1月16日(土)に東京・吉祥寺シアターで開幕する、梅棒5th WORK-「OMG/風桶」。2001年から活動を続けるダンスパフォーマンス集団「梅棒」による、初の2本立て公演だ。今回、「OMG(オーマイガー)」の稽古場に潜入した。
梅棒とは、“踊りは気持ちだ!”をコンセプトに、2001年、日本大学藝術学部のジャズダンスサークル『BAKUの会(現:Dance Company BAKU)』内で結成されたエンターテインメントジャズダンスチーム。「CATS」オリジナルキャストや劇団四季の俳優などを輩出するハイレベルなサークルで磨かれたメンバーは、リーダーの伊藤今人を筆頭に、ダンサーに限らず、俳優、サラリーマン、カメラマンなど多彩な顔ぶれ。2009年には『JAPAN DANCE DELIGHT vol.16』特別賞受賞、2012年には国内最大の振付作品コンテスト『Legend Tokyo chapter.2』にて日本一の称号を手にするなど、高い評価を受けながら活動を続け、今年15周年を迎える。
彼らのファンは芸能界、演劇界にも多く、先日「OMG/風桶」へのコメントで梅棒への愛を語った加藤和樹をはじめ、これまでも、ゆずの北川悠仁や劇団ヨーロッパ企画の上田誠などが絶賛している。
そんな彼らの舞台は、J-POPや懐メロなどのヒット曲にのせ、台詞は使わず、ダンスでストーリーを展開する新感覚パフォーマンスだ。“ダンスだけで物語が分かるだろうか?”という心配は無用。体全体を使った豊かな表現に加え、要所要所で歌詞が物語にリンクすることで、衣装やセットのない稽古場でもすんなりと理解できる。これは演出と表現力の賜物だ。
今作は、梅棒初の2演目立て。どちらもゲストを招いてのステージで、オーディションを勝ち抜いた精鋭も参加している。取材した「OMG」には「Bugs Under Groove」のIYO-Pやザンヨウコが招かれており、稽古場でダンスの確認をしながら「こうしたらどう?」とゲストの声で表現を進化させている姿が見られた。個性的な面々と梅棒が作り上げる新たな表現にも期待したい。
今回の演目である「OMG」は第1回単独劇場公演「スタンス」をリメイクしたというもの。もう一作の「風桶(かぜおけ)」は新作となっている。ダンス中心のメンバーがポップな世界を作り上げる「OMG」に対し、「風桶」は芝居経験の高いメンバーによる大人な世界観なのだそう。通常なら同じステージにいるメンバーが二手に分かれ、それぞれどのような仕上がりになるか、楽しみにしたい。
公演は1月16日(土)から31日(日)まで東京・吉祥寺シアターにて。チケットは発売中。
取材・文:中川實穗