまうので、映画を観ている人たちが「もう、ミージャちゃんったら、しょうがないなぁ」と思ってくれるような可愛らしさは持ち合わせるよう気をつけました。

コキンちゃんとのやりとりで、その辺りが出せたかなぁ…と思います。

今回の映画の見どころ、注目してほしいセリフなどはありますか。

©やなせたかし／フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2015

ミージャちゃん、クリームパンダ、コキンちゃん３人のシーンです。ケンカもするし協力もする。子供たちにもこうあってほしいですね。それと、やっぱりアンパンマンの「みんながたすけてくれるから僕は頑張れるんだ！」というセリフに注目してほしいなと思います。

「アンパンマンたいそう」が劇中で何度も歌われていますが、どのような思いが込められているのでしょうか。

©やなせたかし／フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2015
だいじなもの忘れて べそかきそになったら
好きな人と好きな人と てをつなごう
そうさ僕と君をつなぐ 虹の橋を渡れ
雨と雲が逃げて 太陽ひとまわり

      ーアンパンマンたいそう2番より抜粋ー

 

原作者のやなせ先生のメッセージは、幾多とあるアンパンマン楽曲の詩の中に込められていると考えています。

その中で今回は“アンパンマンたいそう”の、♪だいじなもの忘れて べそかきそうになったら 好きな人と 手をつなごう♪ という詩に注目しました。ひとりじゃできないことも、みんなで協力することでできるはず！映画を観た子供たちにそこを感じてほしいと思ってます。

また、私たち映画製作スタッフの置かれている状況も、まさにその通りで、やなせ先生がいない中、みんなで協力して今まで通り映画を子供たちに届ける。という思いで製作しました。

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