lynch.主催イベント「lynch. presents BLACK BEAUTY BEASTS」 が2019年2月8日、9日に愛知・Zepp Nagoyaで開催された。
両日にlynch.そして8日の出演者はアルルカン、Angelo、D’ERLANGER、9日にはRAZOR、MERRY、MUCC、SUGIZOという豪華ラインナップということもあり、発表時から大きな話題を呼んでいたイベントだ。
ライブ当日も期待通り、いや、期待以上に全バンドが火花を散らす大乱戦となった。本記事では両日の模様をレポートする。
DAY1
アルルカン
「行くぞ、“ダメ人間”! 一番手、アルルカンです!」暁(Vo)が叫ぶ。
『ダメ人間』、彼らの代表曲のひとつ、そして彼らのファンの総称を冠したナンバーを投下し、初っ端からエンジンはフルスロットル。かねてからlynch.に対してリスペクトを公言しているからこそ、バンドが一丸となって“勝ちに行く”姿勢を崩さない。
「葉月さんは僕らに“客を持って帰れ”と言ってくれました。名古屋にお集まりのお姉さん方、その心にちょっかいかけに行きます!」という暁の言葉に続いての『リビドー』でフロアとオーディエンスの心を揺さぶっていく。
ラストの『ラズルダズル』まで、息つく暇もないほどの速度で駆け抜けていったアルルカン。高みを目指すバンドだけが持つ、ギラギラした緊張感に満ちたアクトだった。
Angelo
点滅するライトの中、圧倒的なカリスマ性を漂わせながら登場したAngelo。メンバーがそれぞれの立ち位置につき、『CRUELWORLD』で始まった彼らのステージ。オーディエンスの手拍子に迎えられた『ACTIVATE RESONATE』と、ワンマンさながらの統率力を持って進行していく。
「今日は、lynch.主催……“集団リンチの会”へお招きいただきありがとうございます。オレも激しくリンチするのが大好きなんで、そんな夜にしませんか?」
そんなキリト(Vo)らしい挨拶に続いての『NEW CENTURY BIRTH VOICE』では、容赦のないヘドバンがフロアにあふれかえる。
そして『RIP』のイントロでは“何か”を期待するように大きな歓声が湧き、それにこたえるかのように、マイクスタンドをステージに叩きつけるキリトの姿は、オーディエンスの熱気をさらに加速させていき、この日この場にいた全員の脳裏に“これがAngeloだ”と刻みつけた。
D'ERLANGER
2019年、最初のステージになるというD'ERLANGER。悠々とステージに登場し、kyo(Vo)がゆっくりと両手を広げる。『Harlem Queen Complex』から『Harlem Queen Romance』の流れで、フロアを一気に彼らの色に染め上げる。
「俺たちの気持ちイイ音、浴びてって!」というkyoの言葉から、『dummy blue』、『LULLABY』とキラーチューンを披露し、MCでは「お嬢ちゃん」とフロアに呼びかけ、「気持ちイイ世界に足を踏み入れてみない? 優しく教えてあげるからさ?」とオーディエンスを誘う一幕も。
『バライロノセカイ -Le monde de la rose-』でフロアを揺らした後は、重厚な『哀』で締めくくるのかと思えば、突如ジャムセッションになだれ込む。彼らの奏でる“気持ちイイ音”に身を任せるままのオーディエンス。大人の色香の危うさと少年のような遊びゴコロを併せ持った、“ロックスター”の真髄を見せつけたステージだった。