中盤戦に突入した「第28回東京国際映画祭」。10月25日(日)は休日ということもあって多くの人々が会場に足を運んだ。コンペティション部門では日本から出品されているサスペンスホラー『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』、ブラジルの精神病院を舞台にしたヒューマンドラマ『ニーゼ』、そして、話題のドローンを使って敵を攻撃する米兵の姿を描いた『フル・コンタクト』の3作品が登場。第1回目の上映を終えての観客の感想と評価をチェック!
3位:『フル・コンタクト』
満足度:73.7
<項目別5段階評価>
俳優:4.8
ストーリー:3.4
音楽:3.7
演出:4.3
オランダ出身のダビッド・フェルベーク監督による本作。砂漠の小屋で画面に向き合い、ドローンを操作して標的を攻撃する米軍パイロットの姿が映し出される。遠隔攻撃による大量殺戮のトラウマが迫力の映像で描き出されるシュールな戦争心理ドラマに仕上がっている。
物語の中で、現実と主人公の精神世界の虚構が徐々に入り混じっていくという展開に関しては賛否それぞれの意見が!
「人を殺し、現実逃避する主人公の姿が生々しく描かれていて興味深い」(25歳・女性)
「導入から、パラレルなのか? 現実の過去なのか? 最後まで見ないとわからない展開で主人公が女性を見つめる目が印象的でした」(20代)
「ワンアイディアで話の構造が物足りない。ややリアルが足りないのでは?」(50代・男性)
「敵に向かっていくという“コンタクト”が、徐々に人間性に向かっての“フル・コンタクト”に変わっていくところが面白く興味深かった」(66歳・男性)
一方、こうした虚実入り混じった描写の中から、現代の戦争の“リアリティ”が浮き彫りになっていると感じられる点も多々あったようで、演出に対し、称賛の声も多く寄せられた。
「セリフが少ない中で心情がダイレクトに伝わってきました。戦争を経験し、シャワーを浴びながら震えるシーンは印象的でした」(24歳・男性)
本作は10月27日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、10月28日には新宿バルト9にて上映される。