2015年より在阪民放5局が文楽とタッグを組み、より分かりやすく、よりカジュアルに、その魅力を伝えようと始まった『うめだ文楽』。第1回にも関わらず、5公演すべて満員御礼と好評を博した本公演が、今年も開催される。
演目は大阪・玉造が舞台の「傾城阿波の鳴門 ~十郎兵衛住家の段~(けいせいあわのなると ~じゅうろべえすみかのだん~)」。文楽の代名詞ともいえる大曲で、母と娘の切ない情愛を描いた物語だ。この大曲を、通常公演では手がけることのない若手技芸員が演じるのも『うめだ文楽』の見どころの一つ。
昨年も出演し、若手技芸員たちのリーダー的存在でもある人形遣いの吉田幸助は、「今年は6公演と昨年より1公演増えたので、力を合わせて頑張っていきたい。『傾城阿波の鳴門 ~十郎兵衛住家の段~』は、“阿波”とありますが徳島ではなく大阪でできたお芝居。普段はあんまりやらない曲でもありますので、ぜひ見ていただけたら」と意気込んだ。同じく2年連続の出演となる三味線の鶴澤寛太郎も、「昨年は、『壺坂霊験記』という背伸びどころかジャンプするような演目を勤めさせていただき、今年も昨年に勝るとも劣らない大曲をやらせていただくので身の締まる思いと、また大変な思いをするのかという気持ちが入り混じっていますが(笑)、2年連続で与えてもらったチャンスですし、たくさんの人に協力してもらってこの会が成立しているので、少しでも期待に添えられるように頑張りたいです」と語った。そして今年初出演となる太夫の竹本小住大夫は、「出演させていただき、非常に光栄です。体当たりで務めさせていただきます」と自らを奮い立たせた。
公演は、トークショーとの二部構成。トークショーでは、わかぎゑふ、三浦しをんら、多彩なゲストが日替わりで登場。技芸員とともにビギナーにもわかりやすく、文楽の魅力を語りつくす。2年連続でゲスト出演する桂南光は「会場であるシアターの小さな空間で観る文楽は臨場感たっぷり。とても伝わりやすかった」と絶賛。会場は大阪駅からすぐと利便性も高く、より気軽に楽しめる。
『うめだ文楽2016』は3月25日(金)から27日(日)まで、大阪・グランフロント大阪 北館4F ナレッジシアターにて上演。チケットは発売中。