前作『アリス・イン・ワンダーランド』から6年。
その流れをしっかりと汲みながら、新しい風を吹き込んだ新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』が2016年7月1日、ついに公開されました。
ティム・バートン監督の生みだした世界の、新たな作り手となった、ジェームズ・ボビン監督へのインタビューを交え、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の見どころをお伝えします。
前作の詩的な世界を紐解く、新しく論理的な物語
作り込まれた映像美と、随所に盛り込まれた哲学的な問いが話題となった前作『アリス・イン・ワンダーランド』。
今作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』では、その後の世界を描いており、過去に囚われ、生命の危機に瀕したマッド・ハッターを、アリスが救う、というストーリーになっています。
また、前作で私たちの中に残った “不思議” や “疑問” を解いてくれる、非常に論理的な描き方が特徴です。
ジェームズ・ボビン監督は、
「小さな子供にも理解できるように作った」
と述べています。
これには、もともとTVプログラムの作り手だった、ジェームズ・ボビン監督のキャリアと考え方が、よく反映されています。
前作から続いて問いかけられる「Who are you? (お前は誰だ?)」という問いかけにも、「自分の在り方は、自分がいつも決める」という明確な答えが提示されます。
まだ何者でもないアリスより、幼い子供たちには、「これからの歩み方」を教えてくれ、もう何者かになった意識を持つ、アリス以上の大人には、「自分の意志を強く持つことへの勇気」を、改めて教えてくれます。
今作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は、前作がよく分からなかったという人にこそ見て欲しい、新たな『アリス・イン・ワンダーランド』に仕上がっていると言えるでしょう。