インディペンデント映画界に金字塔を打ち立てた『SR サイタマノラッパー』シリーズ最新作がついに公開される。
その新しい制作手法は、これからの日本映画界の軸となる可能性を秘めている。

5月上旬より大阪・第七芸術劇場ほか、全国順次ロードショー ©2012「SR3」製作委員会
新しい制作方法がオリジナル作品を生み出す

'06年、邦画の興行収入が約20年ぶりに洋画を上回った。それ以降、多くの日本映画が制作されたが、一部の大量に動員を見込める作品には大規模に投資される一方、大作以外の作品は製作費が集まらない、という両極化が指摘されてきた。中でも、インディペンデント映画の制作は困難な現状が続いている。
そんな中、全くのオリジナル作品『SR サイタマノラッパー』がインディペンデント映画ながらロングランヒットを記録。埼玉県を舞台にラッパーを夢見る青年たちの青春を描いた本作品は、'09年の第19回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でのグランプリ受賞をきっかけとして、海外の映画祭でも高い評価を獲得した。そしてこの春にはシリーズ3作目となる『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』が公開される。本シリーズが人気を博している理由を映画に詳しい編集者の門間雄介さんに聞いた。
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