いよいよ始まるゴールデンウィーク。皆さんも国内旅行や海外旅行を計画しているのではないでしょうか。旅行先を決めたり、宿はどこにしよう、何に乗って移動しよう、何を食べよう……旅行の楽しさの半分は計画にあったりしますよね。妄想しているだけで1回分の旅行にでかけた気分となります。

ただ、妄想だけでは足りないのが、現地での予定外の出会い。それは同じ目的に向かう旅行者だったり、宿やご飯どころで丁寧にされたり、困っている時に救いの手を差し伸べてもらったり。

思いがけない人との出会いは、妄想では補えないものですよね。そんな嬉しい思い出から、また旅に出ようと思うのです。

こういった良き思い出は、日本の「おもてなし」によってなされています。日本のおもてなしはとても気持ちがよく、海外の人にも人気。この精神で来る2020年のオリンピックでは、多くの外国人をおもてなしできればと考える人も多いでしょう。しかし、この考えに警鐘を鳴らす人がいます。

「今の日本のおもてなしには違和感がある」

こう指摘するのは、小西美術工藝代表取締役社長で書籍『新・観光立国論』の著者であるデービッド・アトキンソンさん。元ゴールドマン・サックスアナリストで、日本の不良債権の実態を暴くレポートで注目を集めました当人で、日本文化についても詳しく、裏千家茶名「宗真」をもっています。日本文化に非常に詳しい外国人の一人と言えますね。

そんな彼が指摘する「おもてなし」への違和感とはどのようなものでしょう。同書を開いてみました。

そもそもアトキンソンさんは、日本のことが嫌いではありません。むしろ、「観光立国として日本が人気になるためにレベルアップが可能」だからこそ、指摘しているのです。

参考となるデータはこちら。公益財団法人日本生産性本部がアメリカ、中国、フランスを対象に「おもてなし」についてアンケート調査を行った「サービス産業の更なる発展に向けた『おもてなし産業化』の推進に係る調査研究事業」という調査報告(2011年)です。

この調査の結果から、興味深いデータが浮き彫りになりました。というのも、日本人が思っているほど各国は、「日本のサービス品質の優位性」を認めていないのです。むむっ、そうなんですか!!