3月11日からツアー「桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー」を行うChanty。自らを「文化祭バンド」と語る真意とは…?
――Chantyは2013年に結成され、コンスタントに活動を続けています。
芥:結成から「突き刺す音楽」をコンセプトにしていたんですけど、最近「突き刺す音楽」というのを改めて考えるようになったんです。
確かに我々は「突き刺す音楽」を届けたくて、イメージとして「つららで心臓を一刺しするような音楽」をやりたいと思っていたんです。けど、それだけじゃ伝わりきれないなと思うようになって。最近ちょっとプロフィール文を変えようと思っているんですよ。
言うならば、半透明なバンドだと思うんです。
――上手い例えですね。Chantyはとらえどころがないバンドだと思うんです。これはいい意味で言っているのですが、たとえば「こういうコンセプト」で「こういうキャラです!」というわかりやすさはないですよね。衣装もきょうび珍しく白を基調にしていて。
芥:結成当初は白い衣装で、去年はちょっと色のついた衣装を着てたんですけど、1年やってみて、色を入れるのは自分たちでもあるし、お客さんが入れてくれたらいいし、「白で大丈夫です」って思ったんですよね。
去年は衣装だけでもなく、1年を通して色々な新しいことにも挑戦した活動をしていたんですけど、最初の1年が間違ってなかったということの証明にもなる1年でした。
去年がダメだったというわけではなく、色々やってみた上で最初の衝動をこのまま突き通していこうという「覚悟」ができた1年だったと思うんです。
だから今はバンドを始めたばかりのような清々しさでやっている感じがして楽しいんですよ。
――サウンド面も基本的には同期を極力使用せずに、シンプルなバンドサウンドですね。
千歳:基本的にバンドサウンドが好きで、全員で出す音、スタジオで出す音を大切にしているので、メンバーがいればそれでいいんですよ。
野中拓(以下・野中):多分僕たち5人って、例えばご飯が出てくるとするじゃないですか、そしておかずが出てくる。そこにソースをかけたりしないんです。
芥:え、僕かけるよ?
野中:例えの話(笑)。「素材の味を活かすタイプ」なんです。
shia.:元の味を殺したくないんですよね。それが良いと思ってやってるんです。それが美味しいと思って食べているから、余計なものを入れて複雑な味になって、食べる側が何の味か分からないよりは、素材の味をそのまま届けた方が美味しくいただいてもらえるんじゃないかと。
野中:僕らみんなご飯が大好きなんで、ご飯に例えるの好きなんです(笑)。
――さすが「まんぷくレコード」…。それは素材の味に自信がないとできないことですよね。