2019年3月頃から、東京ディズニーリゾートを訪れた人の間で、ある変化が話題になりました。
それは、パークやホテルで使われているストローが、プラスチック製から紙製に変わったというものです。
「材質が変わったくらいで、そんなに大騒ぎすることなの?」と思われる方も多いかもしれません。
この細かな変化、実は世界的な環境保護の動きを受けたものなのです。
今回はそんなストローの変化から、東京ディズニーリゾートが進める「脱プラスチック」の理由を探ってみたいと思います。
レストランにも紙製ストローが登場!
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでは、2019年4月4日から6月2日まで、スペシャルイベント「ディズニー・イースター」が開催されています。
イベントに合わせて、レストランでは期間限定のメニューが販売されています。
季節感を感じるメニューに目がいきがちなのですが、実はここでも、ストローがプラ製から紙製に変わっているのです。
東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドは、2019年4月8日、「使い捨てプラスチック」の削減についてのプレスリリースを発表しました。
今後もパークやホテルで使われているストローを、順次切り替えていくと思われます。
どうして「ストロー」なの?
そもそも、どうしてオリエンタルランドは、ストローをプラスチック製から紙製に切り替えたのでしょうか。
最近、アメリカやヨーロッパを中心に、脱プラスチックへの動きが加速しているのです。
コーヒーチェーン大手のスターバックスは2018年7月、プラ製ストローを、2020年までに全世界の店舗で廃止すると発表しました。
また、アメリカのマクドナルドも2018年9月から、プラ製ストローを廃止して、紙製に切り替えていくことを発表しています。
きっかけは、2015年に拡散したウミガメの動画でした。
絶滅が心配されているウミガメの鼻から、プラ製ストローが引っ張り出されるという、なんとも痛ましい内容だったのです。
ストローはほかのプラスチック製品に比べると、軽くて小さく、リサイクルしにくいという問題があります。
また、ストローは細かなごみと一緒に、川や海に流れ出しやすいため、海の生物に深刻な影響を与えてしまうのです。
さらにプラスチックは自然で分解されないため、太陽の紫外線を浴びて、細かく広がっていきます。
これが「マイクロプラスチック」と呼ばれるものです。
マイクロプラスチックは、魚などが微生物と一緒に食べてしまい、そのまま人間が体内に取り込んでしまう危険性も指摘されています。
「たかがストロー」と思われるかもしれませんが、とても重要な取り組みの一つなのです。
日本でも外食チェーンやホテルを中心に、プラ製ストローの廃止を発表する動きが広がっています。