心理学者・内藤誼人さんは、自著『ヤバい出世学~気弱なあなたも会社で一目置かれる心理術~』のなかで、「カラオケで最初に歌う人が握るのは、マイクだけではない」と分析しています。
内藤さんによると、カラオケ時はむしろ進んで最初に歌うべきだというのです。
筆者の体験のように、カラオケで最初に歌うと、あまり聞いてもらえないし、店員にも歌っているところを見られてしまう。とても恥ずかしいことです。しかし、その役目は誰かがしなければいけないこと。もうそれなら、「恥ずかしさは、他の人に味わわせるのではなく、自分の役回り」と思い、最初にマイクを握ってしまうのです。
実は、出世する人の共通点として、「ファースト・ムーバーズ・アドバンテージ」というものがあります。これはいわゆる先行者利益というもの。カラオケで真っ先にマイクを握ることで、「率先して行動する人」「皆が遠慮するなかで勇気ある行動ができる人」「物怖じせず前向きな人」といったイメージを与えることができます。
「米国カリフォルニア州にあるチャップマン大学のアミー・ハーレイは、683名のトップマネージャーとミドルマネージャーについての調査から、出世に当たっては、同期の人よりも、何でも先に動くことが重要であることを突き止めている」と同書で紹介されています。
そういう意味では、カラオケで最初に歌う人は、一人しかいませんし、そこで手を上げることで「ファースト・ムーバーズ・アドバンテージ」を得られる可能性も高いと言えるでしょう。
ま、最初に歌った曲なんて、最後に『YAH YAH YAH』している頃には誰も憶えていないと思いますので、ここは先行者利益だと思ってマイクを握ってみてはいかがでしょう。
この内藤さんのアドバイスを読んでいたら、筆者も勇気が出てきました。次の二次会では、THE BOOMの『からたち野道』を歌ってみようかな(ボソッ……)。この選曲、いかがでしょうか皆さん。
<参考書籍>
『ヤバい出世学~気弱なあなたも会社で一目置かれる心理術~』内藤誼人著(大和書房)