映画『エヴェレスト 神々の山嶺』の完成披露試写会が4日、東京都内で行われ、出演者の岡田准一、阿部寛、尾野真千子、佐々木蔵之介、ピエール瀧、甲本雅裕、風間俊介、平山秀幸監督が登壇した。
原作は、夢枕獏氏のベストセラー小説。“エベレスト史上最大の謎”を追う野心家の山岳カメラマンを岡田、孤高の天才クライマーを阿部、そして2人に運命を翻弄(ほんろう)される女性を尾野が演じ、日本映画史上初めて、実際にエベレストの標高5200メートル級の高地で撮影を敢行した。
岡田は「阿部さんを追いかける野心家のカメラマンを演じました。熱い挑戦を描いた大人の映画になっていると思います」と作品を紹介し、「僕たちも空気が半分、気温がマイナス20度というギリギリの場所での撮影でしたが、その熱い思いをたくさんの人に感じていただければ」と呼びかけた。
阿部も「不屈の男を演じさせていただきましたが、隣にいる岡田くんは本当に不屈の男。岡田くんに精神力だけは負けないようにと精いっぱいやってきました」とあいさつ。若き登山家を演じた風間も「間違いなく映画史に残るであろう作品に出演できて誇らしいです。考える作品ではなく、感じていただく作品です」とアピールした。
過酷な自然環境の中での撮影。あらためてエベレストでのエピソードを問われた岡田は「どちらかといえば、僕の歩いている後ろに阿部さんとか尾野さんが付いてくる感じだったので、“弱っているところを見せられないというプレッシャー”があった」と告白。
また、そのため「朝起きた時と夜に2回、ドクターが血中酸素を測ってくれるんですが、その前にズルして空気をいっぱい吸ってから測っていた」と言い「本当は苦しいのですが、苦しくない振りをしてやってました。普通に測ったらたぶん(数値は)70後半なのに(ズルして)86ぐらいにすると、『岡田さんタフですね』と(ドクターから)言われるんです」と白状した。
これに阿部は「そんなことしてたんですか…」と驚きつつ、「実は僕もやっていました」と打ち明け、会場は爆笑。
「岡田くんが、90もいったと聞くと、僕は不屈のクライマー役なので、後輩に負けられないなと思って…」と述懐する阿部に、岡田も「『高山病になったら下ろします』というような危険な場所。『酸素を吸うときは下りるとき』と聞いていたので、それまでに撮りきらなければという思いがあった。“僕ら”うそをついてました。ここでカミングアウト、お詫びをさせていただきます」と続け、笑いを誘った。
一方「(その事実は)知らない。いま初めて聞きました」とびっくりした様子の尾野は「私は真面目に測りましたよ!」と強調。
それでも、普通体重が落ちるとされる高山での撮影で、「私だけ3キロ太りました」と明かし「何が起きたんでしょうね。食事を腹8分目で抑えなければいけないところ、いっぱい食べて、あとは水分を取るためミルクティーをたらふく飲んでいた。そしたら…」と照れ笑い。岡田もそんな尾野に「日本で一番タフな女優さん」と称号を送っていた。
映画は3月12日から全国ロードショー。