しかし、同書の分析によると、最も重要な役目を担っているのは、ゲストがほとんど意識していない時に流れる音楽だそうです。これはどういうことでしょう。
アトラクションから次のアトラクションへ移動する間や、テーマランド間を移動する間――に聞こえる音や音楽だ。パイレーツ・オブ・カリビアンを体験した後も、ジェットコースターを降りた後も、ショータイムを見て感動した後も、パーク内にいる限り、ゲストにずっと夢と魔法の世界に浸ってもらう――そのための音楽だ出典(『なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか―サウンド・マーケティング戦略』)
ディズニーではアトラクション自体も大切にしていますが、そのアトラクションとアトラクションの間の時間を大切にしているのです。
ディズニーではこういった移動の空間を「トランジション&ディコンプレッションゾーンと呼んでいるようで、ファンタジーの世界に留まりながらも、一時的にそこから自分自身を切り離すためのエリアと位置づけられています。
移動中もアップテンポな曲ばかりが続くと少し疲れてしまいますよね。そんな時に流れるのは、風の音や鳥のさえずり。ディズニーにとってこの時間は、ゲストが興奮を冷ます時間となっているのです。ですので、ここでは、ゲストがリラックスし、安心できる音が選ばれているのです。
このような知られざるこだわりがあるのが、ディズニーの素晴らしいところ。次、ディズニーに遊びに行く際は、このアトラクション以外にもこだわっているディズニーの空間作りを堪能してみてはいかがでしょうか。やはり、知れば知るほど驚きのある夢の国ですね。
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