ヘアメイク:杉村理恵子/スタイリスト:山本真里江

 “恋人以上”の親友関係にある男女の恋模様を描いて大ヒットした台湾ドラマ「我可能不會愛(イタズラな恋愛白書)」を、「イタズラなKiss」シリーズ、「きみはペット」などの制作チームによって日本版にリメークした恋愛ドラマ「僕はまだ君を愛さないことができる」。本作で白洲迅とダブル主演し、ヒロイン役を演じる足立梨花が、撮影時のエピソードや自身の恋愛・結婚観、目指す女優像などを語ってくれた。そこには、明るくハキハキした印象からは想像できない意外な一面があった。

 29歳の誕生日に、親友の石田蓮(白洲)と“30歳最後の日までに先に結婚した方に30万円のご祝儀を贈る”という賭けをする御手洗陽(足立)。互いが恋に落ちることはないと断言する2人だが、蓮の後輩・河野麻希(松本妃代)の積極的なアプローチや、陽の後輩・鳴海悠(佐久間悠)の急接近、そして陽の元カレ・水沢竜星(浅香航大)との再会などが重なり、その“親友”関係が徐々に変化していくさまが描かれる。

 何事にも一生懸命なキャリアウーマンだが、恋愛面ではあまりうまくいかない陽を演じる足立は、「大変でした」と照れ笑い。というのも、台本をもらってから演技プランを考えている際、「今出てきた感情が陽としてなのか、自分としてなのか分からなくなることが何度もあった」そうで、その理由を「自分の思いを相手にうまく伝えられないところや、強くて何でもできて、一人で生きられそうと思われがちだけど、実はそうじゃないところなど、あまりにも2人の性格が似過ぎている」と分析する。

 現在26歳。回想シーンで挑戦した高校生役についても、「照れくさいです。もう駄目でしょ…。スタッフに『大丈夫?』と確認するたびに『大丈夫』と言ってくれましたけど、鏡を見れば分かるから…」と嘆き、「ウィッグに助けられました」とヘアスタイルで何とか乗り切ったことを打ち明けた。

 劇中、さまざまなタイプの男性が登場し、陽を胸キュンさせたり、突飛な言動でドン引きさせたりするが、足立自身の理想の恋愛を尋ねると、「自分から告白はできないので、相手からきてほしいです。自分からもアプローチはするけど、分かりにくいみたいです…」と明かし、男性をドキドキさせるボディータッチも「意識し過ぎて、好きな人にはできないです。これをやったら嫌われるかな?とかいろいろ考えちゃう」と奥手な一面をのぞかせた。

 好みは「私が優柔不断なので、何でもパッパッと決める決断力がある人。あと、優しくて、面白くて、格好良くて…」とキリがないが、「声フェチなので電話越しの声がすてきな人がいいな。高過ぎず、低過ぎず、絶妙のラインの声が好きです」と一際目を輝かせた。そして、「付き合ったらずっと一緒にいたいです。寂しがり屋なので、家にいても彼とくっついていたい」と妄想を膨らませた。

 結婚願望も強く、「“若くてきれいなお母さん”になりたいので、30歳までに結婚して、子どもを生みたいです」と声を弾ませた。また、「自分のために頑張ることができなくて、誰かのためになら頑張れる」と結婚して家族を持ちたい理由も吐露。一方で、大好きなアニメ「名探偵コナン」のイラスト入り婚姻届を持っており、「それを使うのが夢です。むしろそれを使いたい気持ちの方が強いかも」とあっけらかんと笑った。

 近年は女優としての活躍が著しいが、グラビアアイドルやタレント、スポーツキャスターなど、マルチな才能を見せる足立に将来の展望を聞くと、「私も参加した『ホリプロタレントスカウトキャラバン』のグランプリ受賞者に『足立梨花さんが憧れです』と言われる人になりたい」と返答。現在は同事務所の先輩である深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみらの人気が高いが、いつかこの布陣に自分の名も連ねたいという。

 では、そうなるために必要なものとは? 足立は「それが分からないんですよね」と首をひねりながらも、恋愛中と同じように「人の目を気にして、自分の殻を破れないところ」を改善点として挙げた。

 寺島しのぶとダブル主演のミステリードラマ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(WOWOWで放送中)で、“毒”を抱えた女性役を演じているときも、スタッフから「薄い壁があるんだよね。それを壊したところを見たい」と言われるが、「子どもの頃から周りの目を気にするタイプで、『人に嫌われないように完璧ないい子でいよう』『失敗したくない』と思っているので、自分では思い切りやっているつもりでも、勝手にブレーキがかかっちゃうんです」とやり切れなかったことを告白。

 「あとから『失敗してもよかったのに、どうしてやらなかったの?』とも言われましたが、小さい頃から染みついたものを拭いとるのは難しいですよね」と表情をゆがめた。

 それ故、同作撮影後も「気づかないうちにブレーキをかけてしまっていたかな?」と不安がよぎったという。しかし、今回は「事前に準備した作りこんだものではなく、等身大のナチュラルな芝居」が必要だったため、「その時々の瞬間を大切に演技ができたと思います」と自信をのぞかせると、オリジナル版とは一味違う「迅くんと私、2人にしか出せない空気感」をアピールした。

 それでも「壁を壊して成長したい」と言葉に力を込める足立。だが、自分の欠点を理解しているのだから、あとは勇気を出してフルスロットルでぶつかるのみだ。近い将来、殻を破って今以上に輝く彼女の姿が見られるだろう。

(取材・文・写真/錦怜那)

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