「えっ、これだけ?」「短っ!!」
異例とも言える1月末の入園制限を始め、180分待ちにもなった限定ブッフェなど、大盛況だったはずの、2015年「アナとエルサのフローズンファンタジー」。
でも、アナとエルサが登場する「フローズンファンタジー・グリーティング」を見終わったあと、興奮の面持ちの子どもたちのかたわら、大人たちからは、“あっけにとられた” ような感想が漏れてきていたのを、覚えています。
年間パスポート所持の我が家は、子どもたちをアナとエルサに会わせて、さっと帰る、なんてこともできます。
が、数年ぶりに東京ディズニーランドへ遊びに来て、真冬の寒空の下、長い時間待ったのに、「わずか数分で終わり……」では、当然の感想かもしれません。
思いのほかの混雑に遭遇した方も多かったはずで、昨年「もう行かない……」と懲りたパパ&ママも、少なくないでしょう。
実はこれには、理由があります。
アナ雪公開3ヶ月での英断
2015年2月27日の日経MJ(流通新聞)で、「アナとエルサのフローズンファンタジー」の好調さと、これを短期間で実現した、株式会社オリエンタルランドの戦術が特集されました。
紙面では、2015年「アナとエルサのフローズンファンタジー」は、予定していた別の企画を凍結し、ゼロから着手した弾丸プロジェクトであり、準備期間は7ヶ月(通常の半分)しかなかった事実が明かされています。
日本での映画『アナと雪の女王』公開は、2014年3月14日です。
12週目(6月頭)の時点で、12週連続で週末興行成績ランキング1位となり、日本歴代興行成績でも、1位の「千と千尋の神隠し」、2位「タイタニック」に次ぐ第3位、という記録を樹立。
準備期間は7ヶ月だった、という日経MJの報道から、株式会社オリエンタルランドは、おおよそ6月上旬から中旬に、スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー(2015年)」実施を決断したようです。
新作映画の公開3ヶ月で、新スペシャルイベントの導入を決めたわけですから、これは英断と言っていいでしょう。
通常なら間に合わないものを、いかに創意工夫と、業務の効率化、権限の委譲などで実現したがか、紙面で特集されています。
想定外? 想定以上? の大人気に……
世界観の作り込みが破綻すれば、ディズニーパークとしてのクオリティを保てません。
「充分な準備ができないなら、やらない」という判断も、もちろんあったでしょう。
ただ、「アナとエルサのフローズンファンタジー」を実施する1月〜3月という時期は、特に前半は、今まで魅力的なイベントを用意できず、集客に苦労していたのも事実です(中盤〜後半は、テスト・入試関連や、春休みで、中高生・学生が増え、繁忙期になります)。
これは想像ですが、「七夕プログラムや、お正月プログラムのような、小規模なイベントになったとしても、とりあえず反応を見てみよう」と考えたのかもしれません。
想定外、あるいは想定以上だったのは、それでも、大勢のアナ雪ファンが詰めかけてしまった事実。しかも、強い期待を抱いていました。
正直なところ、株式会社オリエンタルランドとしても、入園者数の多さに見合うだけのイベントを用意できず、忸怩たる思いを抱いていた方が、少なくなかったのではないかと、勝手ながら想像してしいます。
これぞ、ディズニークオリティ。
2016年「フローズンファンタジー」は本物
しかし。
しかしながら。
1年以上かけて準備してきた、2016年「アナとエルサのフローズンファンタジー」は、2015年イベントとは、まったくの別物。
スペシャルイベントの名に恥じない、素晴らしい “ディズニー・クオリティ” に仕上がっています。
これが正真正銘、株式会社オリエンタルランドとしても本来見せたかった、本物の「アナとエルサのフローズンファンタジー」。
2015年の経験で、「行かない」と決めてしまうのは、もったいなさすぎる……!! と思わせるほど。