若手でもなく中堅でもない世代
FNS27時間テレビで愛車のBMWを破壊し、その後、謝罪することになったお笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇さん(35歳)。
破天荒なキャラクターを売りにしている吉村さんですが、この破壊に関してはちょっとした騒動になったためすぐに謝罪。破天荒なのか、そうじゃないのか、よくわからないキャラクターではありますが、今回の27時間テレビでは話題となった芸人のひとりではないでしょうか。
そんな吉村と同世代のウーマンラッシュアワー・村本大輔さん(34歳)も、最近、注目を集めています。2年間、彼に対してストーカー行為を続けていた女性が、ストーカー規制法違反の容疑で逮捕されたのです。「刺される夢を何回も見た」と話し、恐怖する村本さんですが、この屈折した愛情が招いた事件は、彼の人気の高さを証明したとも言えるでしょう。
さらにもうひとり、この世代を代表する人気芸人が、ピース・又吉直樹さん(35歳)。執筆した書籍が芥川賞を受賞し、「先生」として執筆活動も行うハイブリッド型の芸人です。
受賞後初のエッセー『芥川龍之介への手紙』が掲載される文芸誌『文学界』(8月7日発売)は、既に1万部増刷が決定。今後、その執筆活動でも注目を集めること間違いなしの芸人です。
彼らは皆、34~35歳で決して若手芸人とは言えず、とはいっても中堅芸人とも表現しがたい世代です。上記のように度々、ワイドショーに登場しては、話題を提供することもありますが、お笑い芸人としてずば抜けてスター性があるかと言えば、まだその域には達していないと言えるのではないでしょうか。
実はこの世代を、こういった言葉でまとめることができます。「山里世代」。
「僕らの世代は全員小器用」
この言葉は、TV番組『ナカイの窓』で生まれた言葉。同番組では、「76年4月~79年3月生まれの人」を、南海キャンディーズの山里さんを代表とする世代としてくくり「山里世代」と表現したのです。
昨年4月の放送では、山里さんをはじめ、オードリーの若林さん、ピースの綾部さんといった芸人らが「山里世代からなぜスター芸人が生まれないのか」について話し合いました。
世代を代表する山里さんの持論は、「僕らの世代は全員小器用」「本気で上の世代を打ち負かそうと思っていない」というもの。
この言葉、79年生まれの筆者はなんとなくわかります。というのも、我々の世代は幼少期に、テレビで活躍するビートたけしさんや、タモリさん、明石家さんまさんの「お笑いビッグ3」や、ダウンタウン、とんねるず、ウッチャンナンチャンの「お笑い第3世代」の姿を見てきました。
お笑い芸人と言えば、今やベテランとなった彼らのことを指し、我々の世代の芸人は、その姿に憧れてお笑い芸人を目指したのです。しかし、そんなベテラン勢は引退することなく、未だに現役としてお笑い界の頂点に立っています。