はい、つまりあなたの書いた文字を
このオレンジのマーカーで印をすると、
印をした部分だけをどこかの誰かが
デジタル入力した文字にしてくれる、というシステムなんです。
マーカーはその作業のための筆記具なんですね。

今回の原稿にも利用してみました


紙に書いた文字をテキストという形式にする仕組み、
これは、ひらったくいうと、
目で見ることしかできない紙に書いたり印刷されてる文字を
携帯の文字入力とかパソコンで文字をタイプしたものと
同じようになおしてくれる仕組み、です。
デジタル化された文字は、こんな風に
HPに掲載したり、メールで送信したり、ということができます。
文字のデジタル化の仕組みは今までも、もちろんありました。
でもそれらは、機械だけが読み取り作業をするので、
いろいろ誤読も多くて、
「なんだか使えないなー」という結果になりがちでした。

カイバーの最大の特徴は、人間が文字を読んでデジタルにする、という点。
だから、文字の間違いがぐっと少ないんです。

さて、今回このスマートマーカーを
マリアージュ文具、と命名したのは、
もととなる書き文字を書く環境に
かなりの自由度を与えてくれたデジタルシステムだから、です。
読み取りしたい範囲の指定は、
マーカーでなぞるだけですから、
慣れ親しんだお気に入りのノートに
大好きなペンで書きつけるもよし、
喫茶店でコースターの裏に
がしがし書いちゃった文字でもよし。
いつものように自分が文字を書けば、
それをデジタル化できる、という点が画期的なのです。

このカイバーシリーズは
読み取り手数料を予め含んだ文房具の展開で、
このラインマーカーの他にも
ツバメノートやニーモシネといったノートも揃っています。
ノートのタイプは、所定の枠の中に書き込まれた文字が
デジタル化されます。


最後に補足説明があります。

このカイバーを利用するには、
あなたの携帯電話がリンゴのマークや
ロボットのマークがでてくるタイプでなければなりません。
この二つは、iOSとAndroid、という環境です。
そしてまず、先のマンガでいうところの大天使との契約をしなければなりません。
これをアプリケーションのダウンロード、といいます。
最後に、作業をしてくれる小天使を雇わなければなりません。
これはアクティベーション、という手続きのことです。
「わー、なにそれ、ややこしい!」と思った方は、
詳しい方にやってもらうのがよいでしょう。
何に於いても、人力に勝るものなし、ですから。

ういの・きょうこ 東京小猫商会:文具部2号、コモノ部4号。ボールペンとえんぴつの店&BraveBrownBag輸入総代理店:銀座『五十音』店主。嗜好性の高い文房具の販売や、日本全国の作家との交流を生かした製品プロデュースを手掛ける。全日空機内誌『翼の王国』コラム:『筆記交々』を2年間連載。著書『ボールペンとえんぴつのこと』(木楽舎)。公式サイト