(画像左から)リサ・チャペル、石川直、米所裕夢 撮影:稲澤 朝博
金管楽器、打楽器を中心とした60種類以上の楽器を演奏しながらミュージシャンがダイナミックに動き回り、ダンサーはカラフルな旗やバトンを操って演出。そんな空間で、独創的なアレンジにより生まれ変わったディズニーの名曲を魅せて聴かせる「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」が今夏、33会場59公演を巡る全国ツアーを敢行する。石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)、リサ・チャペル(トロンボーン)が取材に応じてくれた。
2000年入団のベテラン、石川は「ブラスト!」の魅力を端的にこう話す。「例えるなら、お祭りに近い。お祭りの楽しさってトータルの雰囲気ですよね。多くの人が集まって夜店があってお囃子が聴こえて盆踊りして、みたいな。ピュアに音楽のみで聴かせるところもあれば、フォーメーションや統一美で魅せたり、いろんな良さが詰まっています」
加えて、幕間のロビーパフォーマンスや終演後のキャストとのミート&グリートも名物のひとつ。上演中はもちろん、劇場に入ってから出るまで「楽しい!」がギッシリ詰まっているのが、長きに渡る人気の理由だ。前回(2017年)はなんと47都道府県ツアーを成功させ、日本での浸透度や人気の高さを物語る。ディズニーとのコラボレーションは今回で3回目。演奏曲には今年公開された『メリー・ポピンズ リターンズ』の楽曲も含まれ、様々なアップデートがなされた最新版だ。
なお、日本での人気の立役者といえる“ミスター・ブラスト!”石川直は、今回で退団が決まっている。
「すごい悲しい……。彼のドラムパフォーマンスは大きな一部だし、ステージ以外でも、国籍の違うキャストの間に入ってつないでくれたり、たくさんサポートしてもらいました」(チャペル)
「最初に聞いたときはショックでした。中学生で「ブラスト!」を知って目標とする中で、直さんという存在がなければ絶対にここまでやってこれなかった」(米所)
惜しむ声を受けて石川は、「『ブラスト!』は仲間たちから学べることがとても多くて、僕にとっていい勉強の場でした。でもパフォーマーとしての僕個人がやりたいこと、できることの中で、ここで出せているのはごく一部。自分に見えているほかの世界を、今後は本腰を入れて形にしていきたいという気持ちです」と、率直な思いを語った。そして、そんな石川が思う「ブラスト!」の“効用”とは。「『ブラスト!』はアメリカと日本が手を取り合った芸術作品。お客さんと触れ合うことで劇場にいいエネルギーが膨らんで、それをお客さんが持ち帰り、周囲に伝染して広がっていく……これ、社会の浄化作用だと思うんですけどね」
東京公演は8月20日(火)~23日(金)・27日(火)~30日(金) 東急シアターオーブにて。チケットは発売中。
取材・文:武田 吏都







