花見に各種歓迎会と、飲み会が増えるこれからのシーズン。会社や仕事先での飲み会にしろ、合コンにしろ、うまく場を盛り上げようとするのか、無難に乗り切ろうとするのか、思い切り“早く帰りたい”オーラを出すのか……と、立ち回り方は人それぞれだ。

けれど、上司にとっても、あるいは異性にとっても、“素”が出やすい飲み会は人を見る場として意外に重視されているもの。盛り上げ役になることができるなら、それに越したことはないはずだ。

それでは、どんなポイントに気を配って、周りを盛り上げればいいのだろう? そのヒントが得られそうな本が、心理学者の内藤誼人さんが1月に刊行した『なぜ、明石家さんまは「場を盛り上げる」のがうまいのか? 』(大和書房)。“盛り上げスキル日本一”ともいえるバラエティ界の巨人・明石家さんまの言動を分析した本書から、飲み会を盛り上げるためのポイントを探ってみよう。

相手を観察して、「場の空気」を見極める

ぼくの返事から、ああこの人は今の会話イヤがってるんやな、と察してくれてええはずなのに、なんで気ィつかへんのやと思うことがある。“空気”知らん子との長電話はごっつうキツイですわ。――『こんな男でよかったら』(ニッポン放送出版)より

『なぜ、明石家さんまは「場を盛り上げる」のがうまいのか?』
内藤 誼人(著)
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まずは話の前提として、場を盛り上げるには、自分自身が目立とうとしたり、単に楽しくなろうとするより、その場のノリをしっかり理解することが重要だ。

場の空気が読めない人と過ごすことほど、苦痛なことはない。飲み会で「そろそろお開きのムードが漂っているのに、新しいワインを注文するような人間は、みんなから煙たがられるもの」と内藤さんは言う。上記の発言もあるように、明石家さんまはその点を強く意識しているようだ。

内藤さんによれば、空気を読むためには「周囲の状況をよく観察して行動する」のがいい、とのこと。例えば、商談中に相手が身の周りのものを少しずつ片付け始めたら、「そろそろ帰りたい」というサインだし、会話中に目を合わせてくれなくなったら、「話題がつまらない」可能性が高い。
 

「自分は空気が読める方」と思いがちだが、人から見ると見当違い……ということも少なくない。普段から意識して、状況把握能力を磨いておこう。